喘ぎ呼吸

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救命治療

喘ぎ呼吸:命の危機!

喘ぎ呼吸とは、人がいよいよ終わりを迎えるときに示す、普段とは異なる呼吸のありさまです。命の灯火が消え入りそうな状態を示す大切な兆候であり、その様子は独特です。まるで息をしようと懸命に頑張っているかのように、大きく口を開けて深く呼吸をするように見えます。しかし、実際には体の中に十分な酸素を取り込めていません。呼吸の回数は一分間に数回程度と少なく、呼吸と呼吸の間には長い静止期間があります。まるで大きく波打つように、呼吸と静止を繰り返すのです。この静止期間は次第に長くなり、やがて呼吸が全くなくなることで、その人の命は尽きます。この喘ぎ呼吸は、脳の呼吸をつかさどる中枢の働きが、ほとんど失われたことで起こります。脳の中でも特に延髄と呼ばれる部分が、呼吸のリズムを調節する大切な役割を担っています。さまざまな要因で延髄への血流が不足したり、酸素が行き渡らなくなったりすると、この呼吸中枢が正常に機能しなくなります。その結果、呼吸の回数や深さをうまく調節できなくなり、喘ぎ呼吸といった異常な呼吸パターンが現れるのです。そのため、もしも誰かが喘ぎ呼吸をしていることに気づいたら、それは一刻を争う事態です。ためらわずに、すぐに救急車を呼び、心臓マッサージなどの救命処置を始めなければなりません。決して見過ごしてはいけない、命の危機を知らせる大切なサインなのです。周囲の人が落ち着いて適切な対応をすることが、その人の命を救う重要な鍵となります。