立退き避難で命を守る
防災を知りたい
先生、「立退き避難」ってどういう意味ですか?ハザードマップで洪水浸水想定区域に書いてあるのを見ました。
防災アドバイザー
いい質問ですね。「立退き避難」とは、災害が来る前に、危険な場所から安全な場所へあらかじめ移動することです。洪水の場合は、家が浸水する前に避難することを指します。
防災を知りたい
つまり、洪水が来る前に逃げるってことですね。避難勧告とかと同じですか?
防災アドバイザー
似ていますが少し違います。避難勧告などが出されるのは、災害が切迫している時です。「立退き避難」は、ハザードマップなどで危険な区域だと分かっている場所に住んでいる人が、もっと早い段階から、例えば大雨が降り始めたら自主的に避難しておくことを勧める意味で使われます。
立退き避難とは。
災害に備えるための言葉、『立退き避難』について説明します。この言葉は、洪水で浸水すると予想される地域を示した地図などに載っています。
立退き避難とは
立退き避難とは、迫りくる災害の危険から身を守るため、自宅や職場といった普段生活する場所から一時的に別の安全な場所へ移動することです。これは、災害が実際に起こってから逃げる緊急避難とは異なり、災害が予測される場合や、災害発生の危険性が高まった場合に、前もって安全な場所へ移動する予防的な措置です。自分の命を守るための大切な行動であり、災害による被害を少しでも少なくするために非常に重要です。
立退き避難は、気象庁や地方自治体から提供される情報に基づいて行います。避難情報は、警戒レベルを用いて段階的に発表され、その時の状況に応じて避難のタイミングや場所が指示されます。特に、警戒レベル4の「避難指示」が発令された場合は、危険な場所にいる全ての人が速やかに避難することが求められます。「避難指示」は、災害発生の危険性が非常に高まっていることを示す重要な情報です。
警戒レベル5の「緊急安全確保」は、すでに災害が発生しているか、まさに発生しようとしている切迫した状況で発令されます。この段階では、自分の命を守るために最善を尽くす必要があります。すでに避難ができなかった場合などは、屋内のより安全な場所に移動するなど、状況に応じた行動が必要となります。
日頃から、ハザードマップなどで自宅周辺の危険な場所を確認し、避難場所やそこへの経路を確認しておくことが大切です。また、家族や地域住民と避難計画について話し合い、緊急時の連絡方法を決めておくことも重要です。日頃からの備えが、いざという時の迅速な避難につながり、命を守ることになります。
警戒レベル | 状況 | 取るべき行動 |
---|---|---|
4: 避難指示 | 災害発生の危険性非常に高まっている | 危険な場所にいる全ての人が速やかに避難 |
5: 緊急安全確保 | 災害が発生しているか、まさに発生しようとしている | 屋内のより安全な場所に移動するなど、状況に応じた行動 |
立退き避難
- 災害が予測される場合や危険性が高まった場合に、前もって安全な場所へ移動する予防的措置。
- 気象庁や自治体からの情報(警戒レベル)に基づいて行動。
- 日頃からハザードマップで危険な場所や避難場所・経路を確認、家族や地域と避難計画を話し合い、緊急連絡方法を決めておく。
浸水想定区域の確認
洪水は私たちの暮らしに大きな被害をもたらす自然災害の一つです。洪水が発生した場合、どの地域がどれくらいの深さまで浸水するのかをあらかじめ知っておくことは、被害を減らす上で非常に重要です。それを知るための手がかりとなるのが「浸水想定区域」です。浸水想定区域とは、洪水が発生した場合に浸水する可能性のある範囲を予測したものです。この情報は、ハザードマップに分かりやすく示されています。
ハザードマップは、過去の洪水被害の記録や地形、河川の状況などを基に作成されています。洪水の規模は様々なので、浸水想定区域も規模に応じていくつかの段階に分けられています。例えば、数十年に一度発生するような規模の大きな洪水では、広範囲にわたって浸水する可能性があり、その深さも大きくなります。一方、毎年発生するような比較的小規模な洪水では、浸水する範囲は限定的で、浸水の深さも浅くなる傾向があります。ハザードマップでは、これらの浸水想定区域が色分けで表示されており、一目で浸水の深さと範囲を把握することができます。
浸水想定区域を確認することで、自分の住んでいる地域、あるいは職場や学校、よく行く場所などが、洪水による被害を受ける可能性があるかどうかを事前に知ることができます。もし、自分の生活圏が浸水想定区域内にある場合は、早急に避難場所や避難経路を確認し、家族と共有しておく必要があります。また、非常持ち出し袋の準備や、自宅周辺の側溝や排水口の清掃など、日頃からできる限りの備えをしておくことも大切です。ハザードマップは、お住まいの市町村の役場やホームページで入手することができます。国土交通省の「重ねるハザードマップ」というウェブサイトでは、全国の浸水想定区域を確認することもできます。ぜひこれらの情報を活用し、洪水から身を守るための準備を万全にしておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
洪水 | 暮らしに大きな被害をもたらす自然災害 |
浸水想定区域 | 洪水時に浸水する可能性のある範囲の予測 |
ハザードマップ | 浸水想定区域を分かりやすく示したもの |
ハザードマップ作成根拠 | 過去の洪水被害記録、地形、河川の状況 |
浸水想定区域の表示 | 洪水規模に応じて段階分け、色分け |
大規模洪水 | 広範囲、深さ大 |
小規模洪水 | 範囲限定的、深さ小 |
ハザードマップの活用 | 自宅、職場、学校などの浸水可能性確認 |
浸水想定区域内の場合の対策 | 避難場所・経路の確認、家族との共有、非常持ち出し袋の準備、側溝・排水口清掃 |
ハザードマップ入手方法 | 市町村役場、ホームページ、国土交通省「重ねるハザードマップ」 |
早めの避難の重要性
災害はいつ起こるか予測できません。だからこそ、いざという時のための備えが大切です。なかでも「早めの避難」は、生死を分ける重要な行動です。特に、洪水のように状況が急速に悪化する災害においては、一刻も早い避難が命を守る鍵となります。
水かさは、あっという間に上がります。避難の指示を待つことなく、少しでも危険を感じたら、自ら避難を始めることが重要です。早めの避難には、多くの利点があります。
まず、安全な場所に移動する時間を確保できます。避難の指示が出てからでは、すでに道路が水に浸かったり、避難所がいっぱいになっているかもしれません。早めに行動すれば、こうした危険を避け、落ち着いて安全な場所に移動できます。
次に、パニック状態を避けることができます。大勢の人が同時に避難を始めると、混乱が生じ、パニックになるかもしれません。早めの避難であれば、人混みを避け、冷静に行動できます。
さらに、体力の消耗を抑えることもできます。避難には、多くの体力が必要です。特に、お年寄りや小さな子供は、長時間の移動や待ち時間で体力を消耗しやすいので、早めの避難が大切です。
早めの避難は、自分の命を守るだけでなく、周りの人の安全にもつながります。普段から避難場所や避難経路を確認しておき、少しでも危険を感じたら、ためらわずに避難を始めてください。家族や近所の人と、日頃から防災について話し合っておくことも大切です。いざという時に、助け合える関係を築いておきましょう。また、持ち出し袋の準備も忘れずに行いましょう。必要な物資を準備しておくことで、スムーズに避難できます。
避難情報の入手方法
災害時には、確かな情報を得ることが身の安全を守る上で何よりも大切です。いざという時に慌てないために、日頃から様々な情報経路を確認し、自分に合った方法を見つけておきましょう。情報を得る方法はいくつかあります。まず、昔からあるものとして、テレビやラジオの放送があります。災害が起きた時は、これらの放送で最新の情報を伝えますので、刻々と変わる状況を把握するのに役立ちます。また、市町村の防災無線も大切な情報源です。屋外のスピーカーから直接住民に情報を伝えるため、すぐに情報を得ることができます。
近年は、携帯電話を使った情報伝達も広く使われるようになりました。緊急速報メールは、どこにいても携帯電話に直接情報が届くため、大変便利です。また、防災アプリを携帯電話に入れておけば、プッシュ通知で必要な情報を受け取ることができます。さらに、市町村のホームページや、SNSの公式アカウントでも、避難情報や災害の状況を公開しています。これらの情報源は、より詳しい情報を知るのに役立ちます。
災害時は、様々な情報が飛び交い混乱することもあります。確かな情報だけを信じるように心がけ、公式な情報源からの情報だけを参考にすることが大切です。根拠のないうわさや、はっきりしない情報に惑わされないように注意しましょう。普段からこれらの情報源にどんなものがあるかを確認し、いざという時に備えておくことが大切です。複数の情報源をうまく使い分け、確かな情報を素早く手に入れることで、適切な避難行動を取ることができます。
情報源 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|
テレビ・ラジオ | 刻々と変わる状況を把握できる | 古くからある情報源 |
市町村の防災無線 | 屋外スピーカーから直接住民に情報を伝える | 迅速な情報伝達 |
緊急速報メール | 携帯電話に直接情報が届く | 近年広く利用されている |
防災アプリ | プッシュ通知で情報を受け取れる | 携帯電話にインストールが必要 |
市町村のホームページ・SNS公式アカウント | 詳しい情報を入手できる | インターネット環境が必要 |
日頃の備え
災害はいつ起こるか予測できません。だからこそ、日頃からきちんと備えておくことが大切です。まず、自分の住んでいる地域の危険性を把握するために、ハザードマップを確認しましょう。自分の家が洪水や土砂災害の危険がある地域にあるか、確認することが重要です。危険性が高い地域に住んでいる方は、避難場所への行き方や避難する時の道順を前もって確認しておきましょう。いざという時に、落ち着いて行動できるよう、家族で避難訓練をしておくことも良いでしょう。
次に、非常持ち出し袋を準備しましょう。非常持ち出し袋には、避難生活で必要なものを詰めておきます。例えば、数日分の食料や水、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品などです。これらの物は、定期的に中身をチェックし、古いものや使えなくなったものは新しいものと交換することが大切です。また、家族や近所の人と連絡を取る方法を決めておくことも重要です。災害が起こると、電話が繋がりにくくなることがあります。ですから、携帯電話の充電を満タンにしておくだけでなく、災害用伝言ダイヤルやSNSなど、他の連絡手段も考えておきましょう。普段から、家族や親戚、親しい友人など、緊急時に連絡を取りたい人の連絡先をまとめておくことも大切です。
さらに、家の中の安全対策も重要です。家具が倒れないように固定したり、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ることで、地震や台風などの災害で家屋が壊れる危険性を減らすことができます。これらの対策は、自分や家族の命を守るだけでなく、被害を少なくすることにも繋がります。日頃の備えは、決して無駄にはなりません。防災訓練に参加して、災害についての知識や対処方法を学ぶことも大切です。今日からできることから、少しずつ始めてみましょう。
災害への備え | 具体的な行動 |
---|---|
地域の危険性を把握 | ハザードマップの確認(洪水、土砂災害)、避難場所・経路の確認 |
避難訓練 | 家族で避難訓練の実施 |
非常持ち出し袋の準備 | 食料、水、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品など。定期的な点検と交換 |
連絡手段の確保 | 携帯電話の充電、災害用伝言ダイヤル、SNSの活用、緊急連絡先のリスト化 |
家の中の安全対策 | 家具の固定、飛散防止フィルムの貼付 |
防災知識の習得 | 防災訓練への参加 |