光化学スモッグから身を守る
光化学スモッグは、太陽の光と大気中の汚れが結びついて起きる大気汚染です。工場や自動車から出る窒素酸化物や炭化水素といった物が、太陽の紫外線を受けると、化学変化を起こし、オゾンやパーオキシアセチルナイトレート(パン)といった酸化しやすい物質を作り出します。これらの酸化しやすい物質はまとめて光化学オキシダントと呼ばれ、濃度が高くなると、目や喉の痛み、息苦しさといった健康への悪い影響が現れることがあります。
光化学スモッグは、日差しが強く、風が弱い日に発生しやすいため、都市部や工場が集まる地域で特に問題となっています。大気が白っぽく霞んで見え、視界が悪くなることもあります。発生しやすい時期は春から夏にかけてで、特に5月から7月にかけてです。風の弱いよく晴れた日の昼過ぎによく発生します。
光化学スモッグが発生しやすい気象条件としては、日差しが強く気温が高いこと、風が弱いこと、前日から晴天が続いていることなどが挙げられます。また、上空に逆転層があると、光化学スモッグが発生しやすい状態となります。逆転層とは、普通とは違い、上空に行くほど気温が高くなっている状態のことです。地表付近の空気が上空へ移動しにくくなるため、大気汚染物質がその場に留まりやすくなります。このような状態では、地表付近に排出された窒素酸化物や炭化水素が上空へ拡散されずに滞留し、太陽光線を受けて光化学反応を起こしやすくなるため、光化学スモッグが発生しやすくなります。さらに、風が弱いと大気汚染物質が拡散されにくいため、濃度が高くなりやすく、光化学スモッグの発生につながるのです。