しけへの備え:海の安全を守るために
しけとは、海上で風が強まり、波が高くなる現象のことです。波の高い状態が続くことで、船の航行や漁業に大きな影響を与えるだけでなく、海岸の浸食や高潮などの被害をもたらすことがあります。
しけの程度は、波の高さを基準に分類されます。気象庁では、波の高さによって「静穏」「波少々」「波やや高し」「波高し」「しけ」「大しけ」「猛烈なしけ」「暴風しけ」の8段階の予報用語を用いて、しけの状況を伝えています。波の高さが4メートルを超え6メートルまでの場合は「しけ」、6メートルを超え9メートルまでの場合は「大しけ」と呼ばれます。さらに、9メートルを超える場合は「猛烈なしけ」と呼ばれ、非常に危険な状態となります。また、「暴風しけ」は、風速が極端に強い場合に発表され、波の高さは定義されていません。
しけが発生する主な原因は、低気圧や台風などの発達に伴う強い風です。風が海面を強く吹き付けることで、波が成長し、しけの状態となるのです。特に、風が長時間一定方向に吹き続ける場合や、風が急に強まる場合は、波が高くなりやすく、しけの危険性が高まります。
しけの発生を予測するために、気象庁は様々な観測データや数値予報モデルを用いて、波の高さを予測しています。これらの情報は、テレビやラジオ、インターネットなどの様々な媒体を通じて提供されています。海で活動する人々は、これらの情報に注意し、しけの危険性がある場合は、海に出ることを控えるなど、安全を確保するための適切な行動をとる必要があります。また、海岸地域に住む人々も、高潮や波浪による浸水などの危険に備えて、日頃から防災意識を高め、必要な対策を講じておくことが重要です。