
遠地津波とその脅威
遠地津波とは、遠く離れた海域で発生した地震によって引き起こされる津波のことです。具体的には、日本の海岸線からおよそ六百キロメートル以上離れた場所で起きた海底地震が原因となります。このような遠い場所で地震が起きると、地震の揺れを私たちが直接感じなくても、数時間後に津波が到達する可能性があります。
例えば、遠くの太平洋の海底で大きな地震が発生したとします。その地震による揺れは、日本までは届かないかもしれません。しかし、その地震によって発生した津波は、海面を波のように伝わって、長い時間をかけて日本の海岸に到達するのです。津波の速さはジェット機並みとも言われ、気づかないうちに日本に近づいてくることもあります。
遠地津波の特徴は、地震発生から津波到達までに時間的な猶予があることです。これは、津波の発生源が遠くにあるためです。この時間を使って、避難の準備をすることができます。しかし、発生源が遠くにあるため、津波の規模や到達時刻の予測が難しいという側面もあります。そのため、気象庁などの関係機関は、常に監視体制を強化し、精度の高い津波予測を行うための努力を続けています。
地震の揺れを感じなくても、津波警報や注意報が出された場合は、すぐに高い場所へ避難することが大切です。また、日頃から避難場所や避難経路を確認しておくことも、津波から身を守る上で非常に重要です。