緊急対応 放射性ストロンチウムと防災
放射性ストロンチウムとは、ストロンチウムという物質の中で、放射線を出す性質を持つ種類のことをまとめて呼ぶ言葉です。ストロンチウム自体は、私たちの身の回りの自然界にも存在する、原子番号38番の元素です。しかし、放射性ストロンチウムは不安定な性質を持っており、放射線を出しながら別の物質に変化していきます。代表的な放射性ストロンチウムには、ストロンチウム90とストロンチウム89があります。この二つの違いは、放射線を出し続ける期間の長さです。放射性物質の量が半分になるまでの期間を半減期といいますが、ストロンチウム90の半減期は約29年と長く、ストロンチウム89は約50日と短い期間です。つまり、ストロンチウム90は長い期間にわたって放射線を出し続けるため、環境や人体への影響が心配されます。これらの放射性ストロンチウムは、原子力発電所の事故などによって環境中に放出されることがあります。体内に入った場合、カルシウムと似た性質を持つため、骨に蓄積しやすく、骨のガンや白血病などを引き起こす可能性があります。また、成長期の子どもの骨に蓄積しやすい性質も持っています。原子力発電所の事故は、いつ起こるか分かりません。事故が起きた際に、落ち着いて行動するためにも、放射性ストロンチウムの性質や人体への影響について知っておくことは、防災の視点からとても大切です。正しい知識を身につけることで、風評被害などによる不必要な行動を防ぐことにも繋がります。
