吹雪への備え:視界不良と寒さ対策
防災を知りたい
先生、「吹雪」って、ただ雪が降っているのとはどう違うんですか?
防災アドバイザー
いい質問だね。吹雪は、激しい風が雪を巻き上げている状態なんだ。ただ雪が降っているだけの場合とは違って、視界が悪くなったり、物が飛んできたりと危険が多いんだよ。
防災を知りたい
巻き上げるとはどういうことですか?空から降ってくる雪だけが吹雪になるんじゃないんですか?
防災アドバイザー
そう、空から降ってくる雪が強い風で舞い上がる「風雪」と、地面に積もった雪が強い風で舞い上がる「地吹雪」の2種類があるんだ。どちらも視界を悪くするから注意が必要だよ。
吹雪とは。
災害と防災に関係する言葉である「吹雪」について説明します。吹雪とは、強い風が雪を空中に巻き上げる現象のことです。吹雪には二つの種類があります。一つは、空から降ってくる雪が強い風によって空一面に乱れ飛ぶ「風雪」です。もう一つは、地面に積もった雪が強い風によって巻き上げられ、空一面に乱れ飛ぶ「地吹雪」です。この二つの種類の吹雪が同時に起こることもあります。
吹雪の仕組み
吹雪は、雪が降るだけでなく、激しい風が伴う危険な気象現象です。ただ雪が降る時とは違い、視界が悪くなるため、注意が必要です。吹雪には、大きく分けて「風雪」と「地吹雪」の二種類があります。風雪は、空から降ってくる雪が風によって舞い上がり、視界を遮る現象です。一方、地吹雪は、地面に積もった雪が強風によって巻き上げられ、視界を覆い尽くす現象です。この二つの種類は同時に発生することもあり、そうなるとさらに危険な状況となります。
風雪の場合、雪が風に運ばれるため、実際降っている雪の量以上に視界が悪化することがあります。雪片が風に舞うことで、空一面が白く煙るようになり、方向感覚を失いやすくなります。地吹雪の場合、乾燥した軽い雪ほど舞い上がりやすく、晴れていても突然視界が真っ白になることがあります。積雪の多い地域では、特に地吹雪の発生に注意が必要です。
吹雪による視界不良は、ホワイトアウトと呼ばれる状態を引き起こし、数メートル先も見えないほどになります。このような状況では、方向感覚を失って遭難したり、車や電車などの交通機関が運行できなくなったりするなど、様々な危険が伴います。また、強風と雪によって体感温度が大きく下がり、低体温症の危険性も高まります。さらに、吹雪は電線に雪が付着して断線を引き起こし、停電をもたらすこともあります。吹雪の際は、不要不急の外出を控え、安全な場所で待機することが重要です。気象情報に注意し、吹雪の兆候があれば、早めに備えを行いましょう。
種類 | 原因 | 特徴 | 危険性 |
---|---|---|---|
風雪 | 降雪が風で舞い上がる | 降雪量以上に視界が悪化、方向感覚喪失 | ホワイトアウト、低体温症、交通機関の運行停止 |
地吹雪 | 積雪が強風で舞い上がる | 乾燥した軽い雪ほど舞い上がりやすい、晴天時でも発生 | ホワイトアウト、低体温症、交通機関の運行停止 |
風雪と地吹雪の同時発生 | 風雪と地吹雪が同時に発生 | さらに危険な状況 | ホワイトアウト、低体温症、交通機関の運行停止 |
吹雪への対策
吹雪は、視界を奪い、体温を急激に低下させる危険な気象現象です。生命を守るため、事前の準備と適切な行動が不可欠です。
まず、気象情報は常に確認しておきましょう。ラジオやテレビ、インターネットで最新の情報を集め、吹雪の接近に備えましょう。大雪や強風の予報が出ている場合は、不要不急の外出は控え、安全な屋内で過ごすようにしましょう。
やむを得ず外出する場合は、防寒対策を徹底することが重要です。保温性の高いコートや重ね着で体温の低下を防ぎましょう。特に、手足、頭、首などは冷えやすいので、帽子、手袋、マフラーなどでしっかりと覆いましょう。厚手の靴下や滑りにくい靴も着用し、転倒を防ぎましょう。吹雪の中では視界が悪くなるため、明るい色の服装を心がけることで、周囲から見つけてもらいやすくなり、事故防止につながります。
さらに、外出時には非常持ち出し袋を用意しましょう。懐中電灯、携帯電話、予備の電池、携帯ラジオ、少量の食料と水、救急用品などは必ず入れておきましょう。万が一、吹雪で立ち往生した場合に備え、車の中に毛布やスコップ、牽引ロープなどを常備しておくことも有効です。
吹雪の中で遭難してしまった場合は、雪洞を掘ったり、風を避けられる場所に避難したりして、体温の低下を防ぐことが大切です。無理に歩き回らず、救助を待ちましょう。また、携帯電話で家族や知人に自分の居場所を知らせたり、救助要請をすることも重要です。日頃から避難場所を確認しておくことも、安全確保に繋がります。
状況 | 対策 |
---|---|
吹雪の接近前 | 気象情報を確認、不要不急の外出は控える |
やむを得ず外出時 | 防寒対策(保温性の高い服装、帽子、手袋、マフラー、厚手の靴下、滑りにくい靴)、明るい色の服装、非常持ち出し袋(懐中電灯、携帯電話、予備電池、携帯ラジオ、食料、水、救急用品)、車に毛布、スコップ、牽引ロープなどを常備 |
吹雪で遭難時 | 雪洞を掘る、風を避けられる場所に避難、無理に歩き回らない、救助を待つ、家族等に連絡、救助要請、避難場所の確認 |
視界不良への対処
視界不良は、吹雪という厳しい環境において生死を分ける危険な要素です。視界が奪われると、方向感覚が失われ、自分がどこにいるのか、どちらに進めば良いのか分からなくなり、遭難の危険性が飛躍的に高まります。深い霧や激しい吹雪の中で無理に進むことは、非常に危険な行為です。このような状況に陥った場合は、決して無理をせず、安全な場所に避難することが最優先事項となります。
もし車で移動中に視界不良に見舞われた場合は、まずハザードランプを点灯させ、周囲の車に自分の存在を知らせましょう。エンジンはかけたままにし、暖房をつけて体温の低下を防ぎます。ただし、マフラーが雪で埋もれないように注意を払い、定期的に雪を取り除くことが重要です。一酸化炭素中毒は命に関わるため、換気にも気を配りましょう。
徒歩で移動中に視界不良に遭遇した場合は、電柱やガードレール、建物の壁など、触って確認できる目印を頼りに慎重に進みましょう。雪に覆われていても、道の端や線路などは、足元の感触の違いで判断できる場合があります。また、グループで行動している場合は、はぐれないように声を掛け合い、互いの位置を常に確認しながら移動しましょう。笛を携帯しておき、緊急時には吹いて助けを求めるのも有効です。
吹雪の中で最も大切なのは、冷静さを保つことです。焦って無理な行動をとると、状況を悪化させる可能性があります。落ち着いて状況を判断し、身の安全を最優先に考えて行動しましょう。可能であれば、家族や知人、あるいは救助隊に連絡を取り、自分の状況を伝えましょう。
状況 | 対処法 | 注意点 |
---|---|---|
吹雪による視界不良 | 安全な場所に避難 | 無理に進むのは危険 |
車での移動中 |
|
一酸化炭素中毒の危険 |
徒歩での移動中 |
|
はぐれないように注意 |
全般 |
|
焦って無理な行動は危険 |
寒さ対策
冬山の厳しい寒さ、特に吹雪の中では、体感温度が急激に低下し、命に関わる危険があります。風と雪によって体温は奪われ、低体温症を引き起こす可能性が高まります。低体温症とは、体温が35度以下に低下した状態を指し、体の機能が正常に働かなくなる深刻な状態です。初期症状としては、震えや体の冷え、判断力の低下などが挙げられます。さらに症状が進むと、意識がもうろうとしたり、呼吸が浅くなったり、脈拍が弱くなるといった危険な状態に陥ります。最悪の場合、死に至ることもあるため、迅速な対応が必要です。
吹雪の中の寒さ対策として、最も重要なのは重ね着です。一枚の厚着よりも、複数の衣類を重ね着することで、衣服の間に空気の層ができ、保温効果が高まります。素材としては、吸湿性と速乾性に優れた素材を選び、汗冷えを防ぐことが大切です。また、帽子、手袋、マフラーは、体温が逃げていきやすい頭部、手足、首を覆うことで、体全体の保温に繋がります。露出部分をできるだけ少なくすることで、寒さから身を守ることができます。さらに、温かい飲み物を飲むことで、体の中から温めることができます。糖分を含む飲み物は、エネルギー補給にも効果的です。
もし、低体温症の症状が見られた場合は、すぐに暖かい場所に移動し、濡れた衣服は乾いたものに着替えさせ、毛布などで体を温めましょう。そして、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。救助を待つ間、意識のある場合は、温かい飲み物を与え、励ましながら回復を待ちましょう。ただし、意識がない場合は、無理に飲み物を与えず、気道確保などの応急処置を行い、救助を待ちましょう。冬山へ行く際は、事前の準備と適切な行動が、安全な登山を楽しむために不可欠です。
状況 | 危険性 | 対策 | 症状 | 応急処置 |
---|---|---|---|---|
冬山の吹雪 | 体感温度の低下、低体温症 | 重ね着、保温効果の高い素材、帽子・手袋・マフラー着用、温かい飲み物 | 震え、体の冷え、判断力の低下、意識障害、呼吸困難、脈拍低下 | 暖かい場所への移動、濡れた衣服の交換、保温、温かい飲み物、医療機関受診、意識がない場合は応急処置後救助要請 |
家庭での備え
冬の厳しい寒さや大雪に見舞われると、交通機関が麻痺したり、停電が発生したりと、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。こうした事態に備え、家庭でも日頃からしっかりと準備を整えておくことが大切です。
まず、生命維持に欠かせない食料と水は、最低でも3日分、できれば1週間分を備蓄しましょう。水は飲料用だけでなく、調理やトイレにも必要です。食料は、調理せずに食べられる缶詰やレトルト食品、乾パンなどが適しています。乳幼児やアレルギーのある家族がいる場合は、それぞれの状況に合わせた食料を用意しましょう。
次に、情報収集や連絡手段の確保も重要です。停電に備えて、乾電池式のラジオや懐中電灯、予備の電池を用意しておきましょう。携帯電話も重要な連絡手段となりますが、充電が切れてしまうと使えなくなるため、モバイルバッテリーを用意したり、普段からこまめに充電する習慣をつけたりするなど、停電時にも使えるように工夫しましょう。
さらに、大雪による被害を防ぐための準備も必要です。雪かき用のスコップやスノーダンプを用意し、家の周りの雪をこまめに除雪しましょう。特に、玄関や窓などの出入り口は雪で塞がれないように注意が必要です。屋根に積もった雪は、落雪の危険がありますので、安全に配慮しながら除雪するか、業者に依頼することも検討しましょう。
そして、家族で災害時の対応について話し合っておくことも大切です。避難場所や緊急連絡先、集合場所などを事前に確認し、共有しておきましょう。災害発生時の行動をあらかじめ決めておくことで、いざという時に落ち着いて行動できます。また、近所の人たちと協力し合うことも重要です。日頃から地域との繋がりを深めておくことで、災害時に助け合ったり、情報交換をしたりすることができます。
これらの備えを怠らず、いざという時に備えておくことが、自分自身と家族の安全を守る上で重要です。
カテゴリー | 具体的な対策 | 対象/目的 |
---|---|---|
食料と水の備蓄 | 最低3日分、できれば1週間分の食料と水を備蓄する。 調理不要な缶詰、レトルト食品、乾パン等。 乳幼児やアレルギー対応の食料も考慮。 |
生命維持 |
情報収集・連絡手段の確保 | 乾電池式ラジオ、懐中電灯、予備電池を用意。 携帯電話のモバイルバッテリー、こまめな充電。 |
情報アクセス、安否確認 |
大雪対策 | スコップ、スノーダンプで除雪。 玄関、窓の出入り口の確保。 屋根の雪は安全に除雪、または業者依頼。 |
家屋被害の防止、安全確保 |
家族・地域との連携 | 避難場所、緊急連絡先、集合場所の確認と共有。 災害時の行動計画を策定。 地域住民との協力体制の構築。 |
迅速な避難、相互扶助 |