AIS:外傷の重症度を測るものさし
事故や災害など、様々な出来事で人は怪我をします。怪我の程度を正しく測ることは、適切な治療を選び、助かる確率を上げるためにとても大切です。怪我の程度を客観的に評価するための方法として、AIS(怪我の種類と体の部位の重症度を表す記号の体系)が作られました。
AISは、体の様々な部位の損傷を数字で表す仕組みです。医療に携わる人が、共通の物差しで怪我の重症度を測ることを可能にします。例えば、かすり傷のような軽い怪我は1、命に関わるような重度の怪我は6といったように、怪我の程度を数字で表します。これにより、異なる病院でも治療方針に一貫性を持たせることができ、患者を別の病院に運ぶ際にも、スムーズに情報を伝えることができます。
AISを使うメリットは、複雑な怪我の場合でも、迅速かつ正確に重症度を把握できることです。複数の部位に怪我をしている場合、それぞれの怪我の重症度をAISで評価し、最も重症な部位のAISスコアが全体の重症度を表します。これにより、医師はより的確な治療方針を立て、適切な処置を行うことができます。
また、AISは怪我の重症度を記録し、後から分析する上でも役立ちます。過去の症例データを分析することで、より効果的な治療法や予防策を開発することに繋がります。怪我の程度を数字で表すAISは、様々な医療機関で情報を共有するための共通言語と言えるでしょう。AISを使うことで、より多くの命を救い、後遺症を減らすことに貢献できると期待されています。