犯罪統計

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犯罪

検挙率から見る犯罪の実態

検挙率とは、警察が把握した犯罪の全体数に対して、犯人を捕まえ、事件を解決した件数の割合を示す数値です。言い換えると、どれだけの事件が解決に至ったのかを表す、警察の働きぶりの指標の一つです。この割合は百分率で示され、例えば検挙率が50%であれば、把握した犯罪100件のうち50件で犯人が捕まったことを意味します。 高い検挙率は、警察の捜査能力の高さを示し、犯罪を未然に防ぐ抑止力にもなると考えられます。逆に、検挙率が低い場合は、解決していない事件が多く、人々の不安を高める要因となる可能性があります。 検挙率は、犯罪の種類によっても大きく変わります。例えば、殺人事件のように重大な犯罪は、警察が多くの資源を投入して捜査するため、検挙率は高くなる傾向があります。一方、自転車の盗難のような比較的軽微な犯罪は、捜査が難しく、検挙率は低くなる傾向があります。また、地域によっても差が見られます。人口密度や犯罪発生率、警察官一人当たりの担当地域など、様々な要因が影響するためです。さらに、時代によっても検挙率は変化します。科学捜査技術の進歩や、防犯カメラの普及などにより、以前は解決が難しかった事件も解決できるようになることがあります。 近年、日本の検挙率は50%を超えて推移しており、高い水準を維持しているように見えますが、この数値だけで安全な状態かどうかを判断することは適切ではありません。なぜなら、検挙率は、把握した犯罪の全体数に対する解決済み事件の割合なので、犯罪の発生自体が減れば、検挙率は相対的に高くなるからです。つまり、犯罪が減ったことで検挙率が上がったのか、それとも警察が把握できていない犯罪が増え、見かけ上検挙率が上がっているのかを注意深く見極める必要があります。例えば、隠れた犯罪や、被害届が出ていない犯罪などは、警察が把握する犯罪の全体数に含まれません。 したがって、検挙率だけで治安の良し悪しを判断するのではなく、様々な要因を考慮し、多角的な視点から判断することが大切です。
犯罪

検挙人員の減少と現状

近年、罪を犯したとして捕まった人の数は減ってきています。この減少には、様々な理由が複雑に絡み合っていると考えられます。まず、街中に設置された監視カメラの増加や、地域の人々による自主的なパトロール活動の活発化など、犯罪を未然に防ぐための社会全体の取り組みが効果を上げていると言えるでしょう。また、警察による犯罪防止活動の強化も、捕まる人の数を減らす一因になっていると考えられます。例えば、地域を細かく見回る警察官の姿が増えれば、犯罪を企てる人はためらうでしょうし、犯罪の発生そのものを抑える効果も期待できます。 しかし、捕まった人の数が減ったからといって、単純に犯罪そのものが減ったと考えるのは早計です。犯罪の発生件数自体が減っているのか、それとも、犯罪は起きているのに捕まる人の割合が減っているのか、といった詳しい分析が必要です。例えば、巧妙な手口で証拠を残さない犯罪が増えているかもしれませんし、警察の人員不足によって捜査が難航しているケースもあるかもしれません。また、近年ではインターネットを使った犯罪も増加しており、従来の捜査方法では対応が難しいという側面もあります。 捕まった人の数の変化を正しく理解するためには、様々な統計データや社会全体の状況を総合的に見て判断する必要があります。例えば、犯罪の種類ごとの発生件数や検挙率、犯罪の発生しやすい場所や時間帯、さらに社会全体の経済状況や人々の意識の変化なども考慮に入れる必要があるでしょう。これらの情報を総合的に分析することで、犯罪の実態をより正確に把握し、効果的な対策を立てることができるのです。
犯罪

検挙件数の推移と現状

捕えることによって解決した事件の数のことを、検挙件数と言います。これは、警察などの捜査機関が、犯人を見つけ出し、事件を解決に導いた件数を示すものです。 検挙には大きく分けて二つの種類があります。一つは、裁判で判決を下してもらうために、検察官に事件を送る手続きのことです。もう一つは、比較的軽い犯罪に対して、罰金などを科す行政処分です。 例えば、窃盗や傷害などの重大な犯罪の場合、警察は犯人を捕まえると、事件の証拠を集め、書類をまとめて検察官に送ります。検察官は、送られてきた証拠を基に、裁判所に起訴するかどうかを判断します。この一連の流れの中で、警察が犯人を捕まえ、検察官に事件を送った段階で、一件の検挙として数えられます。 また、駐車違反や軽微な道路交通法違反など、比較的軽い犯罪の場合は、必ずしも裁判になるとは限りません。このような場合、警察は犯人に罰金を科すなどの行政処分を行い、事件を解決します。これも一件の検挙として数えられます。 つまり、検挙件数には、裁判に送られた事件と、行政処分によって解決した事件の両方が含まれているのです。検挙件数は、社会の治安状況や警察の活動成果を知るための大切な指標となります。検挙件数の増減を見ることで、犯罪の発生状況や傾向を掴むことができます。また、地域ごとの検挙件数を比較することで、それぞれの地域が抱える治安問題を明らかにし、効果的な対策を立てることができます。過去の検挙件数の推移を分析することで、犯罪の発生しやすい時期や場所を予測し、犯罪を未然に防ぐための対策を立てることも可能になります。このように、検挙件数は、私たちの暮らしの安全を守る上で、重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
犯罪

送致人員から見る犯罪の実態

送致人員とは、捜査を行う機関、例えば警察や検察庁などが、事件の容疑者を裁判などの次の段階へ進めるために送致、あるいは送付した人数のことです。事件を起こしたと疑われる人が、正式に司法の手続きに進む段階を示す指標と言えるでしょう。 人が送致されるまでには、捜査機関が証拠を集め、容疑者が犯罪に関係したと判断する必要があります。このため、送致されるには、逮捕や勾留といった身体を拘束される手続きを経ることが一般的です。送致人員は犯罪がどれくらい発生しているかや、捜査がどれくらい進んでいるかなどを知るための重要な数値となります。 送致には、検察庁へ事件を送る「送検」と、家庭裁判所へ事件を送る「送致」の二種類があります。送検される場合は、検察官がさらに捜査を行い、起訴するか不起訴にするかを決めます。起訴されれば裁判になり、そこで有罪か無罪かが判断されます。家庭裁判所へ送致されるのは、主に少年事件の場合です。家庭裁判所の調査官が調査を行い、審判を受けさせるか、保護観察などの処分にするかなどを決定します。 送致されたからといって、必ずしも有罪になるとは限りません。あくまでも捜査機関が犯罪の疑いがあると判断した人数です。裁判で無罪となる場合もあることを知っておく必要があります。また、送致人員は犯罪の発生件数とは異なります。一つの事件で複数の容疑者が送致される場合もありますし、逆に一つの事件が複数の犯罪に該当し、一人の容疑者が複数の罪で送致される場合もあります。そのため、送致人員だけで犯罪の全体像を把握することは難しいと言えるでしょう。ただし、社会の治安状況をある程度反映する指標として、その推移を注視することは重要です。
犯罪

送致件数から見る犯罪の現状

送致件数とは、警察などの捜査機関が事件の捜査を終えた後、被疑者を裁判にかけるかどうかを検察官に判断してもらうために、事件に関する資料や証拠などをまとめて検察庁に送る手続きのことを指します。この送致された事件の総数を送致件数と言います。もう少し詳しく説明すると、捜査機関が事件を調べ終え、被疑者がいると判断した場合、その被疑者を裁判にかけるべきかどうかを判断する権限は検察官にあります。そこで、捜査機関は集めた証拠や被疑者の供述などをまとめて、事件を検察庁に送ることになります。これが送致です。 送致件数には、成人に対する事件の送致だけでなく、少年事件の場合の家庭裁判所などへの送付も含まれます。少年事件では、成人のように刑事裁判ではなく、家庭裁判所での審判が行われます。このため、少年事件の場合は「送致」ではなく「送付」という言葉が使われますが、送致件数にはこの送付された少年事件の数も含まれているのです。 この送致件数は、犯罪の現状や警察の捜査活動の成果を測る上で、とても重要な指標となっています。送致件数の変化を見ることで、犯罪が増えているのか減っているのか、どのような種類の犯罪が増えているのかといった犯罪の傾向を掴むことができます。また、地域ごとに送致件数を比べることで、犯罪が多い地域や特定の犯罪が集中している地域などを特定し、その地域に合わせた効果的な犯罪対策を練るための資料としても役立ちます。 近年は、インターネットを使った犯罪など、新しい種類の犯罪も増えています。このような新しい犯罪への対策を考える上でも、送致件数のデータは社会全体の治安状況を把握し、将来の犯罪対策を検討するための重要な役割を担っています。送致件数の変化を注意深く見て、その背景にある社会的な問題を分析していくことが、より安全な社会を作るために必要不可欠です。
制度

警察白書から学ぶ防災の知恵

警察白書は、国民に警察の活動内容を分かりやすく伝えるための報告書で、警察庁が毎年作成し、公開しています。この報告書は、一年間に日本で起こった様々な出来事と、それらに対応した警察の活動についてまとめたものです。国民が警察の仕事内容を理解し、安全で安心な暮らしを送るために役立つ情報が掲載されています。 白書には、殺人や強盗といった重大な犯罪から、窃盗や詐欺などの身近な犯罪まで、様々な犯罪の種類や発生件数が詳しくまとめられています。そして、それぞれの犯罪に対して警察がどのように捜査を行い、対策を進めているかが説明されています。例えば、特殊詐欺の増加に対する注意喚起や、地域住民との連携による防犯活動の推進など、具体的な取り組みが紹介されています。 犯罪対策だけでなく、組織犯罪への対策や交通事故の防止に向けた活動、国の安全を守るための公安関係の取り組みについても記載されています。さらに、近年増加している大規模災害への対応や、国際的なテロ対策への協力といった内容も含まれており、警察の活動が多岐にわたることを示しています。 白書は図表や写真が豊富に使われているため、内容を理解しやすく、視覚的に情報を得ることができます。専門的な用語はできるだけ分かりやすい言葉で説明されており、一般の人々にも読みやすいように工夫されています。また、インターネット上でも公開されているので、誰でも簡単に内容を確認することができます。最近では、インターネット上の犯罪であるサイバー犯罪に関する情報も掲載されており、時代の変化を反映した内容となっています。この白書を通して、警察の活動への理解を深め、安全な社会を作るために、私たち一人ひとりができることを考えていくことが大切です。
犯罪

犯罪の種類と包括罪種

犯罪の種類は実に様々ですが、それらを一つ一つバラバラに見ていては、全体像を掴むのが難しくなります。そこで、多くの犯罪を整理し、理解しやすくするために用いられるのが『包括罪種』という考え方です。これは、犯罪によって侵害されるもの、つまり法律によって守られる利益(被害法益)や、犯罪が行われる場面、手口といった共通点に基づいて、似た性質の犯罪をまとめてグループ化したものです。 例えば、他人の物を盗む窃盗や、嘘をついて金品を騙し取る詐欺は、どちらも財産を奪うという点で共通しています。このような財産を対象とする犯罪は、『窃盗犯』という包括罪種に分類されます。また、他人に暴力を振るって怪我をさせる傷害罪や、相手に殴りかかるなどの暴行罪は、いずれも身体に危害を加えるという点で共通しており、『粗暴犯』という包括罪種に分類されます。他にも、放火や器物損壊といった財産に損害を与える犯罪をまとめた『破壊犯』、文書偽造や詐欺のように人を騙すことで利益を得る犯罪をまとめた『知能犯』、性的な犯罪をまとめた『風俗犯』、殺人や傷害致死といった人の命を奪ったり、生命に危険を及ぼす犯罪をまとめた『凶悪犯』など、様々な包括罪種があります。 このように、包括罪種によって犯罪を分類することで、それぞれの犯罪の持つ共通の性質や特徴を捉えやすくなり、犯罪現象全体の理解を深めることができます。これは、犯罪の発生状況を分析したり、犯罪を防ぐための対策を考えたりする上で、非常に役立ちます。また、裁判の際に量刑の基準を検討する際にも、包括罪種は重要な要素となります。つまり、同じ包括罪種に属する犯罪は、処罰の重さもある程度似通ってくるのです。このように包括罪種は、複雑な犯罪現象を整理し、理解するための重要な枠組みを提供してくれると言えるでしょう。
犯罪から守る

犯罪発生マップで安全な街づくり

犯罪発生地図とは、ある地域で発生した犯罪の場所と件数を地図上に示したものです。この地図を見ることで、どの地域でどのような犯罪がどれくらい発生しているのかを、視覚的に把握することができます。まるで街の安全状態を映し出す鏡のような役割を果たしており、犯罪への対策を考える上で欠かせない情報源となっています。 この地図は、主に都道府県や市町村などの地方公共団体や警察が作成し、ホームページなどで公開しています。一定の期間、例えば一ヶ月ごと、半年ごと、一年ごとといった区切りで、それぞれの期間に発生した犯罪の状況を地域別にまとめています。掲載される情報は、ひったくりや、住居への侵入盗、事務所への侵入盗、車上荒らし、路上強盗といった様々な犯罪の種類ごとに分けられています。発生した件数は、地図上で色分けしたり、数字で表示したりすることで、どの地域でどのような犯罪が多いのかが一目でわかるようになっています。例えば、地図上で赤色が濃いほど犯罪の発生件数が多いことを示すといった具合です。また、犯罪の種類ごとに地図を作成することで、それぞれの犯罪が集中している地域を特定することも容易になります。 犯罪発生地図は、地域住民が防犯意識を高め、効果的な防犯対策を行うための重要な道具となるでしょう。例えば、自分の住んでいる地域で発生している犯罪の種類や傾向を把握することで、より適切な対策を立てることができます。また、事業者は、事務所や店舗の防犯対策を強化するために、この地図の情報を利用することができます。さらに、地域全体で防犯パトロールを実施する場合にも、重点的に巡回する場所を決める際に役立ちます。このように、犯罪発生地図は、地域社会全体の安全を守る上で、なくてはならないものと言えるでしょう。
犯罪

犯罪白書から学ぶ日本の治安

犯罪白書とは、国民に日本の犯罪の現状を伝えるために、法務省が毎年作成し、国会に提出している公式な報告書です。この報告書は、一般に公開されており、誰でも閲覧することができます。犯罪白書を読むことで、犯罪の現状や対策について深く学ぶことができます。 犯罪白書には、様々な情報が掲載されています。まず、殺人や強盗といった凶悪犯罪から、窃盗や詐欺などの知能犯、薬物犯罪や性犯罪など、様々な種類の犯罪の発生件数や検挙状況がまとめられています。また、犯罪の発生状況だけでなく、犯罪に至った背景や原因についても分析されています。例えば、貧困や家庭環境の問題、教育の不足、地域社会のつながりの希薄化など、犯罪の温床となる要因が詳しく解説されています。 さらに、犯罪白書では、犯罪者の更生についても取り上げています。刑務所における矯正教育や、出所後の社会復帰支援の取り組みなどが紹介され、再犯防止に向けた対策についても検討されています。また、犯罪の被害に遭われた方々の状況や、被害者支援の制度についても記述されています。犯罪によって受けた身体的・精神的苦痛や、経済的な損失など、被害の実態を明らかにし、被害者を支えるための施策の重要性を訴えています。 このように、犯罪白書は、犯罪の実態を多角的に分析し、犯罪対策や再犯防止、被害者支援など、様々な観点から現状と課題を明らかにすることを目的としています。政府はこの報告書を基に、今後の犯罪対策を検討し、より安全な社会を実現するための政策を立案していきます。また、私たち国民にとっても、犯罪白書は犯罪について理解を深め、自らの防犯意識を高めるための貴重な情報源となります。身近な犯罪から身を守るための知識や、犯罪に巻き込まれないための心構えを学ぶことができるのです。
犯罪

発生率から見る犯罪の現状

ある出来事が、ある期間にどのくらい起こるかを示すのが発生率です。これは、ある集団の人数から見て、どれだけの割合でその出来事が起こっているかを示す数字で表されます。普通は、一万人、または十万人あたりで計算します。 この発生率を使うと、地域ごとの違いや、時間の流れに合わせた変化が分かりやすくなります。例えば、ある病気の発生率を調べると、どの地域でその病気が多く発生しているのか、また、年を追うごとに患者さんの数が増えているのか減っているのかが分かります。 例えば、ある町で一年間に百人の人が病気になったとします。この町の住民が一万人の場合は、発生率は千人あたり一人、つまり百分率で表すと〇・一パーセントになります。もし、住民が十万人の場合は、発生率は千人あたり〇・一人、つまり百分率で表すと〇・〇一パーセントになります。このように、同じ百人の患者でも、人口が違うと発生率も変わります。 発生率は、色々な出来事を調べるために役立ちます。病気の発生率だけでなく、事故、犯罪、出生、死亡など、様々な出来事の発生率を計算することで、その出来事がどれくらい頻繁に起こっているかを把握し、対策を立てることができます。例えば、交通事故の発生率が高い地域では、交通安全のための対策を強化する必要があるでしょう。また、ある病気の発生率が年々増加している場合は、その原因を調査し、予防策を講じる必要があります。 このように、発生率は私たちの暮らしの安全や健康を守る上で、とても大切な指標となっています。
犯罪

犯罪認知件数の推移と現状

犯罪認知件数とは、警察などの捜査機関が犯罪の発生を把握した事件の数のことです。これは、様々な経路を通じて事件の存在が明らかになった場合に計上されます。具体的には、被害者本人からの届け出はもちろんのこと、事件を目撃した第三者からの通報、あるいは検察への告訴や告発などを通じて、捜査機関が事件を認知した時点でカウントされます。この犯罪認知件数は、社会全体の治安状況や犯罪の発生傾向を捉える上で、極めて重要な指標となります。 しかし、犯罪認知件数は、必ずしも実際の犯罪発生件数と一致するとは限りません。これは、すべての犯罪が捜査機関に認知されるとは限らないためです。例えば、窃盗などの財産犯罪において、被害者が被害の発生に気づいていない場合、当然ながら届け出も行われません。また、性犯罪のように、被害者が様々な事情から届け出をためらうケースも少なくありません。さらに、軽微な犯罪の場合、被害者が泣き寝入りをして届け出をしない、という選択をする場合もあります。このように、様々な理由で届け出に至らない犯罪は、認知件数に反映されません。そのため、犯罪認知件数は犯罪の実態を完全に表すものではないという点を理解しておく必要があります。 とはいえ、犯罪認知件数は犯罪の動向を分析する上で貴重なデータです。長期的な変化を比較することで、特定の種類の犯罪が増加しているのか、減少しているのかといった傾向を把握することができます。また、地域別の認知件数を比較することで、犯罪の多発地域を特定し、効果的な犯罪対策を講じるための基礎資料とすることも可能です。このように、犯罪認知件数は、犯罪の全体像を完璧に示すものではないものの、犯罪対策や治安維持にとって欠かすことのできない重要なデータと言えるでしょう。
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身近な犯罪:一般刑法犯を知る

{誰もが穏やかで心安らぐ日々を送りたいと願っています。しかし、現実はそう甘くはなく、様々な悪いことが私たちの暮らしの安全を脅かしています。ニュースで大きく取り上げられる凶悪な出来事だけでなく、盗難や人を騙す行為など、身近で起こる犯罪も、私たちの生活に大きな影を落としています。こうした犯罪から身を守るためには、まず犯罪についてよく知り、きちんと対策を立てることが大切です。そのためには、犯罪の全体像を把握するための手がかりとなる「一般刑法犯」という指標を理解することが重要になります。 一般刑法犯とは、殺人や傷害といった凶悪犯だけでなく、窃盗、詐欺、横領など、刑法で定められた犯罪のほとんどを含むものです。この指標を見ることで、社会全体の犯罪の傾向や変化を捉えることができます。例えば、窃盗事件の発生件数が増えているとすれば、地域によっては、家の鍵をしっかりかける、持ち物を置きっぱなしにしないといった対策が必要になります。また、特殊詐欺の発生件数が増えているとすれば、電話でのお金の話を安易に信じない、知らない番号には出ないといった注意が必要です。 一般刑法犯には、検挙されたかどうかがはっきりしている事件だけでなく、被害届が出されて捜査中の事件も含まれています。つまり、警察が把握している犯罪の全体像を把握するための重要な指標なのです。この指標を理解することで、自分たちの身の回りにどんな危険が潜んでいるのかを知り、効果的な対策を立てることができます。日頃から犯罪情報に気を配り、地域社会全体で安全を守る意識を持つことが、私たちの平穏な暮らしを守ることへと繋がります。