風水害から身を守るために
防災を知りたい
先生、『風水害』って言葉はよく聞きますが、具体的にどんな災害のことを指すのですか?
防災アドバイザー
いい質問だね。『風水害』は、強い風と大雨、それから高い潮位や大きな波によって起こる災害をまとめて言う言葉だよ。台風や発達した低気圧が来た時に、広い範囲で同時に起こることが多いんだ。
防災を知りたい
なるほど。台風などの時に、強い風で家が壊れたり、大雨で川が氾濫したりするのも風水害なんですね。
防災アドバイザー
その通り。まさにそういう被害も風水害に含まれるよ。だから、台風などが近づいてきたら、風と雨、そして川の増水や海の波にも注意が必要なんだ。
風水害とは。
災害を防ぐために知っておくべき言葉に『風水害』があります。風水害とは、強い風と大雨、高い潮位、そして波によって起こる災害全体のことを指します。台風や大きく発達した温帯低気圧がもたらす激しい雨と風によって、広い範囲で強い風や大雨などによる様々な災害が同時に発生する状況を風水害と言います。
風水害とは
風水害とは、台風や発達した温帯低気圧などによって起こる、風や水による災害の総称です。具体的には、強風、大雨、高潮、高波といった自然現象が、単独もしくは複数同時に、あるいは連鎖的に発生することで、私たちの暮らしや社会に大きな被害をもたらします。
例えば、台風が接近すると、まず強風が吹き荒れます。この強風によって、木々が倒れたり、看板が落下したりするなどの被害が出ます。また、電線が切れて停電が発生することもあります。停電は私たちの生活に大きな支障をきたすだけでなく、復旧作業にも時間がかかります。さらに、強風と同時に、あるいはその後、大雨が降り続くことがあります。大雨は河川の増水や氾濫を引き起こし、家屋や田畑が浸水する被害をもたらします。土砂災害の危険性も高まり、がけ崩れや土石流が発生する可能性もあります。
また、台風が海岸に近づくと、高潮が発生します。高潮とは、台風の中心気圧が低くなることによって海水面が上昇する現象で、海岸沿いの地域に大きな被害をもたらすことがあります。高波も同時に発生し、防波堤を越えて海水が陸地に流れ込み、家屋や道路が浸水します。
このように、風水害は様々な災害が複雑に絡み合って発生するため、被害が大きくなりやすい特徴があります。日頃から気象情報に注意し、ハザードマップで危険な場所を確認しておくことが重要です。そして、避難勧告や避難指示などが出された場合は、速やかに安全な場所に避難するようにしましょう。自分の命を守るための行動を、ためらわずにとることが大切です。
風水害の予測
風水害の予測は、気象庁が発表する様々な気象情報に基づいて行われます。天気予報はもちろんのこと、注意報や警報など、提供される情報を細かく注意深く確認し、常に最新の状況を把握することが大切です。
特に、台風や温帯低気圧が近づいてくると予想される場合には、進路や勢力の変化に注意深く気を配り、早めの対策を始めることが重要です。予想される雨量や風速などの予測値にも注目し、危険性を認識しましょう。インターネットやテレビ、ラジオなどで提供される気象情報を活用するとともに、自分の住む地域や職場がある地域の自治体から発表される防災情報にも注意を払いましょう。各自治体のホームページや防災無線などで、避難情報や地域の危険度などを発信している場合があります。
ハザードマップで自宅や職場周辺の浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの危険性を事前に確認しておくことも重要です。ハザードマップは、市町村の役場やホームページで入手できます。自分の住む場所の地形や過去の災害の発生状況を把握することで、風水害による危険性をより具体的に理解することができます。
過去の災害の記録を調べることも、地域特有の危険性を把握し、より適切な対策を立てる上で役立ちます。過去の災害では、どのような被害が発生したのか、どのような場所で被害が大きかったのかを知ることで、自分の住む地域の弱点や課題を理解し、防災対策に活かすことができます。例えば、過去に浸水被害があった地域では、家財道具を高い場所に移動させるなどの対策が必要となるでしょう。土砂災害の危険性が高い地域では、避難場所や避難経路を事前に確認しておくことが重要です。これらの情報を総合的に判断し、自分の住む地域や状況に合わせた具体的な防災対策を立て、風水害に備えましょう。
情報源 | 情報の種類 | 活用方法 |
---|---|---|
気象庁 | 天気予報、注意報、警報、台風/温帯低気圧情報(進路、勢力、雨量、風速) | 常に最新情報を確認、早めの対策開始、危険性の認識 |
インターネット、テレビ、ラジオ | 気象情報 | 情報収集 |
自治体(HP、防災無線) | 避難情報、地域の危険度、ハザードマップ | 避難情報、危険区域の確認 |
ハザードマップ(市町村役場、HP) | 浸水想定区域、土砂災害警戒区域 | 自宅/職場周辺の危険性確認 |
過去の災害記録 | 過去の被害状況、被害発生場所 | 地域特有の危険性把握、適切な対策立案 |
風水害への備え
台風や集中豪雨などによる風水害は、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。被害を最小限に抑えるためには、日頃からの備えが重要です。まず、非常時に持ち出すための袋を用意しましょう。この袋には、数日間分の食料や飲料水、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品など、生活に必要な物資を詰めておきます。食料は、缶詰や乾パンなど保存の効くものを選び、飲料水は定期的に交換して鮮度を保ちましょう。また、家族との連絡手段を確保するために、携帯電話の充電器や予備の電池も忘れずに用意しておきましょう。
次に、避難場所とそこまでの経路を確認しておきましょう。いざという時に慌てないよう、ハザードマップで自宅周辺の危険箇所や避難場所を確認し、家族で共有しておくと安心です。避難する際の持ち物や経路、集合場所なども事前に話し合っておくことが大切です。自宅周辺の安全対策も重要です。側溝や排水溝に土砂や落ち葉が詰まっていると、雨水がスムーズに流れず浸水の危険が高まります。定期的に清掃を行い、水はけをよくしておきましょう。また、強風で飛ばされやすい物が家の周囲にある場合は、固定するか屋内にしまうなどして、被害を防ぎましょう。植木鉢や物干し竿、自転車などは、思わぬ凶器となる可能性があります。さらに、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ることで、強風によるガラスの破損や、破片による怪我を防ぐことができます。
防災情報を常に意識することも大切です。テレビやラジオ、インターネットなどで気象情報や自治体からの避難情報を確認し、早めの行動を心がけましょう。日頃から防災意識を高め、いざという時に備えておくことで、風水害から身を守り、被害を最小限に抑えることができます。
項目 | 内容 |
---|---|
非常持ち出し袋 | 数日間分の食料(缶詰、乾パンなど)、飲料水、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品、携帯電話の充電器、予備の電池など |
避難場所と経路の確認 | ハザードマップで自宅周辺の危険箇所や避難場所を確認、家族で共有、避難経路、集合場所の確認 |
自宅周辺の安全対策 | 側溝や排水溝の清掃、強風で飛ばされやすい物の固定・屋内収納(植木鉢、物干し竿、自転車など)、窓ガラスへの飛散防止フィルムの設置 |
防災情報の確認 | テレビ、ラジオ、インターネットなどで気象情報や自治体からの避難情報を確認 |
避難時の注意点
災害発生時、落ち着いて行動することが何よりも大切です。パニックに陥らず、自治体からの情報に耳を傾けましょう。市町村から避難勧告が発令されたら、ただちに避難の準備を始めましょう。避難指示が出された場合は、一刻も早く、指定された避難場所へ向かってください。
避難経路は、安全を確認しながら選びましょう。がけ崩れや冠水しやすい場所など、危険な場所には決して近づかないようにしてください。夜間や大雨の中での避難は、昼間に比べて格段に危険度が増します。日没前に、明るいうちに避難を開始するように心がけましょう。また、川や用水路など、水辺の近くは大変危険です。増水している場合もありますので、水辺に近づかないようにしてください。
避難時には、非常持ち出し袋は必ず持って行きましょう。非常持ち出し袋には、水や食料、懐中電灯、ラジオ、救急用品など、避難生活に必要最低限の物資を入れておきましょう。また、携帯電話の充電も忘れずに行ってください。
避難する際は、周りの人にも声を掛け合い、地域ぐるみで避難するようにしましょう。特に、お年寄りや体の不自由な方、小さな子供連れのご家族など、一人では避難が難しい方への支援を積極的に行いましょう。
避難場所では、係員の指示をよく聞いて、落ち着いて行動してください。周りの人と協力し合い、譲り合って過ごしましょう。避難所で体調が悪くなったり、困ったことがあった場合は、遠慮なく係員に相談してください。
風水害発生時の対応
台風や大雨などによる風水害は、私たちの暮らしに甚大な被害をもたらします。風水害発生時には、落ち着いて行動し、身の安全を第一に考えることが大切です。
まず、暴風雨が吹き荒れている最中は、絶対に屋外に出てはいけません。家の中でも、窓ガラスが割れて飛散する危険性があるため、窓辺には近寄らないようにしましょう。そして、丈夫な机やテーブルの下などに身を隠し、頭を守りましょう。家屋の倒壊などが心配される場合は、あらかじめ指定されている避難場所へ移動することも検討しましょう。
暴風雨が過ぎ去った後も、すぐに屋外に出るのは危険です。倒壊した家屋や電柱、散乱したがれき、切断された電線など、様々な危険が潜んでいる可能性があります。また、冠水した道路は、マンホールの蓋が外れていたり、道路が陥没していたりする危険性がありますので、安易に歩いたり、車で通行したりしてはいけません。やむを得ず屋外に出る必要がある場合は、周囲の状況をよく確認し、安全を確保しながら慎重に移動しましょう。
ラジオや地域の情報配信サービス、インターネットなどを通じて、常に最新の気象情報や災害情報を入手するように心がけましょう。ライフラインの復旧状況や避難所の開設状況など、必要な情報を確認し、行政機関や近隣住民と協力して、適切な行動をとりましょう。もしもの時に備え、非常持ち出し袋を準備しておくことも重要です。家族と避難場所や連絡方法などを事前に話し合っておくことで、いざという時に冷静に行動できるはずです。
状況 | 行動 |
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暴風雨の間 |
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暴風雨の後 |
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平常時/災害後 |
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復旧作業の注意点
風水害に見舞われた後の片付けは、新たな災害につながる危険がたくさん潜んでいるため、細心の注意が必要です。何よりもまず、身の安全を第一に考えて行動しましょう。壊れた家や建物には不用意に近づかず、専門家の指示を仰ぎ、安全を確認してから作業に取り掛かることが大切です。
電気、ガス、水道といった生活に必要なものの復旧は、必ず専門の業者に依頼しましょう。自分で修理しようとすると、感電やガス漏れなど、大きな事故につながる恐れがあります。専門家の知識と技術によって、安全かつ確実な復旧を行いましょう。
水に浸かった家は、見た目以上に汚れており、健康を害する菌が繁殖しているかもしれません。消毒や掃除を念入りに行い、清潔な状態に戻すことが重要です。カビや細菌の発生を防ぐためにも、十分に乾燥させるように心掛けましょう。
がれきを片付ける作業は、思わぬ危険を伴います。重機を使う場合や高い場所で作業をする場合は特に注意が必要です。作業をする際は、ヘルメットや安全帯などを着用し、安全手順をしっかり守って行いましょう。また、がれきの下敷きになっている人がいないか、周りの状況をよく確認することも大切です。
困っている人を助けたい一心でボランティア活動に参加する際は、主催している団体の指示に従い、自分の体力や技術の範囲内で活動することが重要です。無理をせず、安全第一で行動し、周りの人と協力しながら作業を進めましょう。熱中症対策として、こまめな水分補給や休憩を忘れずに行いましょう。
作業 | 注意点 |
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家屋・建物の確認 | 不用意に近づかず、専門家の指示を仰ぎ、安全を確認してから作業を行う。 |
電気・ガス・水道の復旧 | 必ず専門業者に依頼する。自分で行うと感電、ガス漏れなどの危険がある。 |
家の消毒・清掃 | 水に浸かった家は、見た目以上に汚れており、菌が繁殖している可能性があるため、念入りな消毒・掃除と乾燥が必要。 |
がれきの片付け | 重機使用時や高所作業時は特に注意。ヘルメットや安全帯を着用し、安全手順を守る。周りの状況確認も重要。 |
ボランティア活動 | 主催団体の指示に従い、体力・技術の範囲内で活動。無理せず安全第一。こまめな水分補給と休憩。 |