栄養補給

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救命治療

経腸栄養:口から食べられない時の命綱

経腸栄養とは、口から食事を摂ることが困難な方々に対し、胃や腸といった消化管を経由して栄養を届ける方法です。口から食べることができない、あるいは十分な量の食事を摂ることができない場合でも、体の機能を維持し、回復を促す上で非常に重要な役割を担います。 栄養を補給する方法には、点滴のように血管から栄養を入れる経静脈栄養という方法もありますが、経腸栄養は口から摂取する食事に近い自然な形で栄養を吸収できるという利点があります。そのため、体に掛かる負担が少なく、合併症を引き起こす危険性も低いとされています。口から食事を摂らない期間が長引くと、消化管の機能が衰えてしまうことがありますが、経腸栄養を行うことで、消化管の働きを維持し、腸内細菌のバランスを整える効果も期待できます。腸内細菌のバランスが整うことで、感染症の予防にも繋がります。 経腸栄養の方法は、鼻から細い管を通して胃または腸まで挿入する経鼻経管栄養や、お腹に小さな穴を開けて管を直接胃または腸に繋げる胃瘻造設術や腸瘻造設術など、患者さんの状態に合わせて様々な方法があります。医師や看護師、管理栄養士などの専門家が、それぞれの状況に合わせて適切な方法を選択します。 このように、経腸栄養は、栄養を補給するだけでなく、体の機能を維持し、回復を早めるためにも欠かせない治療法です。患者さんの状態に合わせて適切な方法を選択することで、より効果的に栄養を届けることができます。栄養状態の改善は、病気の回復を早め、生活の質を高めることにも繋がります。