二次災害:その種類と備え

二次災害:その種類と備え

防災を知りたい

先生、二次災害って、最初の災害から時間が経ってから起こるものもあるんですか?例えば、地震の後しばらくしてから起こる火事とか。

防災アドバイザー

いい質問だね。二次災害は、最初の災害直後に発生するものだけでなく、時間が経ってから発生するものもあるんだよ。地震の後、しばらくしてから電気系統のショートが原因で火災が発生するケースは、二次災害の典型例と言えるね。

防災を知りたい

なるほど。じゃあ、避難所で病気が流行するのも二次災害なんですね。

防災アドバイザー

その通り。避難所での密集生活による衛生状態の悪化は、感染症の流行を招きやすく、これも二次災害の一つとして考えられるよ。最初の災害が地震や津波など直接的な被害をもたらすのに比べて、二次災害は間接的な被害をもたらすことが多いと言えるね。

ニ次災害とは。

災害に関係する言葉で「二次災害」というものがあります。これは、最初に起きた災害によって引き起こされる別の災害のことを指します。気象庁では、大きな気象災害のあと、しばらくたってから間接的に起きる災害としています。例えば、大きな地震のあとに起きる建物の火事や倒壊、火山の噴火に伴う火砕流の発生、被災地で救援活動をしている人たちを襲う事故や遭難、避難所での過酷な生活環境が原因で起こる病気や死亡などが、二次災害の例として挙げられます。他にも様々なケースがあります。

二次災害とは

二次災害とは

二次災害とは、最初の災害が原因となって発生する災害のことを指します。最初の災害によって引き起こされる連鎖的な被害とも言えます。最初の災害が地震だった場合、倒壊した建物のがれきによる怪我や、壊れたガス管からの出火による火災地盤の液状化による建物の沈下などが二次災害に当たります。また、最初の災害が火山噴火の場合、噴火自体は最初の災害ですが、それによって発生する火砕流や土石流、火山灰による健康被害などは二次災害として認識されます。

最初の災害と二次災害の違いは、被害発生の仕組みにあります。最初の災害は直接的な被害をもたらします。例えば、大雨による洪水で家が流される、地震の揺れで建物が倒壊する、といった被害です。一方、二次災害は最初の災害の結果として間接的に発生する被害をもたらします。例えば、大雨による洪水で避難所での生活を余儀なくされた結果、避難所の衛生状態が悪化し、感染症が蔓延するといったケースが挙げられます。また、地震によって道路が寸断され、救援物資の輸送が遅延し、必要な物資や医療が不足することも二次災害による被害です。

このように、二次災害は最初の災害の種類や規模、周囲の環境などによって様々な形をとります。地震では火災や土砂崩れ津波では浸水被害や塩害火山噴火では泥流や空気の汚染といった具合です。そのため、二次災害への対策を立てる際には、最初の災害への備えをするだけでなく、二次災害の種類や発生の仕組みを理解し、それに合わせた対策を講じることが重要となります。日頃からハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を把握しておく非常持ち出し袋に二次災害を想定した物資を準備しておくなど、事前の備えが二次災害による被害を軽減することに繋がります。

最初の災害 二次災害の例 二次災害発生のメカニズム
地震 建物倒壊による怪我、ガス爆発による火災、地盤液状化による建物の沈下、道路寸断による救援物資輸送の遅延 地震の揺れや地盤の変化による直接的な被害が、更なる被害を連鎖的に引き起こす
火山噴火 火砕流、土石流、火山灰による健康被害 噴火による噴出物や火山活動の影響が、周囲の環境や住民に被害をもたらす
大雨 避難所での感染症蔓延、道路寸断による救援物資・医療不足 洪水や浸水といった直接的な被害が、生活環境の悪化やインフラ途絶を引き起こし、間接的な被害をもたらす
津波 浸水被害、塩害 津波による海水流入が、家屋や農地に被害をもたらす

地震による二次災害

地震による二次災害

大地震は、直接的な揺れによる被害だけでなく、それに続く様々な二次災害を引き起こす恐れがあります。二次災害は、最初の地震による被害をさらに拡大させ、人命や財産に深刻な影響を与えるため、事前の備えと迅速な対応が不可欠です。

まず、地震の揺れそのものが建物の倒壊を招き、中にいる人々を閉じ込め、負傷させたり、最悪の場合、命を落とす危険があります。また、倒壊した建物は、避難経路を塞ぎ、救助活動を妨げる一因にもなります。

次に、地震によって断線した電線や破損したガス管が、火災の発生源となることがあります。特に都市部では、建物が密集しているため、火災は急速に広がり、大規模な火災へと発展する可能性があります。延焼を防ぐためには、日頃から防火対策を講じることが重要です。

沿岸部では、地震による津波の発生が大きな脅威となります。津波は、高波となって沿岸地域を襲い、家屋や建造物を押し流し、広範囲にわたる浸水被害をもたらすだけでなく、多くの人命を奪う危険性があります。地震発生時には、速やかに高台や指定された避難場所へ避難することが大切です。

山間部では、地震の揺れによって斜面が不安定になり、土砂崩れや地すべりが発生しやすくなります。土砂災害は、家屋や道路を埋没させ、地域住民の生活に甚大な被害を与えるだけでなく、孤立した集落を生み出す可能性もあります。普段から危険な場所を把握し、避難場所を確認しておくことが重要です。

このように、地震による二次災害は多岐にわたり、その被害は甚大です。地震発生直後だけでなく、二次災害への警戒を怠らず、適切な行動をとることで、被害を最小限に抑えることが可能になります。日頃から備えを万全にし、いざという時に落ち着いて行動できるよう、心構えをしておきましょう。

二次災害の種類 発生メカニズム 被害の内容 対策
建物倒壊 地震の揺れ ・負傷、死亡
・避難経路の遮断
・救助活動の妨害
耐震構造の建物
火災 電線断線、ガス管破損 ・延焼による大規模火災 防火対策
津波 地震による海底の変動 ・高波による家屋・建造物の流失
・広範囲の浸水被害
・多数の死者
高台や避難場所への避難
土砂災害(土砂崩れ、地すべり) 地震の揺れによる斜面の不安定化 ・家屋や道路の埋没
・地域住民の生活への甚大な被害
・孤立集落の発生
危険箇所の把握、避難場所の確認

火山噴火による二次災害

火山噴火による二次災害

火山噴火は、溶岩や噴石といった直接的な被害だけでなく、二次災害と呼ばれる後発的な災害を引き起こすことがあります。二次災害は時に噴火そのものよりも甚大な被害をもたらし、私たちの生活に深刻な影響を与えます。

まず、火砕流は、高温の火山灰や岩石、火山ガスが一体となって高速で山肌を流れ下る現象です。その破壊力は凄まじく、通過した地域を焼き尽くし、建物を倒壊させ、生き物を死に至らしめます。火砕流の速度は時速数十キロメートルから数百キロメートルに達することもあり、逃げることは非常に困難です。

次に、土石流は、火山噴火によって堆積した火山灰や噴石が、大雨などの際に水と混ざり合って流れ下る現象です。土石流は大量の土砂や岩塊を運び、家屋や道路、橋などを押し流す大きな力を持っています。火山地域周辺では、噴火後しばらくは土石流の発生リスクが高まるため、警戒が必要です。

また、火山泥流は、火山灰や岩石が水と混ざり合って泥状になって流れ下る現象です。土石流と似ていますが、火山泥流はより広範囲に流れ広がり、谷や平野を埋め尽くすことがあります。流れの速度も速く、大きな破壊力を持つため、危険度が高い二次災害の一つです。

さらに、火山噴火に伴って火山ガスが発生します。火山ガスには、二酸化硫黄や硫化水素など、人体に有害な物質が含まれており、高濃度の火山ガスを吸い込むと、呼吸困難や健康被害を引き起こす可能性があります。風向きによっては、噴火口から離れた地域でも火山ガスの影響を受けることがあるため、注意が必要です。

このように、火山噴火による二次災害は多岐に渡り、私たちの生命や財産に大きな脅威となります。日頃から居住地域の火山活動の情報に注意し、噴火警報や避難情報が発表された場合には、速やかに避難するなど、適切な行動をとることが重要です。

二次災害の種類 内容 被害
火砕流 高温の火山灰、岩石、火山ガスが高速で山肌を流れ下る 地域を焼き尽くし、建物を倒壊、生き物を死に至らしめる
土石流 火山噴火で堆積した火山灰や噴石が、大雨などで水と混ざり合って流れ下る 家屋、道路、橋などを押し流す
火山泥流 火山灰や岩石が水と混ざり合って泥状になって流れ下る 広範囲に流れ広がり、谷や平野を埋め尽くす
火山ガス 二酸化硫黄や硫化水素など、人体に有害な物質を含む 呼吸困難や健康被害

二次災害への対策

二次災害への対策

大きな災害が発生すると、それ自体による直接的な被害だけでなく、災害をきっかけとして起こる二次災害にも注意が必要です。二次災害への対策は、最初の災害への備えと同じくらい重要であり、日頃からの準備が被害を減らす鍵となります。

まず、自分の住む地域の危険性をよく知っておくことが大切です。自治体が発行する災害危険予想地図などで、自宅周辺でどのような災害が想定されるのか、土砂災害の危険区域や、洪水の浸水想定区域などを確認しておきましょう。また、安全な避難場所や、そこまでの避難経路も調べておきましょう。いざという時に、落ち着いて行動できるよう、家族で避難訓練をしておくことも有効です。

非常持ち出し袋の準備も欠かせません。食料や水、常備薬といった必要な物に加え、二次災害を想定した備えも必要です。例えば、地震後の火災に備えて消火器を準備したり、断水に備えて飲料水の確保方法を確認しておいたり、粉塵やばい菌から身を守るためにマスクや消毒液を用意しておくことも大切です。避難生活の長期化も考え、数日分の生活必需品を備蓄しておきましょう。

さらに、地域社会とのつながりも重要です。日頃から近所の人たちと交流し、災害発生時の情報共有や助け合いの方法について話し合っておきましょう。自主防災組織に加入するなど、地域ぐるみで防災活動に参加することも、二次災害への備えにつながります。

二次災害は、最初の災害の種類や規模、周囲の状況によって様々な形で発生します。そのため、起こりうる二次災害の種類を想定し、それに合わせた対策を事前に考えておくことが、被害を最小限に抑えることにつながります。一人ひとりが防災意識を高め、適切な対策を講じることで、二次災害から命と暮らしを守りましょう。

対策 具体的な行動
地域の危険性の把握 災害危険予想地図の確認、安全な避難場所・経路の確認、家族での避難訓練
非常持ち出し袋の準備 食料・水・常備薬の準備、消火器の準備、飲料水の確保方法の確認、マスク・消毒液の準備、数日分の生活必需品の備蓄
地域社会との連携 近所の人との交流、災害発生時の情報共有/助け合いの方法の確認、自主防災組織への加入、地域ぐるみの防災活動への参加

情報の重要性

情報の重要性

災害時、情報の入手は私たちの生死を左右するほど大切です。大きな地震、台風、集中豪雨など、いつどこで災害が起きるか分かりません。いざという時、落ち着いて行動できるよう、日頃から情報収集の手段を確認しておくことが重要です。

災害発生時は、テレビやラジオといった既存の媒体から情報を入手しましょう。これらの媒体は、緊急時に重要な役割を果たします。特に、ラジオは携帯型のものもあり、停電時でも情報を得られる貴重な手段です。また、インターネットに接続できる環境であれば、気象庁のホームページや各自治体のホームページなどで、最新の災害情報を確認することができます。刻々と変わる状況を把握するために、これらの情報をこまめに確認することが大切です。

近年では、携帯電話に搭載されている防災アプリも有効な情報収集手段の一つです。緊急地震速報や津波警報、避難情報などを迅速に受け取ることができ、危険をいち早く察知することに繋がります。また、GPS機能を活用した位置情報サービスにより、現在地周辺の避難場所や危険区域の情報も入手可能です。これらの機能を普段から使いこなし、緊急時に役立てられるようにしておきましょう。

大雨の後など、二次災害の危険性が高まっている時には、情報収集の重要性がより一層高まります。例えば、土砂災害警戒区域に指定されている地域では、自治体からの避難勧告や避難指示に特に注意を払う必要があります。ハザードマップで自宅周辺の危険性を把握しておき、早めの避難を心掛けましょう。火山噴火の際には、火砕流や土石流の発生状況、風向きによる降灰の範囲といった情報にも注意が必要です。落ち着いて行動するためにも、正しい情報を入手し、状況を的確に判断することが、二次災害から身を守る上で最も大切なことです。

情報収集手段 入手できる情報 メリット・デメリット 備考
テレビ・ラジオ 災害発生状況、避難情報、復旧状況など メリット:緊急時に重要な役割を果たす、ラジオは停電時でも利用可能
デメリット:情報が更新されるまでに時間がかかる場合がある
特にラジオは携帯型のものもあり、停電時でも情報を得られる貴重な手段
気象庁・自治体HP 最新の災害情報、気象情報、避難場所情報など メリット:正確な情報を入手できる
デメリット:インターネット接続が必要
刻々と変わる状況を把握するために、こまめに確認することが大切
防災アプリ 緊急地震速報、津波警報、避難情報、現在地周辺の避難場所・危険区域情報など メリット:迅速に情報を受け取れる、GPS機能を活用した位置情報サービス
デメリット:スマートフォンの電池切れに注意が必要
普段から使いこなし、緊急時に役立てられるようにしておきましょう
ハザードマップ 自宅周辺の危険性、避難場所、避難経路など メリット:事前に危険性を把握できる
デメリット:情報が古い場合もあるため、最新情報と併せて確認することが重要
大雨の後など、二次災害の危険性が高まっている時には、情報収集の重要性がより一層高まります。