スーパーオキサイド:活性酸素と健康
私たちは生きるために息を吸い、酸素を取り込んでいます。この酸素は、体の中でエネルギーを作るために欠かせないものです。しかし、酸素には良い面だけでなく、体に悪い影響を与える面もあることを知っておく必要があります。その悪い影響を与えるものが、活性酸素と呼ばれるものです。
活性酸素とは、普通の酸素よりも反応しやすい、いわば活発な酸素のことです。他の物質とくっつきやすく、色々な反応を起こします。このくっつきやすさが、活性酸素の二面性を生み出しています。体に良い働きをすることもあれば、悪い働きをすることもあるのです。
活性酸素は、適量であれば、体内に侵入してきた細菌やウイルスを退治してくれる、頼もしい存在です。私たちの体を守ってくれる、いわば番人のような役割を果たしています。しかし、活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や組織を傷つけてしまいます。これが、老化や様々な病気につながることが知られています。活性酸素は、まるで両刃の剣のようなものです。
活性酸素の発生には、紫外線や放射線、大気汚染、激しい運動、ストレス、喫煙、食品添加物など、様々な要因が関わっています。これらの要因に気を付けることで、活性酸素の過剰な発生を抑えることができます。また、体の中には、活性酸素の働きを抑える抗酸化酵素と呼ばれるものがあります。ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質を多く含む食品を摂取することで、この抗酸化酵素のはたらきを助けることができます。バランスの良い食事を心がけ、活性酸素の発生と除去のバランスを保つことが、健康を維持するために非常に大切です。