内視鏡

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救命治療

デュラフォイ潰瘍:知られざる消化管出血

デュラフォイ潰瘍は、消化管から出血する稀な病気です。1898年にフランスの医師、デュラフォイによって初めて報告されました。この病気は、全体の消化管出血のうち、わずか1~2%程度しか占めていません。 この病気は、胃や腸などの消化管の壁にある血管が破れて出血することで起こります。出血は突然起こることが多く、大量の血を吐いたり、便に血が混じったりします。酷い場合には、貧血やショック状態に陥ることもあり、迅速な診断と治療が必要です。特に、高齢者や持病のある人は注意が必要です。 デュラフォイ潰瘍の原因は、まだはっきりと解明されていません。血管の異常や炎症などが関係していると考えられていますが、ストレスや薬の服用なども影響する可能性があります。 デュラフォイ潰瘍の症状は様々です。腹痛、吐き気、下痢などを伴うこともありますが、自覚症状がない場合もあるため、注意が必要です。症状が現れないまま病気が進行し、ある日突然、大量出血を起こす危険性もあります。そのため、定期的な健康診断を受けて、早期発見に努めることが重要です。また、健康診断などで貧血を指摘された場合は、その原因を探る必要があります。 デュラフォイ潰瘍は命に関わる可能性のある病気です。少しでも気になる症状がある場合は、ためらわずに医師に相談しましょう。早期発見と適切な治療によって、重症化を防ぐことができます。
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硬化療法:静脈瘤出血への対応

硬化療法とは、静脈瘤の出血を止める、あるいは防ぐための治療法です。静脈瘤とは、血管の一部がこぶのように膨らんだ状態のことを指します。この治療は、主に食道や胃、腸、痔核などにできる静脈瘤を対象に行われます。 硬化療法は、緊急時の出血に対する処置として、また出血を未然に防ぐための計画的な処置としても行われます。緊急時、つまり静脈瘤からの出血がすでに起きている場合は、一刻も早く出血を止めるために硬化療法が用いられます。一方、静脈瘤ができていてもまだ出血していない場合でも、将来的に出血する危険性を減らすために、あらかじめ硬化療法を行うことがあります。これを待機的硬化療法と呼びます。 硬化療法は、比較的簡単な手順で行われます。まず、医師は内視鏡などの機器を用いて、治療を行うべき静脈瘤の位置を確認します。次に、細い針を静脈瘤またはその周辺に刺し、特殊な薬液である硬化剤を注入します。この硬化剤は、静脈瘤の内壁を刺激し、炎症を起こさせ、最終的に血管を固めて閉塞させます。これにより、静脈瘤からの出血が止まり、再出血のリスクも低減されます。 硬化療法は古くから行われている治療法で、特殊な装置を必要とせず、比較的簡便に行えるという利点があります。そのため、多くの医療機関で実施可能です。しかし、他の治療法と同様に、硬化療法にも合併症のリスクはあります。例えば、注入部位の痛み、発熱、血栓症などが挙げられます。医師はこれらのリスクを考慮し、患者さんの状態に合わせて最適な治療法を選択します。そのため、治療を受ける前には、医師によく相談し、治療内容やリスクについて十分に理解することが大切です。