乳酸アシドーシス:知っておくべき知識

防災を知りたい
先生、「乳酸アシドーシス」って難しくてよくわからないんですけど、簡単に説明してもらえますか?

防災アドバイザー
わかった。簡単に言うと、体の中に乳酸という物質が溜まりすぎて、血液が酸性に傾いてしまう状態のことだよ。激しい運動をした後に筋肉が痛くなるのも、乳酸が溜まるせいだけど、乳酸アシドーシスはもっと深刻な状態なんだ。

防災を知りたい
酸性に傾くとどうなるんですか?

防災アドバイザー
体の色々な機能に影響が出て、ひどいと命に関わることもあるんだよ。だから、原因を見つけて早く治療することが大切なんだ。原因としては、激しいけがや病気で酸素が足りなくなったり、糖尿病などの病気、それからお酒の飲みすぎなどが考えられるよ。
乳酸アシドーシスとは。
災害時に関係する「乳酸アシドーシス」という用語について説明します。これは、様々な原因で血液中の乳酸の値(通常は3.3から14.9mg/dl)が高くなり、ひどい酸性の状態になる病気です。原因は大きく分けて三つあります。一つ目は、体の組織が酸素不足になり、酸素を使わないで糖を分解する過程が進んで、乳酸が過剰に作られる場合です。これは、様々な種類のショック状態や重い呼吸器の病気、血液が固まりやすくなる病気などで起こります。二つ目は、血液中の酸素が足りなくても、細胞内のエネルギーを作る器官であるミトコンドリアの異常によって、酸素を使わないで糖を分解する過程が進む場合です。これは、重いインスリン不足の糖尿病や、ミトコンドリアに異常のある糖尿病、ある種の糖尿病の薬を飲んでいる場合などに起こります。三つ目は、重い肝臓の機能不全です。また、お酒によって糖を作る働きがおかしくなった場合にも起こります。治療としては、ショックや血液の酸素不足を改善することが大切です。血液の酸性度が7.1以下の場合は、重炭酸ナトリウムを使います。肝臓の病気で意識障害がある場合や、アルコール中毒、大量出血などの場合は、これらの治療を優先します。
乳酸アシドーシスとは

乳酸アシドーシスとは、血液中に乳酸と呼ばれる物質が過剰に溜まり、体の状態が酸性に傾く病態です。私たちの体は、呼吸によって取り込んだ酸素を使ってエネルギーを作り出しています。しかし、激しい運動をした時や、酸素が不足している状態では、エネルギーを作る過程で乳酸が大量に作られます。
通常は、肝臓や腎臓などで乳酸は分解され、血液中の乳酸濃度は一定に保たれています。しかし、何らかの原因で乳酸の産生量が処理能力を上回ると、血液中に乳酸が蓄積し始めます。これが乳酸アシドーシスと呼ばれる状態で、血液が酸性に傾くと、様々な臓器の働きに支障をきたします。
乳酸アシドーシスの原因は様々です。激しい運動や、呼吸困難を引き起こす病気、心不全、敗血症といった重篤な感染症、特定の薬の副作用などが挙げられます。また、糖尿病の患者さんも乳酸アシドーシスを発症するリスクが高いと言われています。糖尿病では、インスリンというホルモンの不足や働きが悪くなることで、糖がエネルギーとしてうまく利用できなくなり、代わりに乳酸が作られやすくなるためです。
乳酸アシドーシスは、単独の病気ではなく、他の病気の合併症として現れることが一般的です。症状としては、吐き気、嘔吐、倦怠感、腹痛、呼吸が速くなる、意識障害などが見られます。重症になると、昏睡状態に陥り、生命に関わる危険性もあります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。乳酸アシドーシスの治療では、まず原因となっている病気を特定し、その治療を行います。同時に、酸素吸入や水分補給、重炭酸ナトリウムなどの薬剤投与を行い、血液の酸性度を正常に戻すための処置を行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 血液中に乳酸が過剰に溜まり、体が酸性に傾く病態 |
| 原因 |
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| メカニズム |
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| 糖尿病との関連 | インスリン不足で糖が利用できず、乳酸産生増加 |
| 症状 | 吐き気、嘔吐、倦怠感、腹痛、呼吸促迫、意識障害など |
| 治療 | 原因疾患の治療、酸素吸入、水分補給、重炭酸ナトリウム投与など |
主な原因と種類

乳酸アシドーシスは、体内に乳酸が過剰に蓄積することで血液が酸性に傾く病態で、様々な原因によって引き起こされます。大きく分けて三つの原因が考えられます。
一つ目は、体の組織へ酸素が十分に供給されない状態、いわゆる低酸素状態です。これは、心臓のポンプ機能が低下するショック状態や肺の機能が損なわれる重度の呼吸器疾患、血液が固まりやすくなる病気など、様々な要因で引き起こされます。私たちの体は、通常、酸素を使ってエネルギーを作り出しています。しかし、酸素が不足すると、体は酸素を使わない方法でエネルギーを作り出そうとします。この方法は嫌気性解糖と呼ばれ、ブドウ糖を分解してエネルギーを作り出す過程で、乳酸が大量に産生されます。そのため、低酸素状態が続くと、乳酸が過剰に蓄積し、乳酸アシドーシスを引き起こすのです。
二つ目は、酸素供給は正常であるにもかかわらず、細胞内のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの機能に異常がある場合です。ミトコンドリアは、酸素を使ってエネルギーを作り出す重要な役割を担っています。このミトコンドリアの働きが低下すると、酸素があっても効率的にエネルギーを作り出すことができず、代わりに嫌気性解糖が活発化し、乳酸が蓄積されます。このような状態は、インスリンが不足するタイプの糖尿病や、ミトコンドリア自体に異常があるミトコンドリア病などで見られます。
三つ目は、肝臓の機能が著しく低下している重症肝不全の場合です。肝臓は、体内で作られた乳酸を処理する主要な臓器です。そのため、肝臓の機能が低下すると、乳酸を処理できなくなり、体内に蓄積してしまいます。
その他、過度の飲酒や大量出血なども乳酸アシドーシスを引き起こすことがあります。飲酒により大量のアルコールが体内に取り込まれると、その分解過程で乳酸が産生されます。また、大量出血により血流が減少すると、組織への酸素供給が不足し、低酸素状態に陥り、乳酸が蓄積されるのです。

症状と診断

乳酸アシドーシスは、体の中に乳酸という物質が過剰にたまり、血液が酸性に傾く病気です。症状は人によって様々で、原因となる病気やアシドーシスの重さによって大きく変わります。軽度の場合はほとんど自覚症状がないこともありますが、重症化すると命に関わることもあります。
乳酸アシドーシスで共通して見られる症状として、呼吸の速まりがあります。これは、体が酸性に傾いた血液を中和しようと、二酸化炭素を排出しようとするためです。息苦しさを感じることもあり、安静時でも呼吸が速く、浅くなっているのが特徴です。また、吐き気もよく見られる症状です。体が酸性に傾くと、消化器の働きが低下し、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。さらに、アシドーシスが進むと、意識がぼんやりしたり、反応が鈍くなったりする意識障害が現れます。重症の場合には、昏睡状態に陥ることもあります。
これらの共通する症状に加えて、原因となっている病気の症状も現れます。例えば、敗血症が原因の場合は、発熱や血圧の低下などの症状が見られます。また、糖尿病が原因の場合は、のどの渇きや多尿などの症状が現れることがあります。そのため、診断には、これらの症状を総合的に判断することが重要です。
乳酸アシドーシスの診断は、血液検査で乳酸の濃度を測ることで行います。健康な人であれば、血液中の乳酸濃度は一定の範囲内に収まっていますが、乳酸アシドーシスでは、この値が通常よりも高くなります。さらに、血液のペーハー(pH)を調べ、酸性に傾いていることを確認します。これらの検査結果に加えて、他の血液検査や画像検査などを組み合わせて、原因となる病気を特定していきます。原因を特定することで、適切な治療を行うことができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 病気 | 乳酸アシドーシス |
| 定義 | 体の中に乳酸が過剰にたまり、血液が酸性に傾く病気 |
| 症状 |
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| 診断 |
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治療の進め方

乳酸アシドーシスの治療は、根本原因への対処を最優先に行います。この病気は体内に乳酸が過剰に蓄積することで血液が酸性に傾く状態であり、様々な原因によって引き起こされます。それぞれの原因に応じた適切な治療を行うことが重要です。
例えば、ショック状態が原因の場合は、血圧を上げるための薬剤投与や輸液を行います。これは、血液循環を改善し、組織への酸素供給を回復させるためです。また、呼吸不全が原因の場合は、酸素吸入や人工呼吸器を用いて呼吸管理を行います。これにより、血液中の酸素濃度を上昇させ、乳酸の生成を抑える効果が期待できます。糖尿病が原因の場合は、インスリンを投与し、血糖値をコントロールします。高血糖は乳酸の産生を促進するため、血糖値を正常範囲に維持することが重要です。重症肝不全の場合は、肝臓の機能を補助する治療を行います。肝臓は乳酸を分解する役割を担っているため、肝機能の低下は乳酸アシドーシスを引き起こす可能性があります。
これらの原因に対する治療に加え、血液の酸性度を改善するための治療も行う場合があります。具体的には、重炭酸ナトリウムなどの薬剤を用いて、血液のpHを正常値に近づけます。ただし、重炭酸ナトリウムの使用は血液のpHが7.1以下と非常に酸性に傾いている場合に限られます。安易な使用は副作用を引き起こす可能性があるため、慎重な判断が必要です。
肝不全やアルコール中毒、大量出血など他の重篤な病気が併発している場合は、これらの病気の治療も並行して行う必要があります。乳酸アシドーシスはこれらの病気によって引き起こされる場合があり、基礎疾患の治療が乳酸アシドーシスの改善にもつながります。
乳酸アシドーシスは放置すると生命に関わる危険な状態になる可能性があります。そのため、早期発見と迅速な治療が非常に重要です。少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
| 原因 | 治療 |
|---|---|
| ショック状態 | 血圧上昇のための薬剤投与、輸液 |
| 呼吸不全 | 酸素吸入、人工呼吸器による呼吸管理 |
| 糖尿病 | インスリン投与による血糖値コントロール |
| 重症肝不全 | 肝機能補助治療 |
| 血液の高度な酸性化 (pH 7.1以下) | 重炭酸ナトリウム投与 |
| 肝不全、アルコール中毒、大量出血などの併発 | 基礎疾患の治療 |
予防と注意点

乳酸アシドーシスは、体の中に乳酸が過剰にたまることで起こる危険な状態です。多くの場合、他の病気とともに発生するため、基礎となる病気の治療と管理が何よりも大切です。
例えば、糖尿病は乳酸アシドーシスの大きな危険因子の一つです。糖尿病の方は、血糖値を適切な範囲に保つことが非常に重要です。適切な食事、運動、薬物療法などを組み合わせて、日頃から血糖コントロールを心がけましょう。
また、過度の飲酒は乳酸アシドーシスを招く大きな要因となります。アルコールは体内で分解される過程で乳酸の生成を促すため、過剰に摂取すると乳酸がたまりやすくなります。お酒はほどほどに、飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
さらに、激しい運動や脱水症状も乳酸アシドーシスを引き起こす可能性があります。激しい運動は筋肉で大量の乳酸を産生し、脱水は乳酸の排出を妨げるためです。運動をする際は、こまめな水分補給を忘れず、自分の体力の限界を超えないように注意することが大切です。
そして、早期発見と迅速な対応も重要です。乳酸アシドーシスの初期症状は、吐き気、嘔吐、激しい息切れ、倦怠感など、他の病気と似ていることが多く、見過ごされがちです。少しでも体に異変を感じたら、すぐに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。自己判断は危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。

