地震と断層:知っておくべき基礎知識

防災を知りたい
先生、「断層」ってどういう意味ですか? 地震と関係あるんですか?

防災アドバイザー
いい質問だね。地面や岩に大きな力がかかって割れ目ができて、その両側がずれている状態のことを断層というんだよ。地震と深い関係があって、地震は断層がずれることで起こることが多いんだ。

防災を知りたい
なるほど。じゃあ「活断層」っていうのは、どういうものですか?

防災アドバイザー
活断層は、最近まで動いていて、今も動く可能性のある断層のことだよ。活断層が動くと大きな地震が起こる可能性があるから、特に注意が必要なんだ。
断層とは。
地層や岩に力がかかって割れ目ができ、その割れ目を境に両側がずれている状態、またはその割れ目そのものを『断層』といいます。地震との関係でいうと、ごく最近(新生代第四紀)まで地面の動きを繰り返していて、これからも動くかもしれない断層を『活断層』といいます。
断層とは何か

大地は一枚岩ではなく、様々な種類の石が重なり合ってできています。これらの石は、地球内部の力によって常に押し合う力、つまり圧力を受けています。この圧力が石の強さを超えると、石は割れてずれます。この割れ目とずれを断層と呼びます。まるで地球の肌にできた傷跡のようです。
断層の大きさは様々で、数センチメートルほどの小さなものから、数百キロメートルにも及ぶ巨大なものまであります。また、ずれの方向や角度も様々です。水平方向にずれる横ずれ断層、垂直方向にずれる縦ずれ断層、斜めにずれる斜めずれ断層など、様々な種類の断層が存在します。
横ずれ断層は、断層線を挟んで反対側の地面が水平方向に移動した断層です。断層線に立って見て、向こう側が右にずれていれば右横ずれ断層、左にずれていれば左横ずれ断層と呼ばれます。縦ずれ断層は、地面が上下方向にずれた断層です。相対的に高い側を隆起側、低い側を沈降側と呼びます。斜めずれ断層は、横ずれと縦ずれの両方の動きを併せ持つ断層です。
断層は、一見すると地面の模様のように見えることもありますが、地震を引き起こす主要な原因です。断層に蓄えられたひずみが限界に達すると、一気に解放され、地面が大きく揺れます。これが地震です。地震の規模は、断層の大きさやずれの量に関係しています。大きな断層が大きくずれると、巨大地震が発生する可能性があります。
断層の活動メカニズムを理解することは、地震への備えとして非常に大切です。自分の住んでいる地域にどのような断層があるのか、どの程度の規模の地震が発生する可能性があるのかを知っておくことで、適切な防災対策を講じることができます。例えば、家具の固定や非常持ち出し袋の準備など、日頃から地震への備えをしておくことが重要です。
| 断層の種類 | ずれの方向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 横ずれ断層 | 水平方向 |
|
| 縦ずれ断層 | 垂直方向 |
|
| 斜めずれ断層 | 斜め方向 | 横ずれと縦ずれの両方の動きを併せ持つ |
活断層の危険性

大地を覆う地面の下には、たくさんの割れ目があり、これを断層と呼びます。この断層の中には、将来再び動いて地震を引き起こす可能性のあるものがあり、これを活断層と呼びます。活断層は、数十万年前以降に繰り返し動いた形跡のある断層を指し、文字通り「生きている断層」と言えるでしょう。
活断層が動くと、大きな地震が発生し、私たちの暮らしに甚大な被害をもたらす可能性があります。1995年に起きた阪神・淡路大震災は、淡路島にある野島断層の活動によって引き起こされ、大きな被害を出しました。この地震は、活断層の危険性を私たちに改めて認識させる出来事となりました。また、2016年に起きた熊本地震も、日奈久断層帯と布田川断層帯という活断層の活動によるものでした。これらの地震は活断層による地震の脅威を私たちに突きつけました。
活断層の位置や、過去にどれくらいの間隔で動いたのかという活動履歴を把握することは、地震発生の予測や防災対策を考える上で非常に重要です。活断層の調査によって得られた情報は、建物の耐震設計や、防災計画の策定などに役立てられています。また、活断層の近くに住む人々は、地震への備えをより一層しっかりと行う必要があります。家具の固定や非常持ち出し品の準備など、日頃から地震に備えておくことが大切です。
日本は、世界的に見ても活断層の数が多い国です。そのため、活断層に対する理解を深め、適切な対策を講じることは、私たちの生活の安全を守る上で非常に重要です。国や地方公共団体は活断層の調査を進め、その情報を公開することで、国民の防災意識の向上に努めています。私たち一人一人も、活断層について学び、地震への備えを怠らないようにしましょう。

断層の種類

大地に刻まれた断層は、地球内部の巨大な力の痕跡であり、その動きを読み解くことで地震の発生メカニズムや地殻変動の理解に繋がります。断層は、岩盤が割れてずれが生じた場所を指し、ずれの方向によって大きく三つの種類に分けられます。
まず、正断層は、地盤が引っ張られる力によって形成されます。両側から引っ張られることで、上側の岩盤が斜面を滑り落ちるようにずり下がります。まるで崖崩れのような動きで、地盤が薄く引き伸ばされる地域に見られます。
次に、逆断層は、地盤が圧縮される力によって形成されます。両側から押されることで、上側の岩盤が斜面を押し上げられるようにずり上がります。この押し上げる動きによって、地盤は厚く積み重なり、高い山脈を形成することがあります。
最後に、横ずれ断層は、水平方向に岩盤がずれる断層です。まるで巨大なハサミで切られたように、左右に岩盤がずれます。この断層は、さらに右横ずれ断層と左横ずれ断層の二種類に分けられます。断層を挟んで反対側を見たときに、向こう側が右にずれているように見える場合が右横ずれ断層、左にずれているように見える場合が左横ずれ断層です。
これらの断層は、単独で存在することもありますが、複雑に組み合わさって存在することもあります。それぞれの断層がどのように形成されるのか、どのような地殻変動を示しているのかを学ぶことで、地球の活動に対する理解を深めることができます。
| 断層の種類 | 形成原因 | 岩盤の動き | 地形の変化 |
|---|---|---|---|
| 正断層 | 地盤の引っ張り | 上側の岩盤がずり下がる | 地盤が薄く引き伸ばされる |
| 逆断層 | 地盤の圧縮 | 上側の岩盤がずり上がる | 地盤が厚く積み重なり、山脈形成 |
| 横ずれ断層 | 水平方向のずれ | 左右に岩盤がずれる | – |
| 右横ずれ断層 | 水平方向のずれ | 断層を挟んで向こう側が右にずれる | – |
| 左横ずれ断層 | 水平方向のずれ | 断層を挟んで向こう側が左にずれる | – |
地震との関係

地震は、地面の深いところで岩盤が急に壊れることで起こる現象です。岩盤の壊れる場所は、多くの場合、断層と呼ばれる地面のずれ目に沿っています。断層を境目として岩盤が急にずれると、大きな揺れが生まれます。この揺れは地震波として、あらゆる方向へ広がっていきます。
地震の規模を表す指標として、マグニチュードがよく使われます。マグニチュードは、断層がどれくらい大きくずれたか、また、ずれ動いた断層面の広さに関係しています。広い範囲にわたって大きなずれが生じれば、それだけ規模の大きな地震となるわけです。例えば、同じ長さの断層でも、ずれの量が大きいほど、マグニチュードも大きくなります。また、同じずれ量でも、断層の長さが長いほど、マグニチュードは大きくなります。
断層が活動する深さも、地震の揺れの強さに影響を与えます。深い場所で地震が起こると、揺れが地表に届くまでに長い距離を通るため、揺れは弱くなります。逆に、浅い場所で地震が起こると、揺れが地表に届くまでの距離が短いため、強い揺れを感じることが多くなります。同じ規模の地震でも、深い場所で発生した場合と浅い場所で発生した場合では、地表での揺れの強さが大きく異なる場合もあるのです。
ですから、地震の規模だけでなく、震源の深さも地震による被害を考える上で重要な要素となります。大きな地震で震源が浅い場合は、大きな被害が発生する可能性が高いため、特に注意が必要です。近年、都市部の直下で発生する都市直下型地震が懸念されています。これは、人口や建物が密集した地域で、震源が浅い地震が発生することで、甚大な被害をもたらす可能性があるからです。そのため、日頃から地震への備えをしっかり行うことが大切です。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 地震の発生 | 地面の深いところで岩盤が急に壊れることで起こる。多くの場合、断層と呼ばれる地面のずれ目に沿って発生する。 |
| 地震波 | 断層を境目として岩盤が急にずれると発生する揺れ。あらゆる方向へ広がっていく。 |
| マグニチュード | 地震の規模を表す指標。断層のずれの量と断層面の広さに関係する。 |
| マグニチュードと断層の関係 | 断層が大きく、ずれの量が多いほどマグニチュードは大きくなる。 |
| 震源の深さと揺れの強さ | 深い震源:揺れが地表に届くまでに弱まる。浅い震源:強い揺れを感じることが多い。 |
| 都市直下型地震 | 都市部の直下で発生する浅い地震。人口や建物が密集しているため、大きな被害をもたらす可能性がある。 |
断層の調査方法

地面がずれてできた断層を調べる方法は、いくつかあります。まず、地表に現れている断層は、直接目で見て確かめることができます。ずれの方向や大きさなどを測量機器を使って計測し、断層の動きを詳しく調べます。断層の種類やできた年代を特定するために、断層周辺の岩石や地層も観察します。
しかし、多くの断層は土や建物に埋もれていて、直接見ることはできません。このような地下に隠れた断層を調べるには、人工的に小さな地震を起こす人工地震探査という方法を使います。地面に振動を与え、その振動が地下を伝わって戻ってくる様子を観測することで、地下の構造を推定し断層の位置や形を探ります。
空から地表の様子を詳しく調べる測量技術も役立ちます。航空機や人工衛星を使って地表のわずかな高低差を精密に計測することで、断層による地形の変化を見つけ出すことができます。また、過去の地震の記録を調べることも重要です。古文書や過去の地震計の記録から、過去の地震の発生場所や規模を推定し、断層の活動の様子を明らかにします。さらに、地層に積み重なった土や砂、岩石などを調べることで、過去の断層の動きを推定することもできます。
これらの様々な調査で得られた情報を組み合わせ、総合的に見ていくことで、断層の位置や形、活動の履歴などが分かります。そして、将来どのくらいの規模の地震がどれくらいの確率で起こるのかを予測します。近年の技術の進歩により、断層調査の精度は大きく上がってきており、地震の予測や防災対策の向上に役立っています。
| 調査方法 | 説明 | 対象 |
|---|---|---|
| 目視観察・測量 | 地表に現れた断層を直接観察し、ずれの方向や大きさを測量機器で計測。断層周辺の岩石や地層も観察。 | 地表断層 |
| 人工地震探査 | 人工的に小さな地震を起こし、振動の伝わり方を観測して地下構造を推定し、断層の位置や形を探る。 | 地下断層 |
| 航空測量/衛星測量 | 航空機や人工衛星で地表の高低差を精密に計測し、断層による地形の変化を見つけ出す。 | 地表断層 |
| 過去の地震記録調査 | 古文書や過去の地震計の記録から、過去の地震の発生場所や規模を推定し、断層の活動の様子を明らかにする。 | – |
| 地層調査 | 地層に積み重なった土砂や岩石などを調べ、過去の断層の動きを推定する。 | – |
