水害対策

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組織

水防団:地域を守る水害対策の要

水防団とは、洪水、高潮、津波といった水害から地域を守るため、地域住民が自主的に組織する団体です。水防団は、自分たちの住む地域は自分たちで守る、という自助の精神に基づいて活動しています。この地域を守るという強い思いと、日頃の訓練で培った技術が、地域防災にとって非常に重要となっています。 水防団の設置は、水防法という法律に基づいています。市町村や水防事務組合といった、水防の責任を負う団体、つまり水防管理団体が、水防団を組織します。構成員は、普段はそれぞれの仕事や生活を送る地域住民です。消防団員のように常に活動しているわけではなく、普段は会社員や農業、自営業など、様々な職業に従事しています。しかし、大雨や台風などにより水害の危険が高まると、水防団員として招集され、地域を守るために活動します。 水防団の活動は多岐に渡ります。例えば、河川や水路の巡視を行い、危険な場所がないかを確認します。また、土のうを積み重ねて、堤防が決壊しないように補強します。他にも、排水ポンプを使って、道路や住宅地に溜まった水を排出する作業なども行います。近年は、地球温暖化の影響で、集中豪雨の発生頻度が増加しています。そのため、水防団の役割はますます重要になっています。 水防団への参加は、地域防災に貢献する絶好の機会です。地域のことをよく知る住民だからこそできる活動があり、その活動が地域を守り、住民の安心安全な暮らしに繋がります。水防団は、地域住民の力によって支えられています。一人ひとりの力は小さくても、皆で力を合わせれば大きな力となります。地域を守るという共通の目的のために、共に活動することで、地域社会の繋がりも強くなります。また、水防活動を通して、防災に関する知識や技術を習得することもできます。これは、自分自身や家族を守る上でも大変役立ちます。
災害に備える

雨水を大地へ:浸透施設の役割

浸透施設とは、屋根や駐車場などに降った雨水を速やかに地面に浸み込ませるための施設です。近年、都市化が進むにつれて、地面はアスファルトやコンクリートで覆われるようになり、雨水が地面にしみ込みにくくなっています。そのため、雨が降ると排水路に雨水が集中し、川の水位が急激に上がったり、下水道に大きな負担がかかったりします。このような状況は、洪水などの水害の危険性を高めます。浸透施設は、このような問題を解決するために、雨水を再び地面に戻す重要な役割を担っています。 浸透施設には、様々な種類があります。例えば、雨水浸透ますは、地面に埋設された箱状の施設で、雨水を集めて地面に浸透させます。浸透トレンチは、溝状に掘削した場所に砕石などを詰めた施設で、比較的広い面積で雨水を浸透させることができます。浸透管は、穴の開いたパイプを地中に埋設した施設で、地下に浸透させやすくします。透水性舗装は、水を通す素材を使った舗装で、駐車場などに利用されることで、地面を覆いながらも雨水を浸透させることができます。これらの施設は、設置場所や目的に合わせて適切な種類が選ばれます。 浸透施設によって雨水が地面に浸透すると、水害の軽減につながるだけでなく、地下水が豊かになり、地盤沈下を防ぐ効果も期待できます。また、地面の温度上昇を抑え、ヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。近年、ゲリラ豪雨の増加や都市化の進展に伴い、浸透施設の重要性はますます高まっています。私たちの暮らしを守るためにも、浸透施設の普及が不可欠と言えるでしょう。