ストロンチウム

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測定

ストロンチウム89: 知っておくべき情報

ストロンチウム89は、ストロンチウムという物質の種類の一つです。ストロンチウムにはいくつか種類がありますが、ストロンチウム89は放射線を出す性質を持つ種類で、放射性同位体と呼ばれています。この放射線は、目には見えない小さな粒が飛び出す現象で、ベータ線と呼ばれる種類の放射線です。ストロンチウム89は、このベータ線を出すことで、別の物質に変化していきます。まず、イットリウム89という物質に変化し、その後も変化を続け、最終的にはジルコニウム89という安定した物質になります。安定した物質とは、もうそれ以上変化しない物質のことです。まるで、チョウが卵から幼虫、さなぎを経て成虫になるように、ストロンチウム89も変化を遂げるのです。この変化の過程で放射線が出ている期間は限られています。放射線の強さが半分になるまでの時間を半減期といいますが、ストロンチウム89の半減期は約50日です。つまり、50日経つごとに放射線の強さは半分になり、徐々に弱くなっていきます。ストロンチウムは自然界にも存在し、私たちの骨にもごく少量含まれています。ストロンチウム89は、放射線を出す性質を利用して、がんの治療などにも使われています。特に、骨に転移したがんの痛みを和らげる効果が期待されています。これは、ストロンチウム89が骨に集まりやすい性質を持っているためです。まるで、狙った場所に薬を届けるミサイルのように、がん細胞に集中的に作用することで、痛みを和らげる効果を発揮します。さらに、ストロンチウム89は、工場などで材料の厚さを測る測定器などにも利用されています。材料にストロンチウム89から出る放射線を当て、その通り抜けた量を測ることで、材料の厚さを正確に知ることができるのです。また、ストロンチウム89は、土壌の水分量を調べるのにも役立っています。土壌にストロンチウム89を混ぜ、その動きを追跡することで、水分がどのように土壌に浸透していくかを調べることが可能になります。このように、ストロンチウム89は医療分野だけでなく、様々な分野で私たちの生活に役立っているのです。
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放射性ストロンチウムと防災

放射性ストロンチウムとは、ストロンチウムという物質の中で、放射線を出す性質を持つ種類のことをまとめて呼ぶ言葉です。ストロンチウム自体は、私たちの身の回りの自然界にも存在する、原子番号38番の元素です。しかし、放射性ストロンチウムは不安定な性質を持っており、放射線を出しながら別の物質に変化していきます。代表的な放射性ストロンチウムには、ストロンチウム90とストロンチウム89があります。この二つの違いは、放射線を出し続ける期間の長さです。放射性物質の量が半分になるまでの期間を半減期といいますが、ストロンチウム90の半減期は約29年と長く、ストロンチウム89は約50日と短い期間です。つまり、ストロンチウム90は長い期間にわたって放射線を出し続けるため、環境や人体への影響が心配されます。これらの放射性ストロンチウムは、原子力発電所の事故などによって環境中に放出されることがあります。体内に入った場合、カルシウムと似た性質を持つため、骨に蓄積しやすく、骨のガンや白血病などを引き起こす可能性があります。また、成長期の子どもの骨に蓄積しやすい性質も持っています。原子力発電所の事故は、いつ起こるか分かりません。事故が起きた際に、落ち着いて行動するためにも、放射性ストロンチウムの性質や人体への影響について知っておくことは、防災の視点からとても大切です。正しい知識を身につけることで、風評被害などによる不必要な行動を防ぐことにも繋がります。