持続動注療法:壊死性膵炎への挑戦
持続動注療法とは、細い管であるカテーテルを血管内に留置し、そこから薬を流し続ける治療法です。留置したカテーテルに持続注入ポンプをつなぎ、目的とする臓器や組織の動脈に直接薬を送り込みます。
この治療法の大きな利点は、薬の効果を高め、かつ副作用を抑えられるところにあります。血液の流れに乗って全身に行き渡る静脈注射とは異なり、患部に直接薬を届けるため、少量の薬でも高い効果が得られます。また、薬が全身に広がらないため、副作用を抑えることも可能です。
持続動注療法は、がん治療をはじめ、様々な病気の治療に用いられています。特に、救急医療においては、重症化しやすい壊死性膵炎の治療法として注目されています。壊死性膵炎は、膵臓が炎症を起こし、組織が壊死してしまう病気です。重症化すると命に関わることもあり、早期の治療が不可欠です。持続動注療法は、炎症を抑える薬を直接膵臓に届けることで、壊死の進行を抑え、症状の改善を期待できます。
カテーテルを挿入する際には局所麻酔を用いるため、痛みはほとんどありません。しかし、まれに出血や感染症などの合併症が起こる可能性があります。治療を受ける際には、医師から治療内容や合併症などのリスクについて十分な説明を受け、納得した上で治療を受けることが大切です。