リスクコントロール:備えで安全安心
防災を知りたい
先生、「リスクコントロール」って、災害と防災以外でも使われるんですか?
防災アドバイザー
はい、そうですね。リスクコントロールは、災害と防災以外にも、例えば、会社の経営や、私たちの日常生活でも使われる考え方です。
防災を知りたい
日常生活では、どんな場面で使われますか?
防災アドバイザー
例えば、自転車に乗るときにヘルメットをかぶるのも、事故という危険が起こる可能性を小さくするために、あらかじめ備えているという意味でリスクコントロールと言えますね。他にも、夜道を歩くときに明るい道を選ぶ、お金をなくさないように財布をしっかりと持つなども当てはまります。
リスクコントロールとは。
災害や事故を防ぐための言葉に「危険の抑制」というものがあります。これは、起こりうる危険をなるべく減らすことを目指すものです。例えば、泥棒や火事対策として、割れにくい合わせガラスや特殊な鍵を使う、消火器を置くなどが挙げられます。また、情報漏えいなどを防ぐため、情報管理のルールを作るのも、危険の抑制にあたります。
リスクコントロールとは
危険の備え、つまりリスクコントロールとは、私たちの身の回りに潜む様々な危険に対し、前もって対策を立て、発生そのもの、あるいは発生した場合の影響を抑え込むための取り組みです。家への侵入盗難や火災、情報の流出など、私たちの日常生活や仕事において起こりうる様々な危険を想定し、それらに備えることで、安全で安心できる暮らしを築くことを目指します。
家への侵入盗難を例に挙げると、窓やドアに補助錠を取り付けたり、センサーライトを設置することで、泥棒の侵入を防ぐ対策を講じることができます。また、火災に備えて、火災報知器を設置したり、消火器を準備しておくことも重要です。さらに、情報流出を防ぐためには、パソコンやスマートフォンにパスワードを設定したり、不用意に個人情報を発信しないように注意する必要があります。
リスクコントロールは、危険の種類や規模に応じて、適切な対策を選ぶことが重要です。小さな危険であれば、簡単な対策で十分な場合もありますが、大きな危険の場合は、より入念な対策が必要となります。例えば、地震のような大きな災害に備えて、家具の固定や非常食の備蓄、避難経路の確認など、多岐にわたる対策を講じる必要があります。
リスクコントロールは、一人ひとりが危険に対する意識を高め、適切な対策を実行することで初めて効果を発揮します。日頃から危険について考え、必要な対策を怠らないようにすることで、安全で安心な暮らしを実現できるのです。また、地域住民と協力して防災訓練に参加したり、地域の危険箇所を確認し合うことで、より効果的なリスクコントロールが可能となります。危険に対する備えは、決して他人事ではなく、自分自身を守るため、そして大切な人を守るために、常日頃から意識し、実践していくことが重要です。
危険の種類 | 対策 |
---|---|
家への侵入盗難 | 窓やドアに補助錠を取り付けたり、センサーライトを設置する |
火災 | 火災報知器を設置したり、消火器を準備しておく |
情報の流出 | パソコンやスマートフォンにパスワードを設定したり、不用意に個人情報を発信しないように注意する |
地震 | 家具の固定や非常食の備蓄、避難経路の確認など |
住まいの安全を守る対策
私たちの大切な住まいを守るためには、日頃からの備えが欠かせません。安全な暮らしを続けるために、防犯と防火、二つの視点から対策を考えてみましょう。
まず、防犯対策としてできることは、空き巣などの侵入盗難を防ぐための工夫です。泥棒は、侵入しやすい家を狙います。窓ガラスを防犯合わせガラスに交換することで、ガラスを割って侵入することを難しくできます。また、玄関ドアの鍵をピッキング対策が施された鍵に交換することも有効です。これらの対策は、物理的に侵入を困難にすることで、犯罪を未にする効果が期待できます。さらに、センサーライトを設置して人の動きを感知して明るく照らす、あるいは防犯カメラを設置して家の周囲を監視することも、犯罪を抑止する効果を高めます。
次に、火災から家を守るための防火対策も重要です。火災が発生した場合、早期発見が被害を最小限に抑える鍵となります。そのため、住宅用火災警報器の設置と定期的な点検は欠かせません。警報器は、煙や熱を感知して大きな音で知らせてくれます。設置場所や電池の残量を定期的に確認し、常に正常に作動する状態を保ちましょう。さらに、消火器をすぐに使える場所に設置し、家族全員が使用方法を理解していることも大切です。初期消火を行うことで、火災の拡大を防ぐことができます。日頃から、コンセントのほこりをこまめに掃除したり、たばこの不始末に注意したり、ストーブの近くに燃えやすいものを置かないなど、火の元の確認を徹底し、火災を起こさないように注意することが最も重要です。
対策 | 項目 | 効果 |
---|---|---|
防犯 | 防犯合わせガラス | ガラス破りによる侵入を防ぐ |
ピッキング対策鍵 | 不正開錠を防ぐ | |
センサーライト・防犯カメラ | 犯罪の抑止効果を高める | |
補助錠 | 侵入を防ぐ | |
防火 | 住宅用火災警報器 | 早期発見・被害の軽減 |
消火器 | 初期消火・延焼防止 | |
火の元の確認(コンセント掃除、たばこ、ストーブ周囲) | 火災発生防止 |
情報セキュリティ対策の重要性
大切な情報を守るためには、情報を取り巻く安全対策をしっかり行うことが欠かせません。これは、個人の大切な情報や、会社などの秘密の情報が外に漏れたり、許可なく見られたり、書き換えられたりすることを防ぐための対策です。このような危険には、誰かが不正にアクセスしようとしたり、コンピュータウイルスに感染したりといったことが考えられます。
不正なアクセスを防ぐためには、パスワードを定期的に変えることが大切です。また、他人に推測されにくい複雑なパスワードを使うことも有効な対策です。数字だけでなく、大小文字を組み合わせたり、記号を加えたりすることで、より安全性を高めることができます。
コンピュータウイルスへの感染を防ぐためには、知らない人から送られてきた電子メールに添付されているファイルは見ないようにしましょう。また、怪しいと思える場所に接続しないことも大切です。このような注意を払うことで、ウイルス感染の危険性を減らすことができます。
さらに、安全対策のための専用の道具を導入し、常に最新の状態にしておくことも重要です。これらの道具は、コンピュータウイルスを発見し、駆除するのに役立ちます。常に最新版にしておくことで、新たなウイルスにも対応できます。
情報に関する安全を守るためには、正しい知識を身につけ、状況に合った対策を行うことが重要です。情報資産は、お金と同じように大切なものです。適切な安全対策を行うことで、大切な情報を守り、安全に利用することができます。
脅威 | 対策 |
---|---|
不正アクセス |
|
コンピュータウイルス感染 |
|
事業継続のための備え
災害や事故といった、思いもよらない出来事が起きた時でも、事業を滞りなく続けられるよう準備しておくことは、企業活動にとって非常に大切です。普段から事業継続計画(事業を続けるための計画)をしっかりと立て、いざという時の対応手順を明確にしておくことで、混乱を最小限に抑え、速やかに元の状態に戻ることができます。
まず、事業を続けるための計画を作る際には、どんなことが起こりうるのかを洗い出し、それぞれの出来事が起きた時にどのような影響があるのかを予測しておく必要があります。例えば、大地震が発生した場合、事務所が損壊したり、従業員が出社できないといったことが考えられます。また、取引先が被災し、材料の調達や製品の出荷に支障が出る可能性もあります。これらのリスクを踏まえ、人、物、金、情報といった経営資源をどのように確保していくのかを具体的に決めておくことが重要です。
データの複製をこまめにつくり、安全な場所に保管しておくことも忘れてはいけません。これにより、データが失われる危険性を減らすことができます。複製したデータは、火災や水害などの被害を受けないよう、別の建物や遠隔地に保管するのが良いでしょう。また、主要な取引先だけでなく、代替となる取引先も確保しておくことで、取引先が被災した場合でも、材料の調達や製品の出荷を続けられるようにしておきましょう。
さらに、従業員の安否確認の方法や、代替の事業拠点の確保についても検討しておく必要があります。従業員とは、携帯電話や安否確認システムなどを活用して、速やかに連絡が取れるようにしておきましょう。代替の事業拠点は、自社で所有する施設だけでなく、レンタルオフィスや他社の施設などを活用することも考えられます。
このように、様々な事態を想定し、事前に対策を講じておくことで、事業の継続性を高めることができます。日頃から、事業を続けるための計画の見直しや訓練を行うことで、いざという時に落ち着いて行動できるよう備えておきましょう。危険を管理することは、事業を安定させ、成長させるために欠かせない要素です。
項目 | 内容 |
---|---|
事業継続計画の重要性 | 災害や事故発生時にも事業を滞りなく続けるための準備。混乱を最小限に抑え、速やかな復旧を可能にする。 |
リスクの洗い出しと影響予測 | 想定される事象(例:地震)と、その影響(例:事務所損壊、従業員の出社困難、取引先被災による調達・出荷への支障)を予測。 |
経営資源の確保 | 人、物、金、情報といった経営資源の確保方法を具体的に決定。 |
データの複製と保管 | データ損失を防ぐため、こまめな複製と安全な場所(例:別の建物、遠隔地)での保管。 |
代替取引先の確保 | 取引先被災時のリスク軽減のため、代替取引先を確保し、材料調達や製品出荷の継続性を確保。 |
従業員の安否確認 | 携帯電話や安否確認システムを活用し、迅速な連絡体制を構築。 |
代替事業拠点の確保 | 自社施設、レンタルオフィス、他社施設などを活用した代替事業拠点の確保。 |
計画の見直しと訓練 | 定期的な計画見直しと訓練の実施により、有事の際の対応能力向上。 |
リスクコントロールの継続的な改善
危険を管理する対策は、一度行えばそれで終わりというものではありません。定期的に見直し、より良くしていくことが大切です。私たちの社会の状況や科学技術は常に変化しています。そのため、これまでになかった新しい危険が生じたり、すでに存在する危険が起こる確率や、起きた時の影響の大きさが変わったりすることがあります。
このような変化に対応するためには、定期的に危険の評価を行う必要があります。そして、現在の状況に合った対策に見直していくことが重要です。例えば、地震に対する備えとして、家具の固定は有効な手段です。しかし、建物の耐震性が低い場合は、家具の固定だけでは不十分で、建物の耐震補強も検討する必要があります。このように、状況に応じて対策の内容を変えていくことが重要です。
また、実際に起きた出来事や、危うく事故になりかけた出来事(ヒヤリハット)を詳しく調べ、対策がどれくらい効果があったのかを評価することも大切です。ヒヤリハットの分析は、大きな事故を防ぐための貴重な情報源となります。例えば、工場で作業中に物が落下しそうになった事例があったとします。この事例の原因を分析し、落下防止ネットの設置や作業手順の見直しなどの対策を行うことで、同様の事象の発生を防ぎ、より安全な作業環境を築くことができます。
このように、危険の評価と対策の見直し、そして起きた出来事の分析を繰り返し行うことで、より効果的な危険管理を実現できます。そして、継続的な改善を通じて、安全で安心できる環境を維持していくことができるのです。