カテーテル

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救命治療

肺動脈カテーテル:重症管理の要

心臓カテーテル検査の中でも、肺動脈カテーテルは重症の患者さんの体の状態、特に血液の流れの様子を詳しく知るための大切な道具です。この検査は、スワンさんとガンツさんという二人のお医者さんによって考え出されました。このカテーテルを使うことで、心臓や肺がちゃんと働いているかを調べ、患者さんに一番合った治療方法を決めるために必要な情報を得ることができます。 このカテーテルには小さな風船が付いていて、血管の中をなめらかに進んでいきます。そして、心臓のそれぞれの部屋の圧力や血液の温度、心臓から送り出される血液の量などを正確に測ることができます。これにより、患者さんの状態を細かく把握し、より効果的な治療につなげることが可能になります。例えば、心臓のポンプ機能がどれくらい働いているか、肺に血液がどのように流れているか、体の中の水分量が適切かなどを知ることができます。これらの情報は、患者さんの容態を把握し、適切な治療を行う上で非常に重要です。 近年では、肺動脈カテーテルの機能も様々になってきています。心臓の拍動を助けるペースメーカーの機能がついたものや、血液中の酸素の量をずっと測り続けられるものなど、色々な種類があります。例えば、持続的に心臓の働きを監視することで、異変を早期に発見し、迅速な対応が可能になります。また、酸素飽和度のモニタリングは、呼吸状態の悪化を早期に捉え、適切な呼吸管理を行う上で不可欠です。 このように、肺動脈カテーテルは常に進化を続けており、重症の患者さんを助ける上で大きな役割を果たしています。技術の進歩により、より安全で正確な診断と治療が可能になり、患者さんの命を守ることに繋がっています。そして、これからも医療現場で重要な役割を担っていくと考えられます。
救命治療

冠インターベンション:心臓を守る治療法

私たちの体は、心臓が血液を送り出すことで活動しています。心臓自身も血液を必要としており、心臓の筋肉に栄養や酸素を届けるための専用の血管があります。これが冠動脈です。冠動脈は、ちょうど心臓を冠のように取り囲んでいることからその名前が付けられています。 この大切な冠動脈に問題が生じると、心臓の働きに支障をきたします。血管が硬くなって弾力を失ったり、コレステロールなどの脂肪が血管の内側に溜まって血管が狭くなる状態を動脈硬化と言います。冠動脈で動脈硬化が進むと、心臓の筋肉に十分な血液が供給されなくなり、酸素不足に陥ります。これが狭心症や心筋梗塞といった、まとめて虚血性心疾患と呼ばれる病気の原因です。狭心症は、運動時などに胸の痛みや圧迫感を感じることが特徴です。心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の一部が壊死してしまう危険な病気です。 こうした虚血性心疾患の治療法として、冠インターベンションは広く行われています。冠インターベンションは、足の付け根や腕の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓まで送り届ける治療法です。カテーテルの先端には風船やステントと呼ばれる金属製の網が付いており、これを用いて狭くなった冠動脈を広げます。風船を膨らませて血管を広げた後、ステントを留置することで血管が再び狭くなるのを防ぎます。冠インターベンションは、開胸手術を必要としないため、体に負担の少ない低侵襲な治療法として注目されています。患者さんは入院期間も短く、日常生活に早く戻ることができます。近年では、カテーテルやステントの技術も進歩し、より安全で効果的な治療が可能になっています。これにより、多くの心臓病の患者さんの生活の質の向上に大きく貢献しています。