救命治療 呼吸性アシドーシス:命に関わる危険な状態
呼吸性アシドーシスとは、体の酸と塩基のバランスが崩れた状態、つまり酸塩基平衡障害の一つです。私たちの体は、常に弱アルカリ性に保たれるよう精巧に調整されています。しかし、肺の働きが弱まり、体内の二酸化炭素をうまく排出できなくなると、このバランスが崩れ、血液が酸性に傾いてしまうのです。これが呼吸性アシドーシスです。私たちの体は、活動エネルギーを生み出す過程で、二酸化炭素という老廃物を作り出します。通常、この二酸化炭素は血液によって肺に運ばれ、呼吸によって体外へ排出されます。ところが、肺炎や気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病気、あるいは薬物中毒や胸部の外傷などによって肺の機能が低下すると、二酸化炭素を十分に排出することができなくなります。すると、血液中に二酸化炭素が過剰に蓄積し、血液の酸性度が高くなってしまうのです。血液が酸性に傾くと、体内の様々な臓器の働きに悪影響を及ぼします。初期症状としては、頭痛やめまい、倦怠感などが現れます。さらに症状が進むと、意識障害や呼吸抑制といった重篤な状態に陥ることもあります。呼吸性アシドーシスは命に関わる危険な状態であるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。根本原因である肺の機能低下を改善する治療を行うとともに、酸素吸入や、重症の場合には人工呼吸器を用いた治療が行われます。また、血液の酸性度を調整する薬物療法なども行われることがあります。日常生活では、禁煙を心がけ、呼吸器系の感染症にかからないように注意することが大切です。もし呼吸が苦しい、息切れがするなどの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
