
てんかん重積状態への迅速な対応
てんかん重積状態とは、てんかん発作が長く続く危険な状態のことを指します。具体的には、発作が30分以上続く場合、あるいは発作が断続的に繰り返されて、発作と発作の間でも意識が戻らない状態です。このような状態は、命に関わることもあり、迅速な対応が必要です。
てんかん発作は、脳の神経細胞の過剰な興奮により引き起こされます。発作が長く続く重積状態では、この興奮状態が持続するため、脳に大きな負担がかかります。ちょうど、エンジンを回し続けると機械が overheat するように、脳もダメージを受けてしまいます。発作の時間と脳へのダメージは比例するため、発作が長引けば長引くほど、後遺症が残る可能性が高くなります。後遺症としては、運動障害や言語障害、記憶障害などが挙げられます。
そのため、周囲の人の迅速な対応が非常に重要です。もし、目の前で人がてんかん発作を起こしたら、まずは落ち着いて状況を把握しましょう。発作が初めての場合や、いつもより長く続く場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。救急車が到着するまでの間は、患者さんの安全を確保することが大切です。周囲に危険な物がないか確認し、必要に応じて移動させましょう。体を締め付けるような服は緩め、楽な姿勢を保てるようにしましょう。また、吐瀉物による窒息を防ぐため、顔を横向きにして様子を見守りましょう。
患者さんが普段からてんかんの治療を受けている場合は、主治医に連絡し、指示を仰ぎましょう。てんかん重積状態は、適切な治療によって発作を止めることができます。早期の対応が、その後の経過に大きく影響します。決して軽視せず、迅速な行動を心がけてください。