来院時心肺停止:救命の最前線
来院時心肺停止とは、読んで字のごとく、医療機関に到着した時点で、心臓と呼吸の働きが止まっている状態のことです。病院に到着した時が判断の基準となるため、救急車で搬送される途中に心臓や呼吸が止まった場合でも、病院に着いた時点で心臓と呼吸が再び動き出していれば、来院時心肺停止には当てはまりません。また、心臓と呼吸の両方が停止している場合だけでなく、心臓が動いていても呼吸が止まっている場合や、呼吸はしていても心臓が止まっている場合も、来院時心肺停止に含まれます。
この状態は、様々な原因で引き起こされます。例えば、心臓の病気(心筋梗塞や不整脈など)や、呼吸器系の病気(肺炎や喘息発作など)、脳卒中、事故による外傷、中毒などが挙げられます。来院時心肺停止の状態では、一刻も早く救命処置を開始することが重要です。医療機関に到着した時点で既に心肺停止の状態であるため、既に危険な状態にあると言えます。
救命処置としては、まず人工呼吸と心臓マッサージを行い、心臓と呼吸の働きを再開させようと試みます。同時に、心電図モニターで心臓の状態を確認し、必要に応じて電気ショックや薬剤を投与します。これらの処置は迅速かつ正確に行われなければならず、医療従事者の高度な技術と連携が求められます。来院時心肺停止から回復できるかどうかは、心肺停止していた時間の長さや、原因となった病気、患者の年齢や持病など、様々な要因が影響します。残念ながら、多くの場合、来院時心肺停止から社会復帰できるまで回復するのは難しいのが現状です。だからこそ、日頃から健康に気を付け、病気の予防に努めることが大切です。また、周りの人が突然倒れた場合、ためらわずに119番通報し、救急隊員の指示に従って応急処置を行うことが重要です。