出血抑制

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救命治療

肝切除におけるプリングル法:肝血流遮断の重要性

肝臓は、人体の中で大変重要な役割を担う臓器ですが、同時に非常に多くの血管が集中しているため、手術を行う際には出血のコントロールが極めて重要となります。そこで登場するのが「プリングル法」です。これは、肝臓の手術、特に肝臓を切除する手術や、肝臓の外傷を修復する手術において、出血量を少なくするための大切な技術です。 肝臓は、体の中を流れる血液のおよそ4分の1が流れ込む、血液が豊富な臓器です。そのため、手術中に大量の出血が起こる危険性が高い臓器でもあります。プリングル法は、肝臓に流れ込む主要な血管の流れを一時的に止めることで、この出血の危険性を抑えます。具体的には、肝臓につながる血管や組織の束である「肝十二指腸靭帯」を、特別な鉗子で挟み込みます。肝十二指腸靭帯の中には、肝臓への血液供給の大部分を担う肝動脈と門脈が含まれています。この部分を鉗子で挟むことで、肝動脈と門脈からの血液の流れを遮断することができるのです。 肝臓への血液の流れが遮断されると、手術中の視野が大きく改善されます。まるで水の中ではなく空気中で作業をするかのように、肝臓の状態をはっきりと見ながら、より正確で繊細な手術操作が可能となります。また、出血量が減ることで、手術全体の時間を短縮することにもつながります。 しかし、肝臓への血液の流れを遮断する時間が長すぎると、肝臓の機能に悪い影響を与える可能性があります。肝臓は再生能力が高い臓器として知られていますが、血流が遮断される時間が長引けば長引くほど、肝臓への負担は大きくなります。そのため、プリングル法を行う時間は、通常、体温と同じくらいの温度の環境では10分から15分程度に制限されています。経験豊富な外科医は、この時間制限を厳守しながら、安全かつ効果的にプリングル法を用いて、手術を進めていきます。