心室瘤:心臓の壁にできた瘤

防災を知りたい
『心室瘤』って、心臓の一部がこぶのように膨らむことですよね?具体的にどんな病気なんですか?

防災アドバイザー
そうだね。心臓の下の部屋である心室の壁が薄くなって、こぶのように外に飛び出した状態を『心室瘤』と言うんだ。このこぶは、心臓の筋肉がちゃんとある『真性心室瘤』と、筋肉がなくなって心膜という薄い膜だけになっている『仮性心室瘤』の2種類に分けられるよ。

防災を知りたい
へえ、2種類もあるんですね。どうして心室瘤になるんですか?

防災アドバイザー
ほとんどの場合は、心筋梗塞が原因だよ。心臓の筋肉の一部が壊死することで壁が薄くなり、瘤になってしまうんだ。他には、胸に強い衝撃を受けたり、心サルコイドーシスといった病気でも起こることがあるよ。
心室瘤とは。
心臓の病気に関する言葉「心室瘤」について説明します。心室瘤とは、心臓の壁が薄くなってこぶのように膨らんだ状態のことです。こぶの部分に筋肉がある「真性心室瘤」と、筋肉がなく心臓を包む膜でできている「仮性心室瘤」の2種類があります。
心室瘤のほとんどは、心筋梗塞(心臓の筋肉への血液の流れが詰まる病気)が原因で起こります。まれに、胸へのケガや心サルコイドーシスといった病気で起こることもあります。心筋梗塞による心室瘤は、心臓の先端部分にできやすく、詰まった血管を再び開通させる治療をしていない場合に多く見られます。こぶの部分は、心筋梗塞で傷ついた筋肉が治る過程で、伸び縮みする力を失います。そのため、周りの健康な筋肉とは反対に、心臓が縮む時にこぶが外へ膨らむという、変わった動きをします。
心室瘤かどうかを調べるには、心臓超音波検査や心臓のレントゲン検査が役立ちます。心室瘤があると、こぶの中に血栓(血の塊)ができたり、心臓のポンプ機能が低下したり、心臓のリズムが乱れたりする可能性があります。特に仮性心室瘤は、心臓が破れる一歩手前の状態なので、すぐに手術が必要です。
心臓の壁の膨らみ

心臓は、全身に血液を送り出す重要な役割を担っており、その壁は厚い筋肉で構成されています。この筋肉の壁は、収縮と拡張を繰り返し、血液を送り出すポンプとしての機能を維持しています。しかし、様々な要因によって、この筋肉の壁の一部が薄くなり、外側に膨らんでしまうことがあります。これを心室瘤といいます。
心室瘤は、心臓の壁がまるで風船のように一部分だけ膨らんでいる状態です。この膨らみは、心臓のポンプ機能に影響を及ぼす可能性があります。心臓は、血液を全身に送り出すためにリズミカルな収縮と拡張を繰り返していますが、心室瘤があると、この収縮と拡張がスムーズに行われにくくなります。
心室瘤の原因として最も多いのは、心筋梗塞です。心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を供給する冠動脈が詰まることで、心臓の筋肉の一部が壊死してしまう病気です。壊死した筋肉は、正常な筋肉のように収縮することができず、薄くなって膨らみやすくなります。また、心筋炎などの感染症や、外傷なども心室瘤の原因となることがあります。
心室瘤の症状は、その大きさや位置、心臓の機能への影響の程度によって様々です。自覚症状がない場合もありますが、動悸、息切れ、胸の痛みなどを訴える人もいます。また、心室瘤が大きくなると、血栓と呼ばれる血液の塊ができやすくなり、これが脳や肺などの血管に詰まると、脳梗塞や肺塞栓症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
心室瘤の診断には、心電図、心臓超音波検査、心臓カテーテル検査、心臓MRI検査などが用いられます。治療法は、心室瘤の大きさや症状、合併症の有無などを考慮して決定されます。薬物療法で経過観察を行う場合もありますが、心室瘤が大きく、症状が強い場合や、血栓ができやすい場合には、外科手術によって心室瘤を切除することがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 概要 | 心臓の筋肉壁の一部が薄くなり、外側に膨らむ状態。 |
| 原因 | 主に心筋梗塞。その他、心筋炎、外傷など。 |
| 症状 | 無症状の場合もある。動悸、息切れ、胸の痛み、血栓による脳梗塞や肺塞栓症などの合併症。 |
| 診断 | 心電図、心臓超音波検査、心臓カテーテル検査、心臓MRI検査。 |
| 治療 | 薬物療法、外科手術(心室瘤切除)。 |
二つの種類

心臓の壁の一部がこぶのように膨らむ病気を心室瘤と言いますが、大きく分けて二つの種類があります。一つは、『真性心室瘤』と呼ばれるものです。真性心室瘤は、心臓の筋肉の層が薄くなった状態で残っていることが特徴です。心臓発作などで心臓の筋肉の一部が損傷を受けると、その部分が薄くなり、血液を送り出すたびに大きく膨らむようになります。例えるなら、風船の一部が薄くなると、そこに空気が溜まりやすく膨らみやすくなるのと同じような状態です。真性心室瘤は、筋肉の層が残っているため比較的安定していますが、血液の流れが乱れることで血栓ができやすくなるなどの合併症を引き起こす可能性があります。
もう一つは、『仮性心室瘤』と呼ばれるものです。仮性心室瘤は、心臓の筋肉の層が完全に失われ、代わりに心臓を包む薄い膜(心外膜)だけで壁が構成されている状態です。これは、心臓発作によって心臓の筋肉が大きく損傷し、その部分が破裂するのを防ぐために、心外膜がその部分を覆ってできたものです。例えるなら、破れた袋を薄い布で覆って補修しているような状態です。この薄い膜は、心臓の筋肉のように強くはありません。そのため、仮性心室瘤は、真性心室瘤に比べて破裂する危険性が高く、命に関わる状態となる場合もあります。仮性心室瘤は、突然死の原因となることもあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。どちらの心室瘤も、心臓の壁が正常な状態ではなく、心臓の機能に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
| 種類 | 特徴 | 状態 | リスク |
|---|---|---|---|
| 真性心室瘤 | 心臓の筋肉の層が薄くなっている | 比較的安定している | 血栓ができやすい |
| 仮性心室瘤 | 心臓の筋肉の層が完全に失われ、心外膜で壁が構成されている | 不安定 | 破裂の危険性が高い |
主な原因

心臓の壁の一部がこぶのように膨らむ病気を心室瘤と言います。この病気の主な原因は、心筋梗塞です。心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養を送る血管(冠動脈)が詰まることで、心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなり、筋肉の一部が死んでしまう病気です。この死んだ筋肉の部分は、次第に薄く伸びてしまい、最終的には風船のように膨らんでしまいます。これが心室瘤です。
心筋梗塞が原因でできた心室瘤は、心臓の先端部分、つまり心臓の一番下のとがった部分に発生しやすい傾向があります。これは、心臓の先端部分には、血液を送り出す力が特に強くかかるためだと考えられています。また、冠動脈が詰まった後に、詰まりを解消するための適切な治療を受けなかった場合にも、心室瘤が発生するリスクが高まります。血管が詰まったままの状態が長く続くと、心臓の筋肉へのダメージが大きくなり、心室瘤ができやすくなってしまうのです。
心筋梗塞以外にも、稀ではありますが、胸部に強い衝撃を受けた場合に心室瘤ができることがあります。例えば、交通事故などで胸部に強い衝撃を受けると、心臓の筋肉が損傷し、心室瘤を形成することがあります。その他にも、心サルコイドーシスなどの心臓の病気が原因となることもあります。心サルコイドーシスは、心臓に炎症を起こす病気で、この炎症によって心臓の筋肉が損傷し、心室瘤ができることがあります。ただし、これらの原因で心室瘤ができることは、心筋梗塞に比べてかなり少ないです。

心臓の動き

{私たちの心臓は、休みなく動き続けることで、全身に血液を送り届けています。 この心臓の動きは、心臓を構成する筋肉が伸び縮みすることで生まれます。健康な心臓では、筋肉が規則正しく収縮と弛緩を繰り返すことで、効率的に血液を全身に送り出しています。
心臓はいくつかの部屋に分かれており、そのうち心室と呼ばれる部屋は、血液を全身または肺に送り出すポンプとしての役割を担っています。 心室の筋肉が収縮すると、心室内の圧力が高まり、血液が血管に押し出されます。その後、心室の筋肉が弛緩すると、心室内の圧力が下がり、再び血液が心室に流れ込みます。この収縮と弛緩の繰り返しによって、心臓は一定のリズムで血液を送り出しているのです。
しかし、心臓の一部に心室瘤と呼ばれる異常な膨らみができると、この規則正しい動きが妨げられます。心室瘤は、心臓の筋肉が傷つき、薄くなった部分に血液が溜まることで生じます。健康な筋肉は収縮する際にしっかりと力を発揮しますが、心室瘤の部分は傷ついた筋肉のために十分な力を出すことができません。 そのため、心臓が収縮して血液を送り出す時に、心室瘤の部分は他の部分と逆に膨らんでしまいます。
これは、心臓が送り出す血液の量を減らし、心臓のポンプとしての働きを低下させることになります。 また、心室瘤内に血液が滞留しやすくなるため、血栓(血液の塊)ができる危険性も高まります。この血栓が剥がれて血管を詰まらせると、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性があります。このように、心室瘤は心臓の働きに大きな影響を与えるため、注意が必要です。

見つけ方

心臓の壁の一部が異常な形で膨らんでいる状態、これを心室瘤といいます。この瘤は、心臓の働きに深刻な影響を与える可能性があり、早期発見が非常に大切です。しかし、自覚症状が現れにくい場合もあるため、定期的な検査によって見つけることが重要になります。
心室瘤を発見するための代表的な検査方法として、心臓超音波検査と心臓カテーテル検査が挙げられます。心臓超音波検査は、超音波を使って心臓の構造や動きを詳しく調べる検査です。体に負担が少ないため、広く行われています。この検査では、心臓の壁の厚さや動き、瘤の大きさ、そして心臓の各部屋の大きさの変化などを確認することができます。これにより、心室瘤の有無だけでなく、その状態まで把握することが可能です。
もう一つの検査方法である心臓カテーテル検査は、血管を通して心臓まで細い管を挿入し、造影剤を注入することで心臓の血管の状態を詳しく調べる検査です。この検査では、心臓の血管の狭窄や閉塞、そして心筋の状態を正確に診断することができます。心室瘤は、心臓の血管の病気と関連している場合もあるため、心臓カテーテル検査を行うことで、原因の特定にも役立ちます。
これらの検査は、医師の指示に基づいて行われます。自覚症状がない場合でも、特に高血圧や心臓病の既往歴がある方は、定期的な健康診断を受ける際に、これらの検査について医師に相談することをお勧めします。早期発見と適切な治療によって、心室瘤による重篤な合併症を防ぐことが期待できます。
| 検査方法 | 概要 | 目的 | 利点 |
|---|---|---|---|
| 心臓超音波検査 | 超音波を用いて心臓の構造や動きを調べる | 心臓の壁の厚さや動き、瘤の大きさ、心臓の各部屋の大きさの変化を確認 | 体に負担が少ない |
| 心臓カテーテル検査 | 血管を通して心臓まで細い管を挿入し、造影剤を注入して心臓の血管の状態を調べる | 心臓の血管の狭窄や閉塞、心筋の状態を診断。心室瘤の原因特定 | 心臓血管の状態を正確に診断できる |
起こる問題

心臓の一部がこぶのように膨らんでしまう病気を心室瘤といいます。この瘤があると、様々な体の不調につながることがあります。瘤の中には、血液の塊である血栓ができやすいのです。この血栓は、血管の中を移動して重要な血管をふさいでしまうことがあります。例えば、脳の血管をふさいでしまうと脳梗塞を引き起こし、手足の麻痺やしびれ、言語障害など、後遺症が残る深刻な事態になりかねません。また、心臓の血管をふさいでしまうと心筋梗塞を起こし、胸の痛みや圧迫感、息苦しさなどの症状が現れ、命に関わることもあります。
心室瘤は心臓のポンプとしての働きを弱めてしまうため、全身に血液をうまく送り出せなくなることもあります。すると、体に様々な変化が現れます。軽い運動でも息が切れたり、疲れやすくなったり、足や顔などがむくんだりするのです。日常生活に支障をきたすこともあり、注意が必要です。
さらに、心室瘤は心臓のリズムを乱す不整脈の原因にもなります。心臓のリズムが乱れると、動悸やめまい、失神などを引き起こすことがあります。また、心室瘤には大きく分けて真性心室瘤と仮性心室瘤の二種類があります。真性心室瘤は、心臓の壁の一部が薄くなって膨らんだもので、比較的ゆっくりと進行します。一方、仮性心室瘤は、心筋梗塞などで心臓の壁が破れ、その部分が血液で満たされてできたものです。心臓を包む膜でかろうじて破裂を防いでいる状態のため、非常に危険な状態といえます。仮性心室瘤の場合、心臓が破裂する危険性が高いため、早期の手術が必要となる場合もあります。このように、心室瘤は様々な問題を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。

