浸透圧

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救命治療

浸透圧利尿:体液バランスの理解

浸透圧利尿とは、体の中の水分や塩分のバランスを保つ働きが、尿の量に影響を与える現象のことです。ふだん、腎臓は体の中の水分と塩分のバランスを細かく調整しています。まるで、体の中の水分量を常に監視している番人のような働きをしています。しかし、血液中に特定の物質(浸透圧物質と呼ばれるもの)が多すぎると、この腎臓の働きに変化が現れます。 浸透圧物質とは、砂糖の一種であるグルコースや、尿素窒素などです。これらの物質は、水に溶けると周りの水分を引き寄せる性質があります。血液中にこれらの物質が過剰に存在すると、腎臓にある尿細管という細い管の中も水分で満たされた状態になります。すると、水分が尿の中に引き込まれ、尿の量が増えるのです。これが浸透圧利尿です。 浸透圧利尿は、体の中の水分量の調整において大切な役割を担っています。体の中の水分が多すぎる時に、浸透圧利尿によって余分な水分を尿として排出することで、水分量のバランスを保つことができるのです。しかし、過剰な浸透圧利尿は、体の中の水分が失われすぎてしまうことがあります。水分が不足すると、脱水症状が現れたり、体の中の電解質バランスが崩れたりする可能性があります。ひどい場合には、命に関わることもあります。そのため、浸透圧利尿は、体にとって必要な現象である一方、過剰になると危険な状態を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
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浸透圧ギャップ:隠れた物質を探る

血液の浸透圧の値には、実際に測定した値と、計算で求めた値の二種類があります。この二つの値には通常、わずかな差があり、この差のことを浸透圧ギャップ(OG)と呼びます。浸透圧ギャップは、血液の中に含まれているものの、通常の血液検査では測ることができない物質の量を反映しています。 浸透圧とは、半透膜を隔てて濃度の異なる二種類の液体が存在する場合に、濃度の低い側から高い側へ水分が移動しようとする力のことを指します。私たちの体液にも様々な物質が溶けており、この物質の濃度によって浸透圧が生じます。血液の浸透圧は、主にナトリウム、塩素、重炭酸などの電解質、そして尿素やグルコースなどの小さな分子によって決まります。これらの物質の濃度を測定し、計算式に当てはめることで、血液の浸透圧を予測することができます。 一方、血液中には、通常の検査では測定されない物質も存在します。例えば、体内で作られる老廃物や、アルコール、メタノール、エチレングリコールなどの有害物質などです。これらの物質も血液の浸透圧に影響を与えます。そのため、実際に測定した浸透圧の値と、計算で求めた値との間に差が生じるのです。この差が浸透圧ギャップです。 健康な人の場合、浸透圧ギャップは通常0から10ミリオスモル/キログラム水という狭い範囲に収まります。しかし、もしこの範囲を超えて高い値を示す場合には、体内で何らかの異常が起きている可能性が考えられます。例えば、糖尿病性ケトアシドーシスや腎不全などの病気、あるいはメタノールやエチレングリコールといった有害物質の中毒などが疑われます。浸透圧ギャップは、これらの病気を診断する上で重要な手がかりとなるのです。