連邦緊急事態管理庁

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組織

アメリカの防災機関:FEMA

アメリカ合衆国は広大な国土を誇り、変化に富んだ自然環境を抱えています。しかし、その美しい自然の裏側には、様々な自然災害の脅威が潜んでいます。大西洋沿岸を襲う巨大なハリケーン、カリフォルニアを震源とする巨大地震、ミシシッピ川流域を水浸しにする大洪水、中西部を縦断する猛烈な竜巻など、災害の種類は実に多様で、その規模も甚大です。これらの災害は人々の生命や財産に深刻な被害をもたらし、地域社会に大きな傷跡を残してきました。こうした未曾有の災害に立ち向かうため、アメリカはこれまで様々な対策を講じてきました。しかし、災害発生のたびに異なる機関が対応にあたっていたため、情報伝達が滞り、迅速かつ効率的な支援活動が困難となるケースが少なくありませんでした。各機関がそれぞれの役割と責任範囲の中で活動していたため、全体的な連携が不足し、混乱が生じることもありました。例えば、ある機関が集めた被災状況の情報が、他の機関に適切に伝達されず、必要な支援物資が被災地に届かないといった事態も発生していました。このような状況を打開するため、1979年、ジミー・カーター大統領の指示の下、連邦緊急事態管理庁、いわゆるFEMA(フィーマ)が設立されました。FEMAは、それまで災害対策に関わっていた複数の機関の機能を統合し、災害発生時の指揮、調整、支援を一元的に担う組織として誕生しました。これは、バラバラだった災害対策の体制を一新し、統一的な指揮系統の下で効率的な対応を実現するための大きな転換点となりました。FEMAの設立により、アメリカは災害に強い国づくりに向けて大きく前進したと言えるでしょう。