エボラ出血熱:知っておくべき知識
エボラ出血熱は、エボラウイルスという微小な病原体によって引き起こされる、大変重い感染症です。このウイルスは、糸のように細長い形をしており、フィロウイルスという仲間の一種です。日本の感染症法では、最も危険な一類感染症に分類されており、その危険度の高さが分かります。
現在、三種類のエボラウイルスが見つかっていますが、その中でスーダン株とザイール株と呼ばれる二種類が人に感染し、重い症状を引き起こします。これらのウイルスは、主にアフリカ大陸の中央部で発生が確認されており、感染すると高い確率で亡くなる可能性があります。スーダン株の死亡率は約五割、ザイール株は約八割と非常に高く、確かな治療法はまだ確立されていません。そのため、感染しないようにすることが何よりも重要です。
感染すると、突然高い熱が出て、激しい頭痛、体の痛み、倦怠感といった症状が現れます。さらに病気が進むと、吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状や、皮膚に赤い斑点や発疹が現れることもあります。重症化すると、体の中の様々な場所で出血が起こり、多臓器不全に陥ることもあります。
エボラウイルスは、感染した人の血液や体液、嘔吐物、排泄物などに直接触れることで感染します。また、感染した動物の血液や体液、肉などに触れることでも感染する可能性があります。さらに、医療現場では、感染した患者を治療する際に、注射針や医療器具などを介して感染することもあります。そのため、感染が疑われる場合には、医療機関に連絡し指示に従うことが大切です。
エボラ出血熱と似た症状を示すマールブルグ病という感染症も存在します。こちらも危険な感染症として知られています。これらの感染症は、正しい知識を持ち、予防策を講じることで感染の危険性を減らすことができます。そのため、正しい情報を知り、感染拡大を防ぐ意識を持つことが大切です。