防災用品

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救命治療

災害時の備えに!ポケットマスクのススメ

災害時は、いつ、どこで、何が起こるかわかりません。突然、呼吸が止まってしまった人を目の前にすることもあるでしょう。そんな緊急事態に遭遇した時、落ち着いて適切な処置を行うためには、日頃からの備えが重要です。その備えの一つとして、ポケットマスクの携行をお勧めします。 ポケットマスクとは、人工呼吸を行う際に使用する器具で、傷病者の口と救助者の口を薄い膜で隔てることで、感染症からお互いを守ることができます。従来の方法では、直接、口と口を付けて息を吹き込むため、感染症の罹患リスクが常に付きまとっていました。しかし、ポケットマスクを用いれば、血液や体液などが口に入る危険性を減らし、より安心して人工呼吸を行うことができます。特に、災害時のような不衛生な環境では、感染症のリスクが高まるため、ポケットマスクの重要性は計り知れません。 ポケットマスクの使い方は、比較的簡単です。まず、マスクを傷病者の顔に当て、しっかりと密着させます。次に、片手でマスクを固定しながら、もう一方の手で傷病者のあごを持ち上げ、気道を確保します。そして、マスクに設けられた吹き込み口から、ゆっくりと息を吹き込みます。吹き込み後は、傷病者の胸が下がっていくのを確認しましょう。この一連の動作を繰り返すことで、傷病者に酸素を供給することができます。 災害時の備えとして、救急箱などにポケットマスクを常備し、いざという時に備えておきましょう。また、日頃から使用方法を練習しておくことも大切です。もしもの時、落ち着いて行動できるよう、家族や友人と一緒に練習し、人工呼吸の技術を身につけておきましょう。自分自身の安全を守りながら、大切な人の命を救うためにも、ポケットマスクは、今や、必要不可欠なアイテムと言えるでしょう。
災害に備える

防災倉庫:地域を守る備え

防災倉庫とは、災害時に必要となる様々な物資を保管しておく倉庫のことです。いつ起こるか分からない災害から、人々の命と暮らしを守る大切な備えです。 防災倉庫には、被災者の生存を確保するための物資が備蓄されています。水や食料といった生きていくために欠かせないものから、怪我の手当てに必要な救急用品、寒さをしのぐための毛布、寝袋なども保管されています。また、電気の供給が絶たれた場合に備えて、発電機や懐中電灯、携帯電話の充電器といった電気製品も重要な備蓄品です。さらに、断水時に備えて簡易トイレや衛生用品なども保管されており、これらは感染症の蔓延を防ぐ上でも重要です。 防災倉庫に備蓄されている物資の種類や量は、地域によって様々です。地域の特性や過去の災害の経験を踏まえて、必要な物資が選定されています。例えば、海に近い地域では津波に備えた救命胴衣や、山間部では土砂災害に備えたスコップなどが備蓄されていることもあります。また、大規模な災害が発生しやすい地域では、より多くの物資が備蓄されている傾向があります。 防災倉庫は、地域住民にとって身近な存在であるべきです。どこにどのような物資が保管されているか、日頃から把握しておくことが大切です。また、地域住民が協力して防災倉庫の管理や点検を行うことで、防災意識の向上に繋がり、災害発生時の迅速な対応にも繋がります。定期的に中身を確認し、食料や飲料水などの消費期限が近いものがあれば交換するなど、常に使用可能な状態を保つことが重要です。防災倉庫は、地域住民が主体となって管理運営していくことで、真に役立つものとなります。 いざという時に備え、防災倉庫の存在と役割を地域全体で共有し、日頃から防災意識を高めていくことが大切です。
災害に備える

防災の日:備えあれば憂いなし

今からちょうど百年、大正十二年九月一日の午前十一時五十九分、関東地方をマグニチュード7.9という巨大地震が襲いました。後に「関東大震災」と呼ばれる未曾有の大災害です。震源は神奈川県相模湾北西沖。首都東京をはじめ、神奈川、千葉、埼玉、静岡など関東地方の広い範囲が激しく揺れました。 揺れによる建物の倒壊はもちろんのこと、地震発生時刻がちょうど昼食の準備をしている時間帯と重なったために、火災が各地で発生しました。強風にあおられた火は瞬く間に燃え広がり、東京の下町一帯を火の海に変えました。人々は逃げ惑い、多くの尊い命が犠牲となりました。さらには、混乱の中で流言飛語が広まり、社会不安を増大させました。当時の記録によれば、死者・行方不明者は約十万五千人。近代日本の発展を根底から揺るがす大惨事となりました。 この大震災の教訓を後世に伝え、災害への備えを怠らないようにとの願いから、九月一日は「防災の日」と定められました。毎年この日には、全国各地で防災訓練や啓発活動が行われています。大震災から百年が経ち、私たちの生活は大きく変化しましたが、自然災害の脅威は今も変わりません。関東大震災の記憶を風化させることなく、日頃から防災意識を高め、家庭や地域で防災対策をしっかり行うことが大切です。家具の固定や非常持ち出し袋の準備はもちろんのこと、家族や地域との連絡方法の確認、避難場所の確認なども重要です。未来の災害から命を守るために、防災の日をきっかけに、今一度、備えを見直しましょう。