救命治療 気をつけよう!頸動脈洞症候群
頸動脈洞症候群は、首の付け根あたり、ちょうど頸動脈という太い血管が枝分かれするところに位置する頸動脈洞という小さな器官が、外部からの刺激や圧迫によって過敏に反応してしまうことで発症する病気です。この頸動脈洞は、血圧の調整を行う重要なセンサーとしての役割を担っています。通常、血圧が上昇すると、頸動脈洞にあるセンサーがこの変化を感知し、脳に信号を送ります。脳はこれを受けて心臓の動きを緩やかにし、血管を広げることで血圧を下げ、正常な状態を保とうとします。しかし、頸動脈洞症候群の場合、軽い刺激や圧迫、例えばネクタイやハイネックの服の締め付け、髭剃り、激しい咳やくしゃみ、急な首の動きなどでさえも、頸動脈洞が過剰に反応してしまうのです。すると、迷走神経という、体の様々な機能を調節している重要な神経に過剰な信号が送られます。その結果、心臓の拍動が極端に遅くなったり、血管が過度に拡張してしまい、脳への血流が一時的に不足します。これが、意識消失や失神、めまい、ふらつきといった症状を引き起こす原因となります。 失神する時間は、数秒から長くても数分程度で、多くの場合自然に回復します。高齢者に多く見られるこの症候群は、日常生活の中で突然起こるため、周囲の人を不安にさせることもあります。また、転倒による怪我のリスクも高いため、注意が必要です。頸動脈洞症候群は、誰にでも起こりうる可能性があるため、症状や原因について正しく理解しておくことが大切です。
