個人情報漏洩とその対策
個人情報漏洩とは、私たち一人ひとりにまつわる大切な情報が、許可なく外部に流出してしまうことです。具体的には、氏名、生年月日、住所、電話番号といった、その人を特定できる情報はもちろん、家族構成や趣味、嗜好、病歴、収入といった、より私的な情報も含まれます。これらの情報は、企業や団体が顧客管理やサービス提供のために保有している場合が多く、本来は厳重に守られるべきものです。
近年、私たちの生活はますます便利になり、あらゆる場面でコンピューターが活用されています。買い物をしたり、役所の届け出をしたり、病院の診察を受けたりと、様々な手続きがインターネット上でできるようになりました。それに伴い、個人情報の電子化も急速に進み、膨大な量のデータが企業のサーバーなどに保管されるようになっています。しかし、デジタル化は便利さの一方で、情報漏洩の危険性を高めるという側面も持っています。ひとたび情報漏洩が発生すると、数万、数十万という規模で個人情報が流出するケースも珍しくありません。かつてのように紙の書類が盗まれるといったケースだけでなく、コンピューターウイルスによる不正アクセスや、担当者の不注意による誤送信など、様々な経路で情報が流出する可能性があります。
情報漏洩の被害は、決して軽くはありません。流出した情報が悪用されれば、金銭的な損害を被るおそれがあります。例えば、クレジットカード情報が流出すれば、不正利用によって身に覚えのない高額請求が届くかもしれません。また、個人情報が悪意ある第三者の手に渡れば、なりすましや詐欺といった犯罪に巻き込まれる危険性も高まります。さらに、金銭的な被害だけでなく、精神的な苦痛も大きな問題です。私生活に関する情報が流出すれば、プライバシーが侵害され、不安や恐怖を感じることでしょう。日常生活に支障をきたし、社会生活を送ることが困難になる場合もあります。情報漏洩は、被害者の人生に深刻な影響を与える可能性がある重大な問題なのです。