空から降る氷の粒、霰の正体

空から降る氷の粒、霰の正体

防災を知りたい

先生、霰(あられ)って直径5ミリ未満の氷の粒なんですよね?雪みたいなものとは違うんですか?

防災アドバイザー

いい質問だね。霰は確かに直径5ミリ未満の氷の粒で、雪とは違います。雪は氷の結晶が空から降ってくるものだけど、霰はもっと硬くて、小さな氷の粒なんだ。だから、雪みたいにふわふわしていないんだよ。

防災を知りたい

じゃあ、霰ってどうやってできるんですか?雨と同じように水滴が凍るんですか?

防災アドバイザー

霰のでき方には、主に2種類あるんだ。一つは、雪の周りに過冷却された水滴がくっついて凍る『雪あられ』、もう一つは、雲の中で小さな氷の粒がぶつかり合って大きくなる『氷あられ』だよ。天気予報では雪あられは雪に、氷あられは雨に含められるんだ。

霰とは。

災害と防災に関係する言葉「あられ」について説明します。あられは、雲から落ちてくる、白く透けないものや、少し透けるもの、あるいは透明な氷の粒です。大きさは直径5mmよりも小さいものを指します。あられには、「雪あられ」と「氷あられ」の二種類があります。雪あられは雪の周りに水滴がついたもので、氷あられは氷の粒です。天気予報では、雪あられは雪として、氷あられは雨として扱われます。

霰とは何か

霰とは何か

霰(あられ)とは、直径5ミリメートル未満の氷の粒が空から降ってくる現象を指します。空から白い粒が降ってくると雪と間違えやすいですが、霰は雪とは異なる過程を経て生まれます。まず、霰には大きく分けて二つの種類があります。一つは「雪あられ」と呼ばれるもので、これは雪の結晶に上空の過冷却水滴が衝突し、凍り付いてできます。もう一つは「氷あられ」で、こちらは最初から小さな氷の粒として発生し、雲の中を浮遊しながら成長していきます。雪あられは、いわば雪の芯に氷の外套をまとったような構造で、半透明または白色不透明の見た目をしています。一方、氷あられは透明なことが多いですが、含まれる空気の量などによって白っぽく見えることもあります。

霰の大きさは様々で、小さなものは砂糖粒のように見え、肉眼ではっきりと確認できないほど小さいものもあります。大きなものは直径5ミリメートル近くになり、地面に落ちるときにコツコツと音を立てることもあります。天気予報では、雪あられは雪に分類され、氷あられは雨に分類されます。どちらも降水量として計測され、私たちの生活に影響を与えることがあります。特に、大きな霰は農作物に被害を与えたり、窓ガラスを割ったりすることもあります。また、積もった霰は路面を凍結させ、交通の妨げになることもあります。そのため、気象情報に注意し、霰が予想される場合は適切な対策をとることが大切です。

項目 内容
定義 直径5mm未満の氷の粒が降る現象
種類 雪あられ、氷あられ
雪あられ 雪の結晶に過冷却水滴が衝突・凍結

半透明または白色不透明
氷あられ 最初から氷の粒として発生・成長

透明(空気含有量により白っぽくなることも)
大きさ 砂糖粒大〜直径5mm未満
天気予報での分類 雪あられ:雪、氷あられ:雨
影響 農作物被害、窓ガラス破損、路面凍結

霰の発生メカニズム

霰の発生メカニズム

霰(あられ)は、空から降ってくる氷の粒のことで、その大きさや形状は様々です。では、どのようにして霰は生まれるのでしょうか。霰の発生には、大きく分けて雪あられ氷あられの二つの種類があります。

まず、雪あられができる過程を見てみましょう。空の高いところでは、気温が氷点下のため、空気中の水蒸気は小さな氷の結晶、つまり雪になります。この雪の結晶が雲の中をゆっくりと落ちていく途中で、過冷却水滴と呼ばれる特別な水滴に出会います。過冷却水滴とは、気温が氷点下になっても凍らずに液体の状態を保っている水滴のことです。雪の結晶がこの過冷却水滴とぶつかると、水滴は瞬時に凍りつき、雪の結晶の表面に付着します。これを繰り返すことで、雪の結晶は次第に大きくなり、透明の氷の層をまとった雪あられへと成長します。

一方、氷あられの発生過程は少し異なります。氷あられの場合、雲の中にはじめから小さな氷の粒が存在します。この氷の粒に、やはり過冷却水滴が次々とぶつかって凍りつき、氷の粒を大きくしていきます。雪あられとは異なり、中心に雪の結晶がないため、全体が不透明な白い氷の粒になります。

このように、霰は雪や雨とは異なる複雑なプロセスを経て作られます。また、霰が空から落ちてくるまでの間に、上昇気流に何度も巻き上げられることで、大きな霰へと成長することがあります。大きな霰は農作物に被害を与えたり、時には窓ガラスを割ってしまうこともあるため、注意が必要です。

霰と雪の違い

霰と雪の違い

空から舞い降りる白い粒、霰と雪。どちらも冬を彩る風物詩ですが、その正体には大きな違いがあります。雪は、空高くの冷たい空気の中で、水蒸気が凍ってできた氷の結晶です。顕微鏡で覗くと、どれも六角形を基本とした、繊細で美しい模様が浮かび上がります。まるで雪の妖精が紡いだ織物のように、一つとして同じ形はありません。そして、この結晶がいくつも集まって、ふわふわとした雪片となって地上に降り注ぎます。手に取ると、その軽さと冷たさに驚きます。そっと握れば、儚くも崩れてしまうほど繊細です。一方、霰は、雪とは全く異なる過程で生まれます。積雲や積乱雲と呼ばれる、強い上昇気流を持つ雲の中で、小さな氷の粒が上空と下空を何度も往復します。その度に、氷の粒は過冷却された水滴と衝突し、表面に薄い氷の膜を纏っていきます。まるで飴細工のように、層を重ねて成長していくのです。そのため、霰は雪よりも硬く、粒状の形状をしています。大きさは様々で、小粒のものから、時に数センチメートルにもなる巨大なものまであります。雪のように軽く握っても崩れることはなく、むしろ硬さを感じます。強く押すと、パリンと砕けてしまうこともあります。手に取って観察すれば、雪と霰は簡単に見分けることができます。雪は白く、ふわふわとしていて、簡単に潰れます。一方、霰は半透明で硬く、潰れにくいという特徴があります。また、地面に落ちた時の音も違います。雪は静かに降り積もりますが、霰はパラパラ、カラカラと音を立てて地面を叩きつけます。冬空から降ってくる白い粒が、雪なのか霰なのか。少し注意を払えば、その違いに気づくことができるでしょう。そして、それぞれの違いを知ることで、冬の自然をより深く楽しむことができるはずです。

項目
生成過程 水蒸気が凍ってできた氷の結晶 積乱雲の中で氷の粒が過冷却水滴と衝突し成長
形状 六角形を基本とした結晶、雪片 粒状
硬さ 柔らかい、儚い 硬い
大きさ 様々、小さい 様々、小粒から数センチまで
感触 軽く、握ると崩れる 硬く、握っても崩れない、強く押すと砕ける
半透明
静かに降り積もる パラパラ、カラカラと音を立てる

霰の観測方法

霰の観測方法

霰は、空から降ってくる氷の粒で、積乱雲の中で作られます。天気予報で耳にすることも多いですが、実際にどのようなものか、どのように観測するのか、詳しく知る人は少ないかもしれません。気象庁のような専門機関だけでなく、私たち自身でも霰を観測することは可能です。

気象庁では、目視やレーダーを使って霰の観測を行っています。訓練を受けた職員が、実際に空から降ってくるものを目で見て確認する目視観測は、最も直接的な方法です。また、レーダーを使うことで、雲の中の氷の粒の様子や動きを捉え、霰の有無やその規模を推定することができます。これらの情報は天気予報に活用され、豪雨や竜巻などの激しい気象現象を予測するのに役立っています。

私たち自身も、雪のように白い粒が降ってきたら、それが霰かどうか確かめることができます。まず、手に取ってみてください。雪のようにふわふわと軽く溶けてしまうのではなく、硬くて丸みを帯びている場合は、霰の可能性が高いです。また、霰は大きさも様々です。小さな霰は米粒ほどの大きさですが、大きなものはゴルフボールほどにもなります。もし、地面に落ちてきた霰を見つけたら、大きさや形をよく観察してみましょう。大きさや形は上空の気象状況を知る手がかりになります。例えば、大きな霰は上空の空気の流れが激しいことを示唆しています。

霰を観測する際の注意点として、霰を伴う嵐は非常に危険な場合があることを覚えておきましょう。激しい雨や風、落雷を伴うこともあるため、安全な場所に避難することが重要です。また、大きな霰は農作物や建物に被害を与える可能性があります。霰が降っている、あるいは降る可能性がある場合は、気象情報に注意し、適切な対策を講じることが大切です。

観測主体 観測方法 霰の特徴 注意点
気象庁 目視観測、レーダー観測 豪雨や竜巻などの激しい気象現象の予測に活用
私たち自身 目視、触診 雪のように白い粒、硬くて丸みを帯びている、大きさ様々(米粒大~ゴルフボール大) 嵐や落雷の危険性、農作物や建物への被害、気象情報への注意と適切な対策

霰への備え

霰への備え

空から氷の粒が降る現象、霰。時に農作物や建物に大きな損害を与えることがあります。特に、生育途中の果物や野菜は、霰の直撃を受けると傷つきやすく、市場価値が大きく下がってしまうこともあります。農業を営む方は、天気予報で霰の予報が出た際は、ビニールハウスで覆ったり、藁やシートで守るなど、早めの対策が必要です。

また、稀ではありますが、大粒の霰は窓ガラスを割るほどの破壊力を持つこともあります。激しい雷雨と共に霰が降る際は、窓ガラスに近づかない、雨戸やカーテンを閉める、頑丈な机の下に避難するなど、安全確保に努めましょう。家の中にいる場合でも、窓から離れた場所に移動し、安全な場所を確保することが重要です。

さらに、屋外にいる場合は、車庫や軒下などに避難し、霰から身を守りましょう。もし、適切な避難場所が見つからない場合は、リュックサックや鞄などで頭部を保護することも有効です。また、木の下に避難するのは落雷の危険があるため避けるべきです。

普段から、自宅周辺で安全な避難場所を確認しておくと共に、防災用品を準備しておくことも大切です。懐中電灯、携帯ラジオ、救急セット、非常食、飲料水などは、いざという時に役立ちます。天気予報で霰の可能性が示唆された場合は、最新の気象情報に注意を払い、早めの対策を心掛けることで、被害を最小限に抑えることができます。

状況 対策
農業 ・天気予報で霰の予報が出たら、ビニールハウスで覆う、藁やシートで守るなど、早めの対策をする。
家の中にいる場合 ・窓ガラスに近づかない。・雨戸やカーテンを閉める。・頑丈な机の下に避難する。・窓から離れた場所に移動し、安全な場所を確保する。
屋外にいる場合 ・車庫や軒下などに避難する。・適切な避難場所が見つからない場合は、リュックサックや鞄などで頭部を保護する。・木の下に避難するのは避ける。
普段から ・自宅周辺で安全な避難場所を確認しておく。・防災用品(懐中電灯、携帯ラジオ、救急セット、非常食、飲料水など)を準備しておく。・天気予報で霰の可能性が示唆された場合は、最新の気象情報に注意を払い、早めの対策を心掛ける。