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緊急対応

災害医療におけるトリアージ

{大災害時、多くの負傷者が出た場合、限られた医療資源を有効に活用するために、負傷者の状態に応じて治療の優先順位を決める必要があります。これを「選別」と言います。選別という言葉は冷たく聞こえるかもしれませんが、災害医療においてはより多くの命を救うために欠かせない手順です。限られた医療従事者、医療機器や薬、そして時間の中で、負傷の程度に応じて適切な処置の優先順位を決めることで、全体として助けられる人の数を最大にすることを目指します。選別は、一人ひとりの負傷者にとって最善の医療ができるとは限らないという、とても難しい判断を伴います。選別は、主に負傷者の呼吸、脈拍、意識の状態によって行われます。例えば、呼吸が止まっている人、脈拍が非常に弱い人、意識がない人は、一刻も早く処置が必要なため最優先で治療を受けます。一方、軽傷の人は、重傷者の治療が落ち着くまで待つことになります。選別は、状況の変化に応じて何度も繰り返し行われます。最初の選別で軽傷と判断された人が、容態が悪化すれば、優先順位が上がることもあります。選別は、現場にいる医療従事者によって行われますが、大変な精神的負担を伴う業務です。平常時では考えられない判断を迫られるため、選別を行う医療従事者への精神的なケアも重要です。選別は、災害医療において非常に重要な役割を果たしますが、決して完璧なシステムではありません。しかし、限られた資源の中で、より多くの命を救うための最善の方法として、現在も活用され続けています。私たちも、災害時に備えて、選別の存在と重要性を理解しておくことが大切です。
救命治療

START法で迅速に救命!

START法は、簡略化された負傷者分類と迅速な処置という意味を持つ、Simple Triage And Rapid Treatment の頭文字から名付けられました。事故や災害などで大勢のけが人が出た際に、限られた医療資源をうまく活用し、より多くの命を救うための方法です。具体的には、呼吸、脈拍、意識の有無の三つの点を確認し、傷病者の状態を四つの段階に分類することで、治療の優先順位を決定します。第一段階では、まず歩くことができるかを確認します。歩ける人は緑色のラベルを付け、比較的軽症であると判断します。次に、歩けない人に対して呼吸の有無を確認します。呼吸がない場合は、気道確保などの処置を行い、それでも呼吸が戻らない場合は黒色のラベルを付けます。これは残念ながら救命が難しい状態であることを示します。呼吸がある場合は、次に脈拍を確認します。脈拍がない、もしくは一分間に120回を超える場合は赤色のラベルを付け、一刻も早く治療が必要な状態であると判断します。脈拍が正常範囲内であれば、最後に意識状態を確認します。指示に従うことができる場合は黄色のラベル、指示に従うことができない場合は赤色のラベルを付けます。START法の最大の利点は、特別な医療機器を使わずに、短い時間で簡単に実施できる点です。救急隊員や医師、看護師などの医療従事者はもちろんのこと、一般の人でも適切な訓練を受ければ使うことができます。災害直後、医療体制が整っていない状況では、一刻も早い救命活動が必要です。START法は限られた時間の中で、より多くの命を救うために重要な役割を果たします。災害に強い社会を実現するためには、START法の訓練を受けた人を増やし、地域全体の防災力を高めることが欠かせません。近年、自然災害の発生回数や規模が大きくなっており、いつどこで災害に巻き込まれるかわかりません。だからこそ、START法のような救命方法を学ぶことは、自分自身や大切な人の命を守る上で非常に大切です。普段から防災意識を高め、いざという時に備えておきましょう。