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異常気象

空に浮かぶ白い謎:雲の正体

空を見上げると、様々な形をした雲が浮かんでいます。これらの雲は、一体どのようにして生まれるのでしょうか。雲の発生には、空気の上昇と冷却が大きく関わっています。空気中には、普段は目に見えない水蒸気が含まれています。この水蒸気を含んだ空気が何らかの原因で上昇すると、周囲の気圧が低くなるため、空気は膨張を始めます。この時、空気は膨張することで自身の温度を下げていきます。 温度が下がると、空気の中に含むことができる水蒸気の量が減ってしまいます。すると、それまで空気中に溶け込んでいた水蒸気の一部が、行き場を失い、小さな水の粒や氷の粒へと姿を変えます。これが雲の元となるのです。無数の水の粒や氷の粒が集まり、大きく成長することで、目に見える雲となるのです。 山に登ると雲が発生しやすいのは、まさにこの原理によるものです。空気が山の斜面に沿って強制的に上昇させられ、冷却されるため、雲が発生しやすくなります。また、暖かい空気と冷たい空気がぶつかる場合も雲が発生しやすくなります。暖かい空気は冷たい空気より軽いので、冷たい空気の上に乗り上げるように上昇気流が発生します。この上昇気流によって、雲が作られるのです。夏の空によく見られる、もくもくとした積乱雲は、この仕組みで発生することが多いです。 さらに、空気中の水蒸気が十分に多く、気温が低い場合は、地表付近でも雲が発生することがあります。これが霧と呼ばれる現象です。霧は、雲と同じように小さな水の粒や氷の粒でできていますが、地表に接している点が雲とは違います。霧は、まるで地面に降りてきた雲のように、私たちの周囲を包み込みます。
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空を覆う雲:曇りについて

{空一面が雲に覆われている状態}、それが「曇り」です。しかし、ただ雲が多いだけでは「曇り」とは判断されません。気象庁による厳密な定義が存在します。まず、雲量が9以上であることが必要です。雲量は空全体を10分割した際に、雲が覆っている範囲がどれくらいかを表す数値です。つまり、「曇り」とは、空全体の9割以上が雲に覆われている状態を指します。 さらに、雲の種類も重要です。空の高いところに浮かぶ上層雲だけでなく、低い空に広がる中層雲や下層雲が上層雲よりも多く存在していなければなりません。高い空に薄い巻雲や巻層雲が広がっているだけでは「曇り」とはならず、低い空に層雲や積雲といった厚い雲が広がっている必要があるのです。例えば、上層に薄い雲が広がり、太陽の光が弱まっている状態でも、下層に雲がなければ「曇り」とは判断されません。 最後に、雨や雪などの降水がないことも「曇り」の条件です。たとえ雲量が9以上で、低い空に厚い雲が広がっていても、雨が降っていれば「雨」と判断され、「曇り」とはなりません。雪が降っていれば「雪」、雨が降っていなくても霧が出ていれば「霧」と判断されるのです。これらの条件全てが満たされた時、初めて「曇り」と定義されるのです。日差しは遮られ、どんよりとした空模様。それが気象学における「曇り」の真の姿です。
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天気予報を活用した防災対策

天気とは、ある地点における大気の瞬間的な状態を指します。空を見上げた時に、晴れなのか曇りなのか、雨が降っているのか雪が降っているのか、風の強さはどうなのかといった、私たちを取り巻く大気の状態が天気です。 天気は様々な要素が複雑に絡み合って決まります。気温は、大気中に含まれる熱の量を示す尺度です。湿度、つまり空気中の水蒸気の量は、雨や雪などの降水の有無に大きく関わってきます。雲は、大気中の水蒸気が凝結してできたもので、その量や形によって天気は大きく左右されます。また、風の向きや強さ、大気の圧力である気圧も、天気の変化に重要な役割を果たしています。これらの要素が組み合わさり、晴れや曇り、雨、雪といった、様々な天気を作り出しているのです。 天気は常に変化しています。数時間後には全く違う状態になっていることも珍しくありません。ですから、最新の天気予報をこまめに確認するようにしましょう。天気予報は、単に今日の天気を知るためだけのものではありません。私たちの生活や、災害から身を守るためにも欠かせない情報源です。例えば、晴天が何日も続くと、空気や地面が乾燥し、火災が発生しやすくなります。大雨が予想される場合は、洪水や土砂災害に注意しなければなりません。また、強い風が吹く場合は、看板や木が倒れる危険性も高まります。このように、天気予報で今後の天気の変化を予測し、適切な行動をとることで、危険を回避し、被害を少なくすることができます。