火災に強い家を作る:不燃木材のススメ
家を守る上で、火災への備えは欠かせません。火災が発生すると、あっという間に家全体に火が燃え広がり、大切な財産や思い出の品々が灰燼に帰してしまうこともあります。火災の恐ろしさを考えると、家づくりにおいて建材選びは非常に重要です。
近年注目を集めているのが「不燃木材」です。これは、名前の通り「燃えない木材」です。木材というと、燃えやすいというイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、不燃木材は、木材に特殊な薬剤を高圧で注入することで、燃えにくい性質を持たせています。この薬剤は、木材の内部までしっかりと浸透するため、表面だけでなく、木材全体が燃えにくくなります。
不燃木材は、ただ燃えにくいだけでなく、国土交通大臣が定めた厳しい基準をクリアしています。この基準は、火災が発生した際に、木材がどれだけ燃えにくく、煙や有害なガスを発生しにくいかを評価するものです。この厳しい試験に合格した木材だけが、「不燃木材」として認められます。つまり、不燃木材は、国のお墨付きを得た、安全性の高い建材なのです。
火災時に発生する煙や有害なガスは、視界を悪くし、呼吸を困難にするため、避難の妨げとなります。不燃木材は、これらの煙や有害なガスをほとんど発生させないため、安全に避難するための時間を稼ぐことができます。また、燃え広がりにくい性質を持つため、初期消火もしやすく、被害を最小限に抑えることが期待できます。
このように、不燃木材は、火災から家や家族の命を守る上で、大きな役割を果たしてくれます。家づくりを検討している方は、ぜひ不燃木材の採用を考えてみてはいかがでしょうか。