大気光象

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七色の橋:虹の科学

雨上がり、あるいはまだ雨が降っている時に、太陽の反対側の空に美しい七色の橋が架かることがあります。これが虹です。赤から橙、黄、緑、青、藍、そして紫へと、まるで絵の具を並べたように色がグラデーションを作り、幻想的な光景が広がります。昔から虹は、世界各地の神話や物語に登場し、天と地を結ぶ橋や、神様の使いの道など、不思議な力を持つものとして考えられてきました。 この虹は、太陽の光と空気中の水滴、そして見る人の位置関係が揃うことで生まれます。太陽の光が空気中の水滴に当たると、光は屈折と反射を繰り返します。この時、光の色によって屈折する角度が異なるため、プリズムのように光が七色に分解されるのです。私たちはこの分解された光を、色の帯として見ているのです。太陽を背にして、雨上がりの空気中にたくさんの水滴が漂っている方向を見ると、虹を見つけることができるでしょう。特に、夕立の後など、太陽が低い位置にある時は、虹が現れやすい条件が整いやすいため、観察のチャンスです。虹は必ずしも完全な半円形をしているとは限りません。水滴の量や太陽の高さなどによって、見える虹の形や色の濃さは変化します。時には、二重の虹が見えることもあります。これは主虹と呼ばれるはっきりとした虹の外側に、副虹と呼ばれる薄い虹が並んでいる現象で、副虹は色の並び順が主虹と逆になっています。このような虹の様々な姿を探してみるのも、自然観察の楽しみの一つと言えるでしょう。