プレート内地震:足元の脅威

プレート内地震:足元の脅威

防災を知りたい

先生、「プレート内地震」って、プレートとプレートがぶつかるところで起きるんじゃないんですか?なんでプレートの中で地震が起きるんですか?

防災アドバイザー

いい質問だね。プレート同士が押し合うことで、プレートの内部にもひずみが溜まるんだ。それが限界に達すると、プレートの中で地震が起きるんだよ。

防災を知りたい

なるほど。じゃあ、プレートの中って一口に言っても、色々な場所で地震が起きるんですね。

防災アドバイザー

そうだよ。海のプレートが陸のプレートの下に沈み込んでいる場所で起きる場合と、陸のプレートの中で起きる場合がある。活断層で起きる地震は、陸のプレートの中で起きるプレート内地震の一つなんだ。

プレート内地震とは。

地震には、大きな地面の板同士がぶつかり合うことで起きるものだけでなく、板の中でおこるものもあります。地面の板の中におこる地震は、板同士の押し合いによって、板の中にもひずみがたまり、それが限界に達することで発生します。海の底にある板が陸の板の下にもぐりこむときに、海の底の板の中で起こる地震と、陸の板の中で起こる地震があります。活断層という、地面にずれが生じている場所で起こる地震も、この板の中でおこる地震の一つです。

はじめに

はじめに

私たちの暮らしは、様々な自然災害に囲まれています。その中でも、地震は、私たちの生活に大きな影を落とす恐ろしい災害の一つです。大地が揺れ動き、建物や道路が破壊され、時には人命さえも奪ってしまう地震。地震にはいくつか種類がありますが、特にプレート内地震は私たちの足元で発生するため、より身近な脅威として捉える必要があります。

プレート内地震とは、地球の表面を覆う巨大な板状の岩盤(プレート)の内部で起こる地震のことです。日本列島周辺は複数のプレートがひしめき合っており、プレート同士がぶつかり合うことで発生するプレート境界型地震がよく知られていますが、プレート内地震も決して少なくありません。プレート境界型地震はプレートの境界で発生するため、ある程度場所が特定できますが、プレート内地震はプレートの内部のどこで発生するか予測が難しく、私たちの生活圏のすぐ近くで起こる可能性もあるのです。また、プレート境界型地震に比べて規模が小さいことが多いですが、震源が浅い場合が多く、局所的に大きな被害をもたらすことがあります。

プレート内地震の発生には、活断層の存在が大きく関わっています。活断層とは、過去に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことです。地下深くにある岩盤には、常に大きな力がかかっており、その力が限界を超えると岩盤が破壊され、断層に沿ってずれます。このずれが地震波となって周囲に広がり、地表を揺らすのです。日本列島には数多くの活断層が存在し、いつどこで地震が発生してもおかしくない状況です。

地震から身を守るためには、日頃からの備えが重要です。家具の固定や非常持ち出し袋の準備はもちろんのこと、家族との避難経路の確認や連絡方法の確認なども怠らないようにしましょう。また、地震発生時の正しい行動を学ぶことも大切です。まずは身の安全を確保し、揺れがおさまったら火の始末を確認しましょう。そして、正しい情報を入手し、落ち着いて行動することが大切です。地震は恐ろしい災害ですが、正しい知識と適切な行動で被害を最小限に抑えることができます。この機会に地震への備えを見直し、安全な暮らしを実現しましょう。

地震の種類 発生場所 特徴 備え
プレート内地震 プレート内部
  • 発生場所の予測が難しい
  • 震源が浅い場合が多く、局所的に大きな被害をもたらす
  • 活断層の存在が大きく関わる
  • 家具の固定
  • 非常持ち出し袋の準備
  • 家族との避難経路の確認
  • 連絡方法の確認
  • 地震発生時の正しい行動を学ぶ
  • 正しい情報を入手
  • 落ち着いて行動
プレート境界型地震 プレート境界
  • 発生場所がある程度特定できる

プレート内地震とは

プレート内地震とは

地球の表面は十数枚の巨大な板のような岩盤で覆われています。これをプレートと呼びます。これらのプレートは年間数センチメートルというわずかな速度ではありますが、絶えず動き続けています。プレート同士がぶつかり合う場所では、互いに押し合う力が働き、大きなひずみが蓄積されます。このひずみが限界に達すると、岩盤が破壊され、ずれが生じ、大きな揺れが発生します。これが地震です。プレートの境界で発生する地震はプレート境界型地震と呼ばれ、規模が大きく、津波を伴うこともあります。

一方、プレート境界ではなく、プレートの内部で発生する地震もあります。これをプレート内地震と呼びます。プレート内地震は、プレート境界型地震に比べて発生する回数は少ないですが、私たちの生活圏の直下で発生することが多く、油断できません。プレート内地震の発生メカニズムは、プレート境界型地震に比べて複雑です。プレート運動によってプレート内部にひずみが蓄積されるだけでなく、過去の断層が再び活動したり、地下水の移動マグマの活動が影響を与えたりする場合もあります。そのため、プレート内地震の発生を予測することは非常に困難です。

プレート内地震は規模が比較的小さいことが多いですが、都市の直下で発生すると、甚大な被害をもたらす可能性があります。建物や道路、鉄道、ライフラインなどに大きな損害が生じ、人命にも危険が及ぶ可能性があります。過去にも、都市の直下で発生したプレート内地震によって、壊滅的な被害を受けた事例がいくつもあります。そのため、日頃から地震への備えを怠らないことが重要です。

項目 プレート境界型地震 プレート内地震
発生場所 プレート境界 プレート内部
発生頻度 高い 低い
規模 大きい 比較的小さい
津波 伴う可能性あり 通常は伴わない
発生メカニズム プレート同士の衝突によるひずみ蓄積 プレート運動、過去の断層活動、地下水の移動、マグマ活動など複雑な要因
予測 比較的容易 非常に困難
被害 広範囲 局地的だが甚大になる可能性あり

発生の仕組み

発生の仕組み

地震には大きく分けて二つの種類があります。一つはプレート境界で発生するプレート境界型地震、もう一つはプレート内部で発生するプレート内地震です。この二つの地震は、発生の仕組みが大きく異なります。プレート境界型地震は、プレート同士のぶつかり合いや、一方が他方の下に沈み込むことで発生します。プレートの動きによって蓄積された巨大なエネルギーが、プレート境界で一気に解放されるのです。一方、プレート内地震は、プレート内部にたまったひずみが解放されることで発生します。

では、プレート内部にはどのようにひずみがたまるのでしょうか?一つの要因は、プレートの動きそのものです。地球の表面を覆うプレートは、それぞれ異なる方向や速度で常に動いており、この動きがプレート内部にひずみを生み出します。また、周辺のプレートからの影響も無視できません。例えば、海のプレートが陸のプレートの下に沈み込む時、陸のプレートにも大きな力が加わり、ひずみが蓄積されます。このひずみは、長い時間をかけて少しずつ大きくなり、やがて限界に達すると、地震という形でエネルギーを解放するのです。

さらに、既に存在する断層に、プレートの動きによる力が加わることで、断層が動き地震が発生することもあります。過去の地震によって地盤が弱くなっている場所に、再び力が加わることで、比較的弱い力で地震が誘発される場合もあるのです。このように、プレート内地震は、プレートの動きや周辺プレートからの影響、既存の断層など、様々な要因が複雑に関係して発生します。そのため、プレート境界型地震に比べて、発生の予測が非常に難しいのが現状です。地震発生のメカニズムの解明は、地震予知研究における重要な課題の一つであり、多くの研究者が日々研究に取り組んでいます。

地震の種類 発生の仕組み ひずみの要因 予測の難易度
プレート境界型地震 プレート同士のぶつかり合いや、一方が他方の下に沈み込むことで発生 プレートの動きによって蓄積されたエネルギー 比較的容易
プレート内地震 プレート内部にたまったひずみが解放されることで発生
  • プレートの動き
  • 周辺プレートからの影響
  • 既存の断層への力
非常に難しい

活断層と内陸地震

活断層と内陸地震

日本列島は、世界的に見ても地震活動が活発な地域です。その地震の中には、海溝型地震だけでなく、陸のプレート内部で発生する内陸地震も含まれます。これらの内陸地震の多くは、活断層と呼ばれる地中の断層がずれ動くことで発生します。活断層とは、過去に繰り返しずれ動いており、将来も活動する可能性のある断層のことです。日本列島には、大小合わせて2000以上もの活断層が存在すると推定されており、これらが内陸地震の発生源となっています。

活断層による内陸地震は、都市の直下で発生することが多く、甚大な被害をもたらす危険性をはらんでいます。例えば、1995年に発生した阪神・淡路大震災は、淡路島北部の野島断層と呼ばれる活断層の活動によって引き起こされました。この地震は、都市部に甚大な被害をもたらし、6000人を超える犠牲者を出しました。また、2016年に発生した熊本地震も、布田川断層帯と日奈久断層帯という二つの活断層が活動したことが原因でした。この地震では、震度7を2回観測するという極めて稀なケースとなり、広範囲にわたって大きな被害が発生しました。これらの地震は、活断層による内陸地震の恐ろしさを改めて私たちに認識させる出来事となりました。

活断層の活動周期は非常に長く、数百年から数千年、あるいはそれ以上の間隔で活動を繰り返します。そのため、私たちの生きている間に活断層が活動する可能性は低いように思えます。しかし、日本列島には多くの活断層が存在し、いつどこで地震が発生してもおかしくない状況にあります。活断層の位置や活動履歴を把握し、日頃から地震への備えをしておくことが重要です。具体的には、家具の固定や非常食の備蓄、避難経路の確認など、いざという時に適切な行動が取れるように準備しておくことが大切です。

項目 内容
日本列島の地震活動 世界的に活発であり、海溝型地震だけでなく内陸地震も多い。
内陸地震の原因 活断層(過去に繰り返しずれ動き、将来も活動する可能性のある断層)の活動。
活断層の数 日本列島には2000以上存在すると推定。
内陸地震の危険性 都市の直下で発生することが多く、甚大な被害をもたらす。
内陸地震の例 1995年阪神・淡路大震災(野島断層)、2016年熊本地震(布田川断層帯、日奈久断層帯)
活断層の活動周期 非常に長く、数百年から数千年、あるいはそれ以上。
地震への備えの重要性 活断層の位置や活動履歴を把握し、日頃から地震への備えをすることが重要。
具体的な備え 家具の固定、非常食の備蓄、避難経路の確認など。

地震への備え

地震への備え

日本列島は、複数の地面の板がぶつかり合う場所に位置しているため、地面の揺れは避けられない宿命と言えます。中でも、地面の板の内部で起こる地震は、いつどこで起こるか予測が非常に難しいものです。だからこそ、常日頃から地震に備えておくことが、私たちの命を守る上で何よりも大切になります。

まず、家の中の安全対策として、家具の転倒防止は欠かせません。タンスや食器棚など、背の高い家具はしっかりと壁や天井に固定しましょう。固定器具には、様々な種類がありますので、家具の大きさや材質に合ったものを選びましょう。また、寝室には、寝ている際に落ちてきて怪我をする恐れのあるものを置かないようにしましょう。

次に、非常時に持ち出すための袋の準備も重要です。水や食料、懐中電灯、ラジオ、救急用品など、最低3日分の生活必需品を詰め込んでおきましょう。定期的に中身を確認し、食品や薬の期限切れにも注意が必要です。これらの非常持ち出し袋は、すぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。

家族で地震発生時の行動について話し合っておくことも大切です。家の中の安全な場所の確認、避難場所や集合場所、連絡方法などを事前に決めておきましょう。また、地域によっては、危険な場所や被害が想定される範囲を示した地図が用意されています。これらの情報を活用し、地震の際の避難経路や安全な場所を確認しておきましょう。

防災訓練への参加も、効果的な対策の一つです。地域で行われる防災訓練に参加することで、実際に地震が起こった際の行動を体験し、知識を深めることができます。また、地域住民との交流を通して、地域全体の防災意識を高めることにも繋がります。日頃からの心構えと準備を怠らず、地震の脅威から身を守りましょう。

対策 内容
家の中の安全対策
  • 家具の転倒防止(背の高い家具は壁や天井に固定)
  • 寝室に落下物の危険があるものを置かない
非常持ち出し袋の準備
  • 水、食料、懐中電灯、ラジオ、救急用品など最低3日分の生活必需品
  • 定期的な中身の確認(食品や薬の期限切れに注意)
  • すぐに持ち出せる場所に保管
家族での話し合い
  • 家の中の安全な場所の確認
  • 避難場所や集合場所、連絡方法の確認
  • 危険な場所や被害想定範囲を示した地図の確認
  • 避難経路の確認
防災訓練への参加
  • 地震発生時の行動を体験
  • 防災知識の習得
  • 地域住民との交流
  • 地域全体の防災意識向上

まとめ

まとめ

私たちの暮らす大地の下では、巨大な岩盤であるプレートが常に動き続けています。そして、このプレートの内部で発生するのが、プレート内地震です。プレート境界で起こる地震と比べて、発生場所や時期の予測が非常に困難であるため、大きな脅威となっています。いつ、どこで起きるか分からないからこそ、日頃からの備えが何よりも重要です。

まず、自分の住む地域がどのような地震リスクを抱えているのかを把握することが大切です。近くの活断層の位置や、地震発生時の揺れの強さ、津波の浸水域などを示したハザードマップを必ず確認しましょう。ハザードマップは、国土地理院のウェブサイトや、各自治体のホームページで公開されています。また、自宅や職場周辺の危険な場所、安全な場所を確認し、避難経路を考えておくことも必要です。

次に、自宅内での安全対策を行いましょう。大きな揺れで家具が倒れてくると、ケガをしたり、避難の妨げになったりします。そのため、家具はしっかりと固定し、食器棚の扉には留め金をつけるなどして、物が落ちてこないように工夫しましょう。また、非常時に必要な物資を詰めた非常持ち出し袋を用意することも忘れずに行いましょう。食料や水、懐中電灯、ラジオ、救急用品など、最低3日分の備えを心がけましょう。定期的に中身を確認し、必要に応じて補充することも大切です。

さらに、地域住民との連携も重要です。日頃から、近所の人とコミュニケーションを取り、協力体制を築いておくことで、災害発生時の助け合いがスムーズになります。自治会などが主催する防災訓練に積極的に参加し、避難場所や避難方法を確認しておくことも効果的です。

地震への備えは、決して無駄になることはありません。一人一人が防災意識を高め、自分の身は自分で守るという意識を持つことが大切です。未来の安心・安全な暮らしのために、今できることを考えて行動しましょう。

対策 具体的な行動 入手先/情報源
情報収集 ハザードマップの確認(活断層、揺れの強さ、津波浸水域など)
自宅・職場周辺の危険個所・安全個所、避難経路の確認
国土地理院ウェブサイト、各自治体ホームページ
自宅内安全対策 家具の固定、食器棚の扉への留め金設置
非常持ち出し袋の準備(食料、水、懐中電灯、ラジオ、救急用品など最低3日分)
定期的な中身の確認と補充
地域連携 近所の人とのコミュニケーション、協力体制構築
防災訓練への参加、避難場所・避難方法の確認
自治会など