
画像診断で治療!IVRとは?
画像で体の中を見ながら治療する、IVR(インターベンショナルラジオロジー)という治療法についてご説明します。IVRとは、X線透視やCT、超音波といった医療機器を使って体の中をリアルタイムで確認しながら、カテーテルなどの細い管を血管や臓器に挿入して治療を行う方法です。
従来の手術では、メスを使って大きく切開する必要がありました。しかし、IVRは小さな切開で治療ができるため、体に負担が少ない低侵襲治療として注目を集めています。体に優しい治療法なので、入院期間が短縮され、患者さんの回復も早くなることが多いです。また、高齢の方や他の病気を持っている方など、大きな手術が難しい場合でも、IVRを選択できる可能性があります。
具体的には、カテーテルという細い管を血管を通して患部に送り届け、そこから薬を注入したり、病変組織を塞き止めたりといった処置を行います。例えば、がんの治療では、カテーテルを通して抗がん剤を直接がんに送り届けることで、周りの正常な細胞への影響を抑えながら効果的にがんを攻撃することができます。また、血管が詰まってしまった場合は、カテーテルを使って詰まりを取り除いたり、ステントと呼ばれる小さな金属製の筒を留置して血管を広げることで血流を回復させることができます。
このように、IVRは様々な疾患の治療に役立つ、体に優しい最先端の治療法と言えます。患者さん一人ひとりの状態に合わせて最適な治療法を選択することが重要です。