出血

記事数:(2)

救命治療

FAST:外傷初期診療における迅速超音波検査

FAST(集中的外傷超音波検査)は、事故などで怪我をした方を診察する初期段階で、手軽かつ素早く行う超音波検査のことです。日本語では「外傷のための超音波による集中的評価法」と言います。大きな怪我を負った場合、出血によって心臓やお腹、肺の周囲に血液が溜まることがあります。FASTは、そうした体内の出血を迅速に確認するために用いられます。この検査では、主に心臓を包む膜の袋(心嚢腔)、お腹の中(腹腔)、肺の周りの空間(胸腔)の3つの場所に液体が溜まっているかどうかを調べます。検査時間は数分程度と短く、患者さんの体への負担も少ないため、救急現場など刻一刻を争う状況でも実施可能です。FASTで血液の貯留が確認された場合は、緊急手術が必要となることもあります。逆に、血液の貯留が認められない場合は、重篤な出血の可能性は低いため、他の検査に進むことができます。FASTは、携帯型の超音波装置を用いて行います。装置は比較的小型で持ち運びやすく、電源さえあればどこでも使用できます。そのため、事故現場や救急車内など、病院以外の場所でも検査を行うことが可能です。この迅速な検査の実施は、救命率の向上に大きく貢献します。FASTは、医療現場で広く活用されている重要な検査法と言えるでしょう。ただし、FAST単独で全ての出血を診断できるわけではありません。他の検査と組み合わせて、総合的に判断することが大切です。
救命治療

播種性血管内凝固症候群:DIC

播種性血管内凝固症候群(播種性血管内凝固症候群)、略してDICは、血液が固まり過ぎる病気です。通常、怪我をして出血した時、血液は凝固して出血を止めますが、DICでは、体の中の小さな血管の中で、必要以上に血液が固まってしまいます。この小さな血の塊が無数に出来ると、血液の流れを邪魔するため、体に必要な場所に血液が行き渡らなくなります。栄養や酸素を運ぶ血液が臓器に届かないと、臓器の働きが悪くなり、様々な障害を引き起こします。さらに、血液を固めるためには、色々な材料が必要ですが、DICでは、血管の中で小さな血の塊を作るために、これらの材料が大量に使われてしまいます。ですから、いざ出血した時には、血液を固める材料が足りなくなり、出血が止まりにくくなるという、一見矛盾した状態になります。DICは、それ自体が独立した病気ではなく、他の病気が原因で起こる重篤な合併症です。原因となる病気は様々で、重い感染症やがん、大きな怪我、やけど、手術などが挙げられます。DICの症状は、原因となる病気やDICの進行具合によって大きく異なります。主な症状としては、皮膚に出る紫色の斑点や血尿、血が混じった便などが見られます。また、息苦しさや意識がぼんやりするといった症状が現れることもあります。DICは命に関わることもあるため、早期の診断と適切な治療が何よりも重要になります。迅速な治療のためには、早期発見が鍵となりますので、少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関に相談することが大切です。