V/Q比

記事数:(1)

救命治療

換気血流比:肺の働きを知る指標

呼吸をする時、私たちの肺の中では、空気と血液の間で酸素と二酸化炭素の交換が行われています。このガス交換の効率を表す重要な指標が、換気血流比です。 換気血流比とは、肺胞という空気の入った小さな袋に送られる新鮮な空気の量(肺胞換気量)と、肺の中を流れる血液の量(肺循環血流量)の比率のことです。例えるなら、空気は部屋に送られる新鮮な空気、血液は部屋を流れる人の流れのようなものです。新鮮な空気が十分入ってきて、人の流れもスムーズであれば、部屋の空気は常にきれいに保たれます。肺もこれと同じで、新鮮な空気が十分に肺胞に届き、血液も滞りなく流れれば、効率的にガス交換が行われます。 健康な肺では、この換気と血流のバランス、つまり換気血流比が適切に保たれています。これは、肺胞換気量と肺循環血流量がほぼ同じ量であることを意味します。このバランスが崩れると、ガス交換の効率が低下し、体に様々な影響を及ぼします。例えば、換気が十分に行われていないのに血流が多い場合は、血液中に十分な酸素を取り込めなくなり、息苦しさを感じることがあります。反対に、血流が少ないのに換気が良い場合は、せっかく取り込んだ酸素が血液に十分に溶け込まず、やはり体に酸素が行き渡らなくなります。 換気血流比を調べることで、肺の健康状態を詳しく知ることができます。この比率は、肺の病気の診断や治療方針の決定に役立ちます。適切な検査を行い、この比率を把握することで、より効果的な治療やケアにつなげることが可能になります。