繰り返す嘔吐に潜む危険:マロリーワイス症候群
吐くという行為は、私たちの体が有害な物や毒を体外に出すための、大切な防御機能です。食べ物が腐っていたり、体に合わない物を口にした時など、吐くことで深刻な事態を防いでくれます。しかし、吐くことを繰り返すと、体に大きな負担がかかり、様々な病気を引き起こすことがあります。
度々吐くことで起こる病気の一つに、マロリーワイス症候群というものがあります。この病気は、繰り返し吐くことで、食道と胃の境目にある粘膜が裂けてしまう病気です。この裂傷は、激しい咳やしゃっくり、重い物を持ち上げた時など、急激に腹圧が上がった時にも起こることがあります。
マロリーワイス症候群の主な症状は、吐いた物に血が混じることです。少量の血が混じることもあれば、まるでコーヒーかすのように黒っぽい血が出ることもあります。出血の量が多いと、貧血やショック状態になる危険性もあります。また、裂けた部分に炎症が起こり、胸やけや腹痛を感じることもあります。
嘔吐を繰り返す背景には、様々な原因が考えられます。例えば、食中毒や胃腸炎などの感染症、過度の飲酒、あるいは摂食障害なども嘔吐を繰り返す原因となります。また、妊娠初期のつわりで吐き気を催す人もいます。
もし、吐いた物に血が混じっていたり、嘔吐が止まらなかったりする場合は、すぐに病院を受診することが大切です。適切な検査と治療を受けることで、重症化を防ぐことができます。自己判断で市販薬を服用するのではなく、必ず医師の診察を受けて指示に従いましょう。早期発見、早期治療が、健康を守る上で非常に重要です。