誤嚥

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救命治療

救命時の姿勢:昏睡体位

意識がない状態の人は、自らの意思で体を動かすことができないため、様々な危険と隣り合わせです。周囲の状況を認識したり、危険を察知して回避することができないため、周りの人が適切な処置をすることが重要になります。 意識がない場合に特に注意が必要なのは、吐瀉物による窒息です。飲食後まもなく意識を失った場合など、胃の中に未消化の食べ物や水分が残っていると、嘔吐する可能性があります。仰向けで寝ていると、吐瀉物が気道に流れ込みやすく、窒息につながる危険性があります。また、意識がない状態では、舌の付け根が沈下して気道を塞いでしまうこともあります。舌根沈下は、いびきのような呼吸音や呼吸困難に繋がり、最悪の場合は窒息死に至る可能性もあるため注意が必要です。 このような事態を防ぐためには、回復体位をとらせることが重要です。回復体位とは、横向きに寝かせ、顔をやや下に向けることで、吐瀉物が気道に流れ込むのを防ぎ、呼吸を確保するための体位です。気道確保のために、衣服のボタンやベルトを緩めることも大切です。また、救急隊に連絡し、到着するまで意識がない人の呼吸や脈拍の状態を確認し続けましょう。 意識がない状態は一刻一秒を争う事態です。速やかに適切な処置を行い、救急隊の到着を待つことが重要です。日頃から回復体位のとり方などを学んでおくことで、いざという時に落ち着いて行動できるでしょう。
救命治療

化学性肺炎:吸入による肺への危険

化学性肺炎は、空気とともに吸い込んだ気体、粉塵、液体が肺の中で化学反応を起こし、肺を傷つける病気です。名前は肺炎と似ていますが、細菌やウイルスによる感染症とは違い、化学物質が原因で肺に炎症が起きる点が大きく異なります。 私たちの身の回りには、家庭や工場などで様々な化学物質が使われており、これらを吸い込むことで誰にでも化学性肺炎が起こる可能性があります。例えば、塩素系の洗剤を掃除に使用する場合や、農薬散布を行う際に、誤って高濃度の化学物質を吸い込んでしまうと、急性の化学性肺炎を発症する危険性があります。症状としては、激しい咳、呼吸困難、胸の痛みなどが現れ、重症化すると命に関わることもあります。 また、低濃度の化学物質に長期間さらされることで、慢性的な化学性肺炎になる場合もあります。例えば、工場で特定の化学物質を扱う作業に従事している人が、適切な防護措置を取らずに長期間作業を続けると、徐々に肺が損傷を受け、慢性的な炎症を引き起こす可能性があります。この場合、初期には自覚症状が現れにくいことが多く、気付かないうちに病気が進行してしまう危険性があります。咳や痰、息切れなどの症状が続く場合は、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。 化学性肺炎を予防するためには、化学物質を扱う際には適切な防護措置を講じることが重要です。換気を十分に行う、防毒マスクや保護メガネを着用する、化学物質の取り扱い説明書をよく読んで正しく使用する方法を守るなど、日頃から安全意識を持つことで、化学性肺炎のリスクを減らすことができます。また、定期的な健康診断を受けることも早期発見につながるため、積極的に受診するようにしましょう。