マンションを狙う下がり蜘蛛の手口と対策
下がり蜘蛛とは、まるで蜘蛛が糸を垂らして降りてくるように、建物の屋上からロープを使ってベランダへ侵入する盗みの手口を指します。泥棒は、屋上から垂らしたロープを伝って器用にベランダへ降りてきます。その様子がまるで蜘蛛が糸を伝って降りてくるように見えることから、「下がり蜘蛛」と呼ばれるようになりました。この盗難方法は、高層マンションなどを標的にするケースが多く見られます。高層階に住む人々は、高層階であるほど安全だと考える傾向があり、泥棒はこのような心理的な隙を突いて犯行を企てます。また、高層階は人目につきにくいため、泥棒にとっては都合が良いのです。
一見すると、下がり蜘蛛は特殊な技術や道具を必要とするように思えます。しかし、実際にはそれほど高度な技術は必要なく、比較的簡単な方法で実行できてしまいます。必要なのは、丈夫なロープと、屋上へ侵入するための手段、そして多少の運動神経だけです。屋上への侵入経路は、非常階段や屋上への扉など、建物の構造によって様々です。泥棒は事前に建物の構造や周辺の状況を綿密に調べて、侵入経路を確保します。そして、犯行に及ぶタイミングを見計らって屋上に侵入し、用意しておいたロープをベランダに向けて垂らし、侵入を試みます。
下がり蜘蛛による被害を防ぐためには、屋上への侵入対策を徹底することが重要です。屋上への扉には、鍵をかけるのはもちろんのこと、センサーライトや防犯カメラを設置することも有効です。また、ベランダの手すりや窓に補助錠を取り付けることで、侵入をより困難にすることができます。さらに、マンション全体で防犯意識を高めることも重要です。不審な人物を見かけたら、すぐに管理会社や警察に通報するなど、地域ぐるみで防犯体制を強化していくことが、下がり蜘蛛をはじめとする様々な犯罪の抑止につながります。